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子どもたちの放課後の居場所づくり

  • 鋪田博紀

わかば児童会

3月の富山市議会定例会での一般質問(時間がなくて尻切れトンボになってけど)でも取り上げた「子どもたちの放課後の居場所づくり」について。

これまでも委員会や一般質問で取り上げていましたが、各議員がバラバラに取り組んでも、根本的な問題の解決やもっと進んだ取り組みがなかなかできないこともあり、会派でプロジェクトチームを作ることにしました。

まずは、関係する厚生部会(子ども福祉を所管)と経済教育部会(学校教育を所管)の合同で、8月18日、19日の2日間で、市内にある代表的な施設を視察しました。

富山市では子どもたちの放課後の居場所づくりとして、おおまかに次の3つの施策で対応しています。

  1. 地域児童健全育成事業(こども会)
  2. 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)
  3. 地域ミニ放課後児童クラブ事業

地域児童健全育成事業は小学校に設置した専用のスペースや余裕教室などを利用して、名前の通り、地域での子ども達の居場所を地域の運営協議会が主体となって提供するものです。基本的には利用料は無料で、地域の方が有償ボランティアとして子どもたちのお世話をしてくれます。施設面での制約などもあり地域によって運営方法は様々です。

開設時間は放課後から最長で午後6時まで。スタッフの体制や施設で学校に依存していることの制約や、あくまでも放課後の居場所づくりに重きが置かれているので、多くの場合午後4時半もしくは午後5時となっています。

一方の放課後児童健全育成事業は留守家庭児童を対象にした事業で、主な運営主体は保育園や学校を運営している社会福祉法人やNPOなどの子育ての専門法人などが行い、利用料は有料です。

開設時間は放課後から午後7時となっていて、保育園の小学生版といぅたところです。また、英語や音楽のレッスンや専門家によるスポーツ指導など、施設により特色のあるサービスが提供されています。

さらに、町内会やボランティア団体などが、その町内や限定的な地域で小規模な子どもたちの居場所を提供する、地域ミニ放課後児童クラブ事業があります。こちらは利用料は有料です。アットホームな雰囲気で子どもが安心して過ごせるのが特徴です。

それぞれ、放課後の居場所を提供している事業ですが、放課後の居場所を地域で提供する「地域児童健全育成事業」と、留守家庭児童を預かる「放課後児童健全育成事業」では目的が異なるのですが、利用者にとっては「市の行っているサービスなのに地域間で不公平がある」とか、「無料のサービスのほうは(地域児童健全育成事業を指して)開設時間が短い」などの意見も多くみられます。

地域児童健全育成事業の場合、全学年対象にもかかわらず施設面の制約で実質家庭学年のみを対象にせざるをえないところもあり、このあたりも不満の対象となっているようです。

もっとも、子育てから遠ざかった世代には、「今の親は甘えている。昔は、放課後用にこんな施設用意しなければいけない子供はいなかった」との、私から言わせればピントがずれている意見もあり、世代を超えて、子どもを育てていく施策の推進を進めるのも簡単ではありません。

それらの現状を分析すると共に...

富山市独自の「地域児童健全育成事業」と全国統一的に行われている「放課後児童健全育成事業」を今後どのように持っていくか?もう少し整理していくこと。そして、スポーツ(少年団やクラブあるいは地域の体育協会)がこの隙間を埋められないか?児童クラブやPTAは関われないか?教育関係者OBや大学と連携できないか?

等々、どのような解決策が打ち出せるか、時間はかかるかもしれませんがしっかりと取り組んでゆきたいと思います。

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