ブログ

BSチャンネル倍増、コンテンツ、著作権

  • 鋪田博紀

報道によれば、BSチャンネルが24に倍増し各局で競争激化するそうです。CS放送からの参入が中心だとか。(ニュースソース:日経新聞

今のテレビは地上デジタル、BS、CS、ケーブルテレビと多チャンネル化が進みました。CSとWOWWOWは専門チャンネルが主であります。そこへCSチャンネルがBS多チャンネルに合わせて進出するわけでありますが、どのような棲み分けになるか興味深いところです。

というのも、チャンネルは増えたけどコンテンツがさほど増えているわけではない。事実、地上デジタル・BSともに昼間の番組枠を中心に、それを埋め合わせるように韓流ドラマが目白押し。これに怒ったテレビ局へのデモ。

円高ウォン安が続けば、安くてそこそこ視聴率が取れる韓流ドラマは放送局にとっても美味しいコンテンツであり続けるでしょう。また、韓流ドラマ以外では通販番組が幅を利かせております。

一方でCS局は、音楽、映画、スポーツ中継などで囲い込みを図ってきたわけですが、有料CS局がBSでどのようなビジネスモデルを描いているかはまだよくわかりません。

例えば、私も大好きなF1中継は地上波で録画放送、CS有料放送で生中継やスペシャルコンテンツを用意して差別化しています。

ニッチな話になりますが、宝塚歌劇ではCSで有料の専門チャンネルを持ちながら、BSでも一定の番組枠を用意しています。

これについては批判もあるようで、女性セブンでは、「2002年に始まったCS有料チャンネルにより関西で放送されていた地上波がなくなり、新規ファンの獲得ができなくなり、現在の観客動員の減少の原因となっている」旨の記事が掲載されたそうです。(ニュースソース:エキサイトニュース

以前はあったNHKによる宝塚歌劇の放送もなくなってしまいました。

囲い込みのビジネスモデルの失敗ということでしょうか?

それから、既存のテレビ局を脅かす存在としてネットテレビの登場や動画サイトの存在もあります。

福島第一原子力発電所の事故に関する記者会見で、USTREAMニコニコ生放送が注目を集めました。というより、番組編成の都合で中断されないことや真夜中の会見も放映し続けたことで、事故報道には欠かせない存在となりました。

これもニッチな話ですが、国際スケート連盟(ISU)がYouTubeチャンネルを持ち、ジュニアグランプリの動画を配信しています。これまでテレビで見ることが出来なかったマイナーな選手の演技も見ることが出来ます。

また、NHKは、課題を抱えながらもオンデマンド放送を行っていますし、番組との同時ネット配信も計画しています。

これについては民放連がトンチンカンな反対していますが、良質なコンテンツを蓄積してきたNHKに対してこれを怠って既得権益に守られてきた民放側の悪あがきか?

話が脇にそれますが、Facebook上で、ある会社が、自社の取材番組をYouTubeにアップロードしたところ、放送局からの削除依頼をうけてYouTubeのアカウントの停止予告が届いたことが話題になっていました。

似たようなケースとしては、レディー・ガガが、出演した「SMAP×SMAP」の映像をYouTubeにアップロードしたところ、公式アカウントが著作権侵害を理由に停止された騒動(ニュースソース:ITmedia ニュース)や、宇多田ヒカルの公式動画がYouTubeから削除されたこと(ニュースソース:ITmedia ニュース)もありました。

背景は様々ですが、レディー・ガガはネット配信のプロモーションで現在のスターダムにのし上がったことを考えると、著作権者(本来のという意味で)の権利を守るための著作権が、巨大なビジネスに飲み込まれたあげくその姿を大きく変えて、既得権益を守るための道具として使われ、著作権者(やはり本来のという意味で)にとっても、ユーザーにとっても害悪を及ぼし始めているというのは興味深い話であります。

ついでに言えば、限られた電波資源の無駄使いはテレビという枠にとどまらず、スマートフォンの普及とともに無意味なゲームの氾濫による無線・有線ネット資源の浪費と過負荷という問題とも絡み合っていて、やがてはユーザーに跳ね返ってくる大問題ではないかと考える次第です。

ダウンロード

先頭へ