ブログ

月組の霧矢大夢・蒼乃夕妃退団、宙組次期は凰稀かなめ・実咲凜音 - 宝塚歌劇の時代の変わり目

クラシコイタリアーノ衣装
クラシコイタリアーノ衣装

宝塚家劇月組トップコンビの霧矢大夢(きりや ひろむ)さんと蒼乃夕妃(あおの ゆき)さんが、4月22日の東京宝塚劇場公演をもって退団されました。ニュースによれば最後のパレードに4,500人ものファンが集まったそうです。お気に入りの青樹泉(あおき いずみ)さんも同時退団となりました。

キリヤンこと霧矢さんは、歌唱・ダンス・芝居のどれをとっても超一流の実力者でした。生の舞台を観たのは『アルジェの男/Dance Romanesque』と『エドワード8世-王冠を賭けた恋-/Misty Station-霧の終着駅-』だけでしたが、DVDやテレビでの鑑賞を含めて主演作品で一番好きなのが『ME AND MY GIRL』でした。本格的なミュージカル作品は演じ手を選びますが、霧矢さんは本物のミュージカルスターでした。

また、2番手時代の『マジシャンの憂鬱』ボルディジャール役の真面目に演じれば演じるほど可笑しさが増す本物のコメディエンヌぶりも印象的でした。

ファミリー向けミュージカルをわざわざ宝塚で上演しなくてもと批判もあった『バラの国の王子(ボーモン夫人作「美女と野獣」より)』では、前代未聞の野獣の被り物で主演をされましたが、キリヤンでなくては宝塚作品として成立しなかったでしょう。実力者ですから退団後も様々な作品で活躍してくれることでしょう。

蒼乃さんはダンスが一番の魅力で、『アルジェの男/Dance Romanesque』で初めて見たその迫力あるダンスに酔いしれました。

また、どちらかというと姐御キャラで決してヒロインぽいルックスではなかったのですが、舞台ではヒロインにちゃんと見せる演技力も素晴らしかったです。『バラの国の王子』のベル役はまさにおとぎの国のヒロインそのものでした。

一方宙組では、7月1日をもって退団するトップスターの大空祐飛(おおぞら ゆうひ)さんと娘役トップ野々すみ花(のの すみか)さんにかわる次期トップスターに凰稀かなめ(おうき かなめ)さんが昇格し、次期娘役トップには花組から実咲凜音(みさき りおん)さんが組替えして就任すると4月16日発表されました。

お披露目はなんと田中芳樹原作の人気小説「銀河英雄伝説」を上演(タイトルは『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』)するそうです。

凰稀さんは雪組時代からの注目株で、初めて舞台を観たのが星組の『愛と青春の旅立ち』でしたが、美人で耽美系の凰稀さんとは真逆の髭の鬼軍曹フォーリー役をデフォルメして上手く演じていたのが印象的で、ルックスだけではなく芝居心もある人だと感心しました。

実咲さんの生舞台は『ファントム』でファントムの少年時代を演じているのが初めてでした。

その後主演をした『カナリア』のアジャーニ役は当時研3とは思えない熱演ぶり(初演の大鳥れいさんがあまりにも凄すぎて比較するの無し)。普通に美人過ぎて逆にインパクトが無いのが贅沢な悩みでしょうか。でもトップになれば輝くでしょう。

ベテラン実力者のキリヤンの退団は一時代の終わりを告げるようで寂しいですが、100周年に向けて新トップスターたちが新たな風を宝塚歌劇に吹き込んでくれることを期待します。

ダウンロード

先頭へ