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宝塚歌劇月組『ルパン-ARSÈNE LUPIN-』『Fantastic Energy!』

「ルパン」ポスター
「ルパン」ポスター

7月29日に宝塚歌劇月組大劇場公演『ルパン-ARSÈNE LUPIN-』『Fantastic Energy!』(主演:龍真咲、愛希 れいか、脚本・演出:正塚晴彦)を二男と観劇してまいりました。前トップコンビの退団作品以来1年4か月ぶりの月組公演観劇です。

『ルパン-ARSÈNE LUPIN-』作品について

龍真咲さんがトップとなってから初のオリジナル作品で、小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズの作家モーリス・ルブラン没後70年となる2012年に発見され話題となた遺作「ルパン、最後の恋」を宝塚歌劇が初めてミュージカル化しました。

正塚作品らしいハードボイルドさは封印し、400万ポンド強奪事件、英国王位継承事件を背景に、龍さん演じる知的なルパンと愛希れいかさん演じる可憐なレルヌ大公の令嬢カーラ・ド・レルヌとのもどかしい恋とを、モーリス・ルブラン役の北翔海莉さん自身が語り部となって進めていきます。

とはいえ、正塚作品お約束の、事件が解決してからのエピローグが一番重要だったり、通行人が舞台上で行き交うシーン、回転舞台とセリを駆使しての場面転換などはしっかりとありました。

この公演では、初めて宝塚歌劇を観劇したと思われる20代男性を中心とした男性客が大勢いて、普段はガラガラの男性トイレが満員。

第一部のミュージカルが終わってトイレの中やロビーでは、「やばい、面白い!」「かっこいい!」の声が。

『Fantastic Energy!』作品について

前述の通り、初観劇の団体のおかげで大いに盛り上がりました。

電飾が付くたびに「ひゃー!」、セリでスターが出たり引っ込んだりするたびに「おー!」、ロケット(ラインダンス)では「ひゅー!」、とどめは宝塚名物大階段が舞台上に現れると「うおぉー!」

とにかく飽きのこないスピード感のあるショーでした。

龍さんはあまりダンスを得意としていないのですが、結構踊ってました(笑)
冒頭の総踊りの後で一人銀橋に座って歌いながら客席へキラキラとしたまなざしを向ける場面は、客席もうっとり。

愛希さんは、龍さんのダンスパートを補うようにがんがん踊るし、専科から特別出演の北翔海莉さんは歌も踊りも最高にかっこいい!キラキラした王子様感と濃さが同居した個性的な新トップを中心に、素晴らしいショーでした。

キャスト(龍真咲、愛希れいか、ほか)

龍さんは、2001年初舞台(87期生)の期待の若手トップスターですが、彼女がトップなってから『ロミオとジュリエット』『「ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』『ミー・アンド・マイガール』と大作の再演もの続きで、しかも『ロミオとジュリエット』『「ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』では準トップの明日海りおさんとのまさかの役替わり。今回は、待望のオリジナル作品で大劇場単独主演。

ちょっと癖のある抑揚の大きな台詞回しも今回は抑え目で、知的でクールなルパンというキャラクターが衣装を含めて本当によくあっていました。

対する愛希れいかさんは、2009年初舞台の95期生。2年前までは男役だったという異色の娘役トップですが、父を自殺で亡くした大公令嬢役を好演。ダンサーという噂でしたが、踊りだけでなく芝居も歌もなかなかでした。

また、おなじみジュスタン・ガニマール役の星条海斗さんと、予審判事フラヴィ役の憧花ゆりのさんがコメディエンヌぶりを発揮。

そのほか、英国王候補オックスフォード公エドモンド(宇月颯)の秘書トニー・カーベット役の沙央くらまさんは雪組からの組替えで、正塚作品ではコメディエンヌ担当としておなじみですが、今回はシリアスなちょっといかれた役どころをさすがのお芝居。

宙組から組替えのドナルド・ドースン役凪七瑠海さんも、男役度に磨きがかかった演技で、この物語の重要人物の一人でした。

p.s

この公演で宝塚歌劇団を卒業する月組組長の越乃リュウさんは、ルパンの乳母の亭主ヘリンボーン役をやや控えめに演じていましたが、トップスターのようにかっこいい組長と前公演で退団した娘役トップのようなかわいい副組長の花瀬みずかさんがそろって退団されて、誠に残念です。

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