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熱かった蘭寿とむ・蘭乃はな主演『戦国BASARA』-真田幸村編-宝塚歌劇花組シアターオーブ公演

シアター・オーブ内部
シアター・オーブ内部

6月議会と選挙の合間を縫って、宝塚歌劇花組シアターオーブ公演『戦国BASARA』-真田幸村編-(原作・監修・制作協力/株式会社カプコン、脚本・演出/鈴木圭)を観劇してまいりました。前作『オーシャンズ11』のラスベガスから、ゲームの中の戦国時代へタイムスリップです。

作品について

原作はカプコン社制作のゲーム『戦国BASARA』。主演の蘭寿さんは宙組2番手時代に同社の『逆転裁判』を原作にした舞台を2作主演しています。

また、阪急電鉄の宝塚歌劇団が阪急・東宝系以外の劇場であり、渋谷ヒカリエに誕生した東急シアター・オーブで上演を行うというのも興味津々でした。

ストーリーは単純そのもので、武田軍の若き闘将真田幸村(蘭寿とむ)が、お館様と仰ぐ武田信玄(華形ひかる)、猿飛佐助(望海風斗)ら仲間たちに見守られながら、上杉謙信(明日海りお)との戦い、伊達政宗(春風弥里)との出会いを通じて成長してゆく物語。

ゲームにはない蘭乃はな演じる「いのり」というオリジナルキャラクターとの恋も宝塚らしい舞台を構成する重要な要素です。

私はこのゲームをプレイした経験がありませんが、舞台上に、ゲームキャラ独特のコスチュームを身にまとった等身大の生きたフィギュアのようなキャラクターが並び立った瞬間は圧巻でした。

蘭寿とむ(真田幸村)

『ファントム』のエリックを演じた時のような青年キャラは久しぶりですが、蘭寿さんにぴったり。もはやベテランといってもよい経験年数ですし、前作のダニー・オーシャンのような大人の役がはまり役のはずなのにちょっと青臭い若者役を可愛く、熱く演じていました。

また、長い長い2本の槍を縦横無尽に振り回す立ち回りも、とても女性が演じているとは思えない迫力でした。流石プロフェッショナル!

暑苦しくまっすぐな役をやらせたら蘭寿さんの右に出る者はいません。

蘭乃はな(いのり)

戦の中で幸村に助けられ恋に落ちてゆくお決まりのパターンですが、実は織田信長の命を受け、明智光秀が放った忍者で、武田軍と上杉軍を戦わせ両者を滅ぼすという任務を負っています。

最後は、幸村との愛ゆえに死んでゆくというこれまた宝塚お決まりのパターンですが、このコンビになってヒロインが先に死んでゆくのは初めてですね。

天真爛漫な村娘と、冷徹な忍びの役という二面性を持った役をうまく演じ分けるという、『Hamlet!』以来の蘭乃はなさんの持ち味に、不肖私、すっかりはまっております。

その他の出演者

今回の公演から月組より組替えになった明日海りおさんは、持ち前の美貌が活きるクールで妖しい謙信。蘭寿さんと対極の演技で存在感を発揮していました。ただし、花組が得意とするダンスはちょっと苦手かな?

次回作で退団が決まった春風弥里さんの政宗は、まさかの英語も飛び出す気障な伊達男ぷりがはまり役。1年前に宙組から移動し長身でダンスも演技も歌もカッコよく、人気急上昇なのに何故卒業?

明日海さんと同期で、佐助役の望海風斗さんは、歌は最高、演技もダンスも安定感があり、このところ花組一押しのトップ候補。前作のベネディクト役を経てさらに磨きがかかり、ちょっと飄々とした難しい役を難なくこなしていました。絶対トップになってほしい一人です。

幸村の少年時代を演じた春妃うらら(娘役)が上手かった。武田信玄(華形ひかる)との愛の殴り合いのシーン(実際になぐり合うのは大人になってからの幸村と信玄ですが、戦で死んだ父親を返せと信玄に突っかかるシーン)は感動しました。

次回作パネル
次回作パネル

もっと書きたいのですが、今日はこの辺で。花組次回作は、オペラ「アンドレア・シェニエ」を原作にした『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』『Mr. Swing!』の2本立て。

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