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都市計画などをめぐって議論 - 12月定例会の一般質問が終わりました(1)

富山市議会12月定例会の一般質問が終わり、現在常任委員会で議案の審議が行われています。今回は16日に一般質問を行いましたが、私の質問も含めて議論の内容を紹介します。Facebookに投稿した内容と一部重複する点がありますが、ご了承ください。

富山市都市計画区域再編について

Q.富山市都市計画区域再編についてはどのように?

A.富山市都市計画区域再編については、合併後のコンパクトなまちづくりに現行の都市計画は必ずしも合致していないので、再編が必要性との認識。また、県の都市計画マスタープラン見直しにあたって線引き制度についての紹介はあったが具体的に議論はされてこなかった。なお、射水市が誘致している大型店については「県が広域調整の役割を果たしていない」。

補足その1

合併後のまちづくりのもとになる都市計画については、富山市は以前から見直しを検討していたわけで、射水市がコストコを誘致したことをきっかけにあらたに行動を起こしたわけでもないし、そもそも合併した富山市が都市計画を見直すというのは至極当然な話であります。

ここをぜひ理解していただきたいと思います。

もちろん以前から議会でもこの議論があって、既に新聞等でご存知の方もいらっしゃいますが、私も平成23年3月議会の委員会で質問した通り、都市計画に係る事業が予算化されておりました。建設委員会でのやりとりを記載しておきます。

Q.「コンパクトなまちづくりの実現に向けた土地利用計画制度活用検討事業」の目的は?

A.拡大を抑制するという観点で作られた現行の都市計画制度(市街化区域・市街化調整区域の線引き制度と用途地域などを組み合わせて、まちづくりの元になる設計図をつくることを指します)が、現在の状況に合わなくなっている。郊外と串・団子の関係でいけば、その比率を6対4にしていきたい。

Q.都市計画の見直しに係る基礎調査事業の目的は?

A.現在富山市の都市計画は、富山・高岡広域都市計画区域と八尾、大山、大沢野の非線引き都市計画区域、婦中町の一部の都市計画区域外に分かれており、一つの市に一つの都市計画区域が望ましいので、そのための調査を行う。

補足その2

委員会でも、広域調整が機能していない旨の答弁があり、富山市がそのように主張する理由としては、33haの申請があったが11Haに抑えさせたという富山県の主張については、11Haでも出店者にとって国内最大規模であり、フェリオは0.7Ha、ファボーレは7Haということを見ても、実際には広域調整が果たされたとは言えないということです。

立山町で大型ショッピングセンターの開発が持ち上がった時に富山県の都市計画の広域調整が行われ、結果として開発が中止となりました。ただし一番大きな要因は、農業用水関係者が排水に同意しなかったことが一番だったと記憶しております。

平成17年12月議会・一般質問で広域調整に関して私が質問しておりますので長文ですが端折って掲載しておきます。

Q.鋪田博紀

現在国において「まちづくり三法」の見直しが検討されています。

ご承知のとおり、「まちづくり三法」とは改正都市計画法・大規模小売店舗立地法・中心市街地活性化法をさし、外圧による大規模小売店舗法いわゆる「大店法」の廃止と引き換えにまちづくりの切り札として成立しました。ところが実際には、現在の中心市街地の衰退の大きな要因である郊外の大規模商業施設の進出に拍車をかける結果となり、今般の見直し議論となったわけです。

富山県においても、先般、石井知事が、郊外での大規模商業施設の出店に関して、複数の市町村にわたり影響を及ぼすことから、広域調整の仕組みが必要と発言され話題になりました。これに対して需給調整は時代に逆行すると流通業界は反発をしています。

しかし郊外での大規模商業施設の立地は、中心市街地の商業の問題だけではないことは誰もが理解できることです。本議会でも6月定例会において大型店の出店に対し自粛を求める決議をいたしました。

今回のまちづくり三法の見直しのひとつに、都市計画制度の見直しにより、これらの問題を、まちづくりの観点から解決することが検討されています。国ではその基本的な考え方として、都市機能の適正立地をブレーキに中心市街地の振興方策をアクセルに例え、各種の施策を検討しています。

ブレーキについては、

  • 広域的なまちづくりの観点から、大規模商業施設の立地について都市計画の手続きに組み込みその手続きの中で立地についてひろく意見を求めるほか、都道府県知事にその同意を求めるしくみをつくること
  • 市街化調整区域における大規模開発制度を見直し、宅地系の開発と商業系の開発にわけて手続きをするしくみをつくること
  • 都市計画区域外での都市計画規制を見直すこと
  • 役所などの公共施設や病院などの公益施設の郊外移転が著しいことから、これらに歯止めをかけるため開発許可制度を見直すこと

アクセルについては、

  • まちなか居住の推進
  • 地権者を巻き込んだ空き地対策・空き店舗対策の推進
  • 医療・福祉・文化に関する公共・公益施設のまちなかへの立地支援
  • 公共交通機関の利便性向上
  • 歩行者空間の充実

などをあげています。

これまでの都市計画法上の諸手続きに関する中核市の位置づけをみても、また県都としての重みを考えても、法律が変わったからたからこうなりましたではなく、市としてまちづくりの基本姿勢をしっかりと示して、議会を含め広く意見を求め、それを具体な施策に落とし込んでいくというプロセスが重要です。

本市においてもこれらの法改正を見越して、広域的なまちづくりの観点からの都市計画の手続きについて、富山県と本市、隣接する市町村と本市がどのように関わればよいのか、あるいはその仕組みについてこれからどのようにしてゆくのか、本市の方針について答弁を求めます。

A.これに対しての都市整備部長答弁

国におけるまちづくり三法見直しとまちづくりについての御質問のうち、都市計画の手続について、県や隣接市町村とどのようにかかわるのか、あるいはその仕組みをどのようにしていくのかのお尋ねにお答えいたします。

本市を初めとする地方都市では、中心市街地における空洞化が深刻化したことから、平成10年に中心市街地活性化法、改正都市計画法、大規模小売店舗立地法、いわゆるまちづくり三法が制定されましたが、その後も都市の核となる中心市街地の衰退は進み、その再生は喫緊の課題となっております。

こうした中、国の社会資本整備審議会では、都市ストックとしての中心市街地を再生させ、機能を集積した集約型都市構造の形成を新たな理念として、1つには都市構造の制御力の強化、2つには地方分権と広域調整、3つには中心市街地への集積誘導を論点に、ゾーニングによる土地利用規制や開発許可制度、都市機能集約のための支援策、広域調整を行う都道府県の役割などについて、見直しの議論がされているところであります。

本市におきましても、郊外における大規模小売店舗の立地は、コンパクトなまちづくりや中心市街地活性化に深刻な影響を及ぼすおそれがあることから、隣接する市町村への立地などに関しましては、まちづくりの観点から県によって広域調整を行うことが必要であると考えております。

現在、国ではこれらの課題に対応するため、法改正の準備が進められていると仄聞しており、本市といたしましても、国の動向を見ながら、県に対し新たな制度に基づき、広域調整をされるよう働きかけてまいりたいと考えております。

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