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文化事業団芸術監督奈木隆氏をお招きしての勉強会

勉強会の様子
勉強会の様子

会派(富山市議会自由民主党)で総務・文教部会の勉強会を、財団法人富山市民文化事業団の芸術監督をつとめる奈木隆さんをお招きして開催いたしました。

会派には政調会という組織があって、市議会の常任委員会に対応して4つの部会(総務・文教、厚生、商工農林水産、建設)を設置し、部会が中心となって専門分野について定期的に勉強会や視察を行っています。

今回は、『ハロードーリー!』公演の興奮がさめぬうちに、オーバードホール名作ミュージカルシリーズの仕掛け人である奈木氏に、一連の公演を通じて感じた地方都市の文化振興の将来と課題についてざっくばらんに語っていただきました、

一連の名作ミュージカルシリーズで主演を務めた富山市出身の剣幸さんからは、地元のアマチュアとの共演について、「情熱あるアマチュアと一緒に創ることは素晴らしいことである」との主旨の言葉もいただいたそうで、私も、音楽・ダンス・芝居という裾野の広いミュージカルを、超一流のプロと地元のアマチュアの共同作業で地方発信という「富山スタイル」で、しかも、東京公演まで行ったということは、今後の地方都市の芸術・文化振興に大きなヒントを得ることになったと思います。

一方で、剣幸という知名度も動員力もある富山市出身のミュージカル・舞台スターが主演を務めたことで初めて実現できたということと、この流れを定着させていくには、剣さんに代わる方がいるのか?プロデュースする力が富山に育っているのか?という現実も突きつけられていると思います。

とはいえ、これまでの取り組みを通じて地方発信スタイルのネットワーク化やソフトの共有化など、新たな資産も形成できたことも事実で、今後はこれをさらに継続・発展する取り組みが必要だと考えます。

また、ハードウエアの部分では、身の丈に合った劇場がない。つまり、オーバード・ホールを核としつつも、オーバードは、芝居やミュージカルを上演するにはオーバーキャパであり、芸術文化振興の底辺をになうアマチュアにとってもプロが使うことを前提としているためオーバースペックです。

さらに、県内には中小規模であまりメンテナンスがされていない劇場・ホールも数多く存在し、様々な資源をもう少し集中させることができないか?という指摘もありました。ハード面はもちろんですが技術者や企画にかかわるスタッフの資源の集中という指摘だったと思いますが、この点については以前から議会で指摘している通りです。

合併したことで富山市も多くの文化施設を有することになりましたが、耐震の問題からホール部分を閉鎖せざるを得なくなっている施設もあり、地元との意見調整は必要ですが、商業的な興行は旧町村部では成立しにくいことを考えると、立派なホールを再整備するのではなく、アマチュアが利用しやすいシンプルで小規模な多目的スペースを整備するか、中学校の体育館に手を入れてスポーツのみに偏っていた学校開放を、芸術・文化の目的でもかい地域に開放するなどの手法が必要なのではないでしょうか?

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