蘭寿とむ・蘭乃はなコンビのラストダンスと月央和沙退団 - 宝塚歌劇花組大劇場公演『ラスト・タイクーン/TAKARAZUKA ∞ 夢眩』
宝塚歌劇団花組の宝塚大劇場公演『ラスト・タイクーン/TAKARAZUKA ∞ 夢眩』を夫婦で観劇してきました。
とうとう、退団公演が始まりました。今回の公演で、トップスターの蘭寿とむさんとダンスリーダー月央和沙が大劇場を卒業、5月の東京宝塚劇場公演で退団されます。
そして大好きだった通称「らんらん(蘭寿とむ・蘭乃はな)コンビ」のラストダンス。
ミュージカル『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛― 』
アメリカの人気小説家F・スコット・フィッツジェラルドの未完の長編小説「ラスト・タイクーン」を原作にした、脚本・演出の生田大和さんの大劇場デビュー作です。
1930年代のハリウッドを舞台に、蘭寿とむさん演じる大物プロデューサー、モンロー・スターの栄光と挫折、明日海りおさん演じる映画ビジネス界での先輩パット・ブレーディとのライバル争い、蘭乃はなさんが二役を演じる女優で亡き妻ミナ・デービスと面影が似た女性キャサリン・ムーアとのロマンスを描いたミュージカルです。
二役のミナとキャサリンのキャラクターがわかりにくいことや、パット・ブレーディがただの悪役なのかそうではないのか、コメディ-シーンの中途半端な感じなど、演出面での落ち着きのなさがあったものの、画像や丸盆・可動セリなどの舞台装置を最大限に活かしたこともあり、テンポが良く飽きさせない作品となりました。
ましてや、男役の中の男役、男でも憧れる男役像では右に出るものがない蘭寿とむさんのスーツものとくれば、面白くないはずがありません。
アンバサダーホテルのココナッツグローブのシーンでは、劇中ショーのような感じで、まさかの男役タキシード群舞に、踊ったことがないというキャサリンを強引に誘ってのディエットダンス。キャサリンを誘ってのドライブシーンでのダンディーなエスコートぶり。
ミナとの新婚生活のために建築したものの、ミナの死によって工事途中で放置された廃墟のシーンでは。
キャサリン:「この家は屋根がないのね?」
モンロー:「あ~あ、どんな屋根が好みか判らなかったからね」
ファンにはたまらないです。
ショー『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』
第二部のショーも、暗転による転換がほとんどなく、テンポが速くて楽しかったです。あっという間すぎて記憶に残っていません(笑)
強いてあげれば、マーメード姿の蘭乃はなさん、桜咲彩花さん、華雅りりかさんの可愛いこと。
マドンナ、チャカ・カーン、クリス・ブラウンなどの専属ダンサーKENTO MORIさん振付による銀狼のシーン。高翔みず希組長が芝居だけではなくダンサーだったことを再認識。そして蘭寿さんの銀橋を渡りながらのこれでもかっていう位のダンス。
「王様の剣」をイメージさせた蘭寿さんの王子様と蘭乃さんのプリンセスの美しいこと。そして二人の少年少女時代として、退団する花蝶しほさん、凪咲星南さんが登場するにくい演出。
男役の黒燕尾ならぬ、娘役のドレス群舞を率いる蘭乃さんのかっこよさ。続く男役の黒燕尾では、退団するよっちこと月央和沙さんを先頭にこれぞ花組男役という一糸乱れぬフォーメーション。そしてサプライズ?、月央さんと蘭寿さんのディユエットダンス。ここはもう涙が止まりませんでした。
月央さんは、芝居では大した役がなかったけど、ショーではいつも全力投球なダンスで魅了してくれましたし、群舞では常にダンスリーダーとして蘭寿さんの後ろで影のように踊っていました。よっち、何故辞める~
その後はステージに残った「らんらん(蘭寿とむ・蘭乃はな)コンビ」のラストダンス。
シンプルで凛とした二人のディユエットダンスに引き込まれ、フナーレへ。ちなみに記憶だ正しければ、スモークの中での正統派ディユエットダンスは、コンビお披露目公演の『ファントム』以来?
エトワールは待ってましたの仙名彩世さん。若いのに何をさせても上手いし、加えて美人。
演出は退団公演らしいものでしたが、なんだか蘭寿さんはいつも通り明るく熱く、むしろ公演を楽しんでいるくらいのリラックスした雰囲気でした。東京公演も観たいけど、予約はことごとく全滅。入手困難なプラチナチケットになっちゃいました。
書いているうちに記憶が蘇ってきたのですが、泣いてしまいそうなので本日はこれまで。
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