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さようなら柚希礼音・夢咲ねねゴールデンコンビ『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』宝塚歌劇団星組東京公演

黒豹のごとく公演ポスター
黒豹のごとく公演ポスター

ミュージカル・プレイ『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』(作/柴田侑宏、演出・振付/謝珠栄)とダイナミック・ドリーム
『Dear DIAMOND!!』-101カラットの永遠の輝き-(作・演出/藤井大介)がついに千秋楽を迎えました。

柚希礼音・夢咲ねねというゴールデンコンビのさよなら公演。

ここまで長期にわたりトップコンビを組んだのは、和央ようかさんと花總まりさんのタカハナコンビ以来か...

そして、夢咲ねねさんは富山市出身で、先に退団された元雪組トップ娘役、愛加あゆさんのお姉さんであります。娘役としては高身長で、まるでモデルのようなスタイルと美貌で、ある意味異色のトップ娘役だったのではないでしょうか。

『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』は、第一次大戦後のスペインを舞台に、「黒豹」と呼ばれた海軍大佐アントニオ・デ・オダリス伯爵(柚希礼音)とかつての恋人カテリーナ(夢咲ねね)が再会し、数奇な運命にもてあそばれていくストーリー。

柴田作品にしては毒気のなさが物足りない部分もありましたが、『ハプスブルクの宝剣』や『愛と青春の旅立ち』『激情』『琥珀色の雨にぬれて』などでも演じてきた、どこか内面に影を抱えるアントニオのような役は柚希にぴったり。

明るくやんちゃ坊主ぽい外見とは裏腹にナイーブな役が似合っているトップスターだったように思います。

などと偉そうに書けるほど星組を見ているわけではなく、本公演で観たのは『愛と青春の旅立ち』と『オーシャンズ11』とこの作品のみ。あとは、全国ツアー富山公演での『激情』『琥珀色の雨にぬれて』で、残りの作品はテレビとDVDしか観ていないのです。

しかも、あの『ロミオとジュリエット』は見逃してしまいました。なんと勿体無いことを...

カテリーナを演じた夢咲さんも、これまでのキャリアを活かし、複雑なヒロインの心模様を実に的確に描写されていました。

これまでの数少ない観劇で一番印象に残っているのは『琥珀色の雨にぬれて』のシャロン。とても抑えた演技が必要な役なのですが、「ねねちゃんはこういう演技が上手いんだ!」と、感心した覚えがあります。キャピキャピのぶりっ子ヒロインからナイーブな大人の女まで実に幅広い役をこなすことが出来る貴重な娘役でした。

また、ラファエル・デ・ビスタシオ役の真風涼帆さんが実に印象的。このあと宙組へ組替えになり、いよいよトップスターへのカウントダウンが始まるという立場になりますが、いつの間にかこんなにも濃い男役に成長していたのですね。

さて、宝塚歌劇の観客動員が減少したなどと新聞に書かれた低迷期と呼ばれた時期に、トップコンビ就任当初は動員に苦しんでいた(初めて大劇場で星組を観劇した『愛と青春の旅立ち』は一階通路より後ろがガラガラでした)ものの、上演ごとにファンを獲得し、いつの間にかチケット入手困難な星組に、そして宝塚を世間一般に知らしめた功績は多大なものがあります。

退団後も大きな仕事に恵まれ、ますますの活躍が期待されます。

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