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宝塚歌劇団月組大劇場公演『舞音-MANON- / GOLDEN JAZZ』

舞音パンフレット
舞音パンフレット

宝塚歌劇団月組の大劇場公演『舞音-MANON- / GOLDEN JAZZ』を観劇してきました。

ミュージカル『舞音-MANON- 』

フランス恋愛文学の名作アベ・プレヴォ作「マノン・レスコー」を原作にした作品は、2001年花組バウホールで瀬奈じゅん、彩乃かなみ、蘭寿とむさんらが演じた『マノン』(監修:柴田侑宏、脚本・演出:中村暁)が思い出されます。蘭寿さんが銃撃でハチの巣にされたシーンは蘭寿ファンには忘れられません。

今回は舞台をベトナムに移し、脚本・演出に植田景子、舞台は松井るみ、振り付けは大石裕香という、花組『愛と革命の詩 -アンドレア・シェニエ』チームの再結成。また、作曲はNY在住の新進気鋭韓国人作曲家のJoy Son、舞台衣装が前田文子と、楽しみな舞台でした。

ただし、原作の「マノン・レスコー」や花組の『マノン』イメージしていくと肩透かしをくらうことになります。

あくまでも、主人公シャルル・ド・デュラン(インドシナ駐在を命じられた、フランスの若きエリート海軍将校)を演じる龍真咲さんと、サイゴンの踊り子舞音(マノン)を演じる愛希れいかさんの、儚く切なく美しいラブロマンスとして観るのがよろしいかと思います。

特に、サイゴンの夜を彩る舞台美術と衣装が一体となった幻想的な場面にはため息が出るほど。さらに天蓋のベッドで二人が愛し合うシーンは花組『愛と革命の詩 -アンドレア・シェニエ』を思い出させますが、白い衣(ころも)をまとって踊るコロス達の美しい衣装と振り付けもあって、それはそれは美しいものでした。

また、シャルルの真実の心を表す存在もう一人のシャルル・ド・デュランを美弥るりかさんが演じます。

『風と共に去りぬ』でスカーレットの真の心を演じるスカーレット2という役がありましたが、登場人物がさほど多くない作品で上手くスターを活かす手法として宝塚歌劇ではしばしば用いられます。このあたりは座付演出家の面目躍如といったところでしょうか。

ネタばれになるかもしれませんが、最後のシーンでは、ひょっとすると当初は龍さんの退団作品だったのではないかと思わせる台詞もありました。

ショー『GOLDEN JAZZ』

稲葉太地さんの作・演出による『GOLDEN JAZZ』は、舞台装置も衣装も大変豪華でおもちゃ箱のような賑やかな作品で、あっという間の1時間。

稲葉さんのショーを観るのは2013年花組公演の『Mr. Swing!』(主演:蘭寿とむ)以来。同じジャズを題材にした作品ですが、主演のキャラクターの違いもあってか、『Mr. Swing!』は完成された大人の作品、こちらはとにかく賑やか。

印象的だったのは、龍さんがオーケストラピットから登場するところのキラキラ感、愛希さんを中心にメンバーがアフリカンなダンスを情熱的に激しく踊る場面。

こちらも、退団作品だったのではないかと思わせる場面が数多くありましたが、真偽のほどは...

そのほか

富山県出身の海乃美月さんも、『舞音-MANON- 』では革命側の重要な登場人物ホマ(マノンの小間使い)として、確かな演技を披露。ショーでも大活躍でした。

また、チケットを手配いただいた優ひかるさんも、『舞音-MANON- 』では賭博場でのシーンは男役度がさらに高まったと感じましたし、ショーでのダンスポジションもセンター付近で踊るなど、着実にステップアップされていました。

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