クロケット&ジョーンズのフルブローグ、クリフォード

クロケット&ジョーンズ(Crockett&Jones)のハンドグレードコレクションの代表的モデル、オードリーを購入したことがきっかけで靴にはまってしまった私ですが、ストーレートチップのオードリーとそれのパンチドキャップ版であるベルグレーブは、ともに337という木型。
程よいロングノーズと程よいセミスクエアトウが特徴で、シンプルなデザインが活きる木型だと思っていたのですが、同じ木型のフルブローグモデルであるクリフォード(Clifford)もなかなか美しい靴です。

フルブローグ(俗にいうウイングチップ)はなんとなく野暮ったく思っていたのですが、以前紹介したアンソニークレバリーのチャーチルを見てから考えが変わりました。
そうすると不思議なもので、以前から店頭に置いてあったはずなのに全く視界に入ってこなかったこのクリフォードが格好よく見えてくるから不思議です。
人気モデルのオードリーと同じ337ラストを使用していますが、ブローギングがあるだけでずいぶん雰囲気が変わります。

同じ英国ノーザンプトンの靴ブランドであるジョンロブ、エドワードグリーンに比べ一段も二段も低くみられるクロケット&ジョーンズであります。
まあ、価格が3倍から2倍の靴と比較するのは無理があるかもしれませんが、同じ価格帯のチャーチに比べても評価は低いような気がします。
しかし、ハンドグレードコレクション(この黒いフルソックのインソールがハンドグレードの特徴)に関してその評価は少々低く過ぎる気がいたします。

古い英国靴ブランドのほとんどが創業家の手を離れていくなかで、クロケット&ジョーンズは創業家(現在は三代目)が今も英国靴の伝統的な靴づくりと現代的な製法・デザインなどを、価格以上の魅力的な製品に融合させている稀有な存在だと思うのですが。
靴マニアの心をくすぶる何か...
例えば、武骨さ?ロイヤルワラント?何年もかけて足になじませるのが本当の英国靴?)が足りないのでしょうか。

かくいう私も、最近はジョージクレバリーのチゼルトウにすっかりやられておりますが、普段履く靴としてはどなたかのブログでも書かれていた通り「惜しみなく履ける靴」それが、クロケット&ジョーンズですね。
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