議会レポート

平成16年3月議会・予算特別委員会

1. 教育について (1)14歳の挑戦について

鋪田委員

 まず、教育についてでありますけれども、款10教育費、1教育総務費、4教育指導費、地域ぐるみこころの教育推進事業、いわゆる社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業に関連して質問いたします。

 これまで私自身、PTAの中で2年間、この社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業にかかわってまいりました。前日の原田委員の質問の中にもいろいろなお話がありました。その中では神戸の事例というのが一つのきっかけで始まったということも御披露いただいたわけですけれども、この事業について本市において導入された当初の趣旨を、いま一度確認をしたいと思います。

大島教育長

 この事業は、富山県の実情も十分考慮して、本県独自の事業として平成11年度から始まったものでございます。それまでも各中学校におきましては、進路指導の一環として1日から2日の職場体験学習が行われていたわけでありますが、それはあくまで自分の将来の職業選択に役立たせることを目標とした学習であり、社会のルールを学んだり、自分の生き方を考えたりすること等を目的として行われたものではございませんでした。

 この事業は、中学2年生が5日間、学校を完全に離れ、事業所や福祉施設など大人社会の中に身を置いて、その一員として活動します。このように生徒が5日間にわたるさまざまな体験を通して、働くことの喜びや苦しみ、認められたり感謝されたりすることの喜び等を味わう。あいさつや言葉遣いの大切さ、社会生活におけるルールの必要性、学ぶことや生きることの意義等を感じとる。それから家庭における親子の語らいを深めることを目的としているわけであります。

鋪田委員

 今ほど、富山独自の目的といいますか、趣旨があるということをお伺いしたわけですが、ただ、現状については、各地域、中学校地域等々で受けとめ方に温度差といいますか、前日の原田委員の中にも御指摘がありましたけれども、いろいろな問題点を抱えているのだろうと思います。

 幸い、私の地域では、地域に卒業生あるいはPTAの方、あるいはPTAのOBの方が経営されています企業や商店、あるいは病院、福祉施設等があるものですから、目的の趣旨について大変御理解をいただいて、これまで事業を進めてきたわけでございまして、全く問題点がなかったかといえば、いろいろな困難に直面したこともありました。

 例えば、これはある地域の個人商店さんですけれども、そこは専門店で、専門商品以外の、いわゆる日常で使う生活用品みたいなものも置いてありまして、子どもの方から、専門店ならどうして専門外の日用雑貨等が置いてあるんですかという質問に対して、これは大型店ではできないことで、地域にある店だからこそニーズがあれば、そういったことにもこたえていかなければいけない。それが、小さなお店ではあるけれども、地域に貢献している誇りであったり、喜びであるということを子どもたちに踏み込んで教えてくださいました。

 そういう意味で、私自身はこの社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業を大変評価しているわけですが、一方で、いろいろな問題点、例えば、こういう事業があるからやらされているんだという感覚が、企業あるいはPTAの中にもあるように思います。

 それで、きのうの答弁の中でも、報告書という形のものとしてまとめるということがありましたけれども、単に報告書でまとめるということではなくて、社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業というのを一つの道具立てとして、この「14歳の挑戦」という事業を使ってこんな教育効果があったんだよということを、生の声でお互いに意見交換できる場が必要ではないか。例えば、「14歳の挑戦」事業を行う前に、関連しているPTAや企業を集めて、なるべく少人数の会の方がいいと思うんですが、事前のワークショップみたいなものをやってみるとか、あるいは終わったあとのワークショップみたいなものを、これも強制的にやらせるというよりも、自発的に参加していただくのが一番ベストでしょうけれども、そういったことをやって、もう少し、社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業が道具として効果的に教育の場で生かされるような施策を検討していただけないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。

大島教育長

 今、お話がございましたように、特にこのスタート時点において、事前にお願いする事業所と話し合いを持つということは、当初から行われていたわけです。それから終わったあとも、そういった方に、全部集まってもらうのも無理なので、一部集まってもらってやっていただいたというところもございます。これは地域ごとにかなり違いがあったと思いますが、それからまた学校で生徒が体験の文集をつくって、世話になった事業所へ送りました。そうしたら、その事業所では、店屋さんだったものですから、そこにずっと飾ってあった。私もそこの店屋さんに用事があって行ったときに、それを見てちょっとびっくりしたんですが、そういうこともございました。

 だから、そのあたりについては、少しなれてきたせいもあって、あるいはそのような面がおろそかになってきているか、あるいは欠けているかというようなこともあるかもしれません。また、学校等にはそういった働きかけはしていきたいと思いますし、全部の方に集まっていただいてそういうことをやるというのは大変無理な面があると思いますが、参加できる方にはぜひ参加してもらって、そのような機会を持つということは大事なことだと思っております。

鋪田委員

 事前にそういった地域で、企業の方とか、いろいろな話をされているのは私も承知しておりますけれども、今おっしゃられたのは、例えばある中学校、私どもは成功している例だと思うのですが、なかなかうまくいっていないような地域といいますか、悩みを抱えている地域の中学校と、例えば3つぐらいの中学校のそういった実施団体同士でワークショップみたいなものをやってみるといったことも進めていっていただいていいのではないかと思います。これはまた今後検討していただきたいなと思います。

 続きまして、関連いたしますけれども、ここに『13歳のハローワーク』という本があります。村上龍さんという作家が書かれた絵本ですけれども、中学1年生段階で、自分たちの将来というものについていろいろ考えていただこう。あるいは働くということの意味、人間は働くことで社会にどのように貢献しているのかとか、自分の存在を確かめる方法として働くということを、あらゆる職種を網羅して、こういう職種につきたいときはどうすればいいかを大変丁寧に書いてある本でございまして、ぜひとも一度読んでいただければと思います。

 今、中学1年生の段階では、「働く人に学ぶ」というような講演会を中学校等で実施をされているようですが、私どもの地域の中学校でも、あらかじめ生徒さん方にどういう職種の人の話を聞いてみたいかというアンケートをとりまして、最終的には8つの職種の方に講師をお願いして、小グループに分かれて2時限を使って、講演だけではなく、実地体験など、例えば、美容師の方を講師に招いたコースでは、実際に髪の毛をカットする実演をやっていただいたり、その中で、美容師さんというと、女子生徒の一種のあこがれの仕事ですけれども、表面的な華やかさの裏側に大変な苦労と努力が必要なんだということを教えていただいたり、あるいは、最近、若い子はパーマをかけたり、ファッションでもだんだん過激になっていますけれども、美しさというのは、外見ではなくて、内面からにじみ出ることなんだよといったようなこともお話をいただいたり、立ち会った先生方、あるいは父兄の方、子どもたちに話を聞いておりましても、単に職業選択ということではなくて、生きることの意味を非常に深く心に刻んだような授業だったと。

 これはぜひ、社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業と直接的にはリンクしませんけれども、しっかりと定着させていったらいいんじゃないかと思いますが、この辺、教育長、見解はいかがでしょうか。

大島教育長

 今のお話は、多分、「先輩に学ぶ講演会」といった事業の中の1つかなと思っておりますが、ここでは中学生に生きることの意義を考えさせるということ、そしてまた、将来に向かって、たくましく夢と希望を持たせることを目的として、平成2年度から始めているわけであります。

 どの方を講師に選ぶかということは、各学校で話しているわけでありますが、保護者の方とも相談した上で決めていることだと思っておりますが、いろいろなところから結果等を聞く限りにおきましては、大変好評であると伺っております。今のお話も大変すばらしい例だと思っております。

 ですから、音楽家が呼ばれる例もありますし、あるいはスポーツ選手、あるいは会社の経営者、あるいはマスコミの関係者、このような例はかなり聞いているわけでありまして、さらに年代も年配の方、お若い方、いろいろありますので、それぞれの学校で工夫しておやりいただきたいと思っております。今後、こういったものは大いに定着させ、また広げていきたいと思っております。

1. 教育について (2)進路指導について

鋪田委員

 今、地域や社会といったところと一体となった教育を行いながら、一方、学校という場での教育はどのようになっているのかと考えたときに、ややアンバランスな感じを私自身は覚えるわけです。午前中に、高見委員も、社会荒廃ということから、子どもたちのことについてお触れになっておられましたけれども、子どもたちは自分の将来の夢や希望を持てなくなっている。大人ですら夢や希望を持てない時代に、子どもたちに夢や希望をというのは、なかなか酷な気もするわけですけれども、そういった子どもたちの心の揺れといいますか不安が、結果として無気力な子どもや、他人を思いやれない子ども、あるいは、それが極端なことになりますと、罪を犯す人間を出してしまって、社会を荒廃させているんじゃないかという指摘もあるわけです。よく教育現場で、生きる力を身につけさせるという話が出ますけれども、最近では生きる力というか、サバイバル力をつけさせないとやっていけないのではないかという心配さえするわけです。

 ちょっと話が飛びましたけれども、もう一度戻りますと、社会に学ぶ「14歳の挑戦」事業ですとか、「先輩に学ぶ講演会」ということで、社会、地域といった場で、そういった人の力をかりながら、子どもたちに生きる力や、はぐくんでいこうという教育をしている反面、教室の現場ではどうかということを考えると、端的に申し上げれば、例えば進路指導というのが1つありますね。必ずしも上位校を目指すということだけが進路指導のすべてではなくて、例えば自分の将来を漠然とですが、こんな方向に進みたい、あるいは理科や工作が好きなので工学系といいますか、そういったところに進みたいとか、いろいろな将来展望を子どもたちなりに持っているだろうと思うのです。

 ところが、今、中学生の進路指導については、事実上、民間の塾とか、そういったものがなければ成り立たなくなっているのではないかなということを考えるわけです。例えば、先ほど言いました、将来、希望する職業とか、漠然とした夢があっても、その職業を目指すのには、中学を卒業した段階ですぐ就職して、見習いをしながらプロフェッショナルになっていくという方法もあれば、あるいは職業科に進みまして上を目指していくという方法もあります。あるいは普通科とか総合学科でも、最近は高校も非常に特色を持った教育をやっておりますので、どのようなコースを目指すかによって将来の子どもたちの人生設計といいますか、道に随分大きな違いが出てくると思います。

 ところが、いざ、中学の現場で一人ひとりの子どもに細かく進路指導することは非常に難しいことだというのは、私も、きょう卒業する子どもがいますので、よくわかっておりますけれども、例えば先ほど言いましたこういう学校に進んでみたいなと思っても、学校の方では、偏差値教育とか詰め込み教育ということの批判から、偏差値も出していませんし、順位づけも基本的にはやっておりませんので、そういったことが全部民間の塾や、あるいは統一模試みたいなものにゆだねられているのが現状ではないか。そうすると、子どもたちだけではなくて、親とか学校でいろいろな相談をしようと思っても、参考にするには非常に弱いバックデータしか持っていないというのが現実ではないかと思います。

 もちろん、子どもの教育については、家庭で最終責任を負うわけですから、例えば、もっと学問を深めたいと思えば、当然、塾へ行くというのも一つの手ですし、そうするべきだと思います。それを学校の現場に求めるつもりはありませんけれども、少なくとも義務教育ということでございますので、先生がどうとかということではなくて、今の学校の教育システムが、ちゃんと子どもたちの将来について責任を果たしているのかどうかというのは非常に疑問に思うのですが、この点、教育長はどうお考えになりますでしょうか。

大島教育長

 今のお話は、進路指導にかかわる問題だろうと思っております。基本的には、中学校では一人ひとりの生徒の自己理解というか、まず自分の特徴をつかむというようなことをもとに、主体的な進路学習というものを進めることが行われているところでございます。

 その事前の段階として、進路に対する意識、自分の将来にわたっての生き方に対する意識を高めてやることが一番のスタートだろうと思います。その上に立って自分の特性というものをつかみ、いろいろな本や資料を参考にしながら、漠然とであっても、自分の進路に関する将来像を描いて生かしていくということが必要なわけでありまして、そういった面の支援は行うようにしていると思っております。

 ただ、御質問の意図がよくわからないところがあるんですが、ある面で学力的に進路選択が困難な状況になってきているという意味合いの御質問もあったように聞こえたわけであります。ご存じのこととは思いますが、過去には学校の進路指導がいわゆる学力テストの結果に頼り過ぎたというのがございまして、それに対する社会的な批判が大変強く打ち出されました。そういったこともありまして、かつて学校で行われていました、いわゆる模擬テストはみんな廃止されてきた。全国的にそういう傾向になったわけであります。ただ、学校では志望校に関する資料やその学校の生徒が進学した高等学校、いろいろな学校に関するデータもありますので、そのようなものを分析しながら相談に応じているだろうと思っております。

 それから、学力的な面につきましては、現在、年2回、これはいつごろかというのはちょっと記憶がないぐらい古くからですが、県下共通に中学校教育研究会という先生方の団体で行っている学力調査がございまして、これは、あくまでも生徒相互の比較や位置づけをするのが目的ではありませんが、この成績も進路選択の際の大きな資料として使われていると思っております。

鋪田委員

 本音を言うと、今の塾とかそういったものを別に批判しているわけではないのですが、そういったものに子どもの将来選択の基準を全部投げ出してしまっているのではないか。それは市の教育委員会ということではなくて、日本の教育システムとしてどうなんだろうなという思いがありましたので、ちょっと質問したわけです。例えば、大海に漕ぎ出すときに、子どもにコンパスを与えて、さあ、行きなさいと言っても、船というのは航海図やコンパスがあって初めて自分の位置がわかって、じゃ、どっちの方に進むか。この道に進むにはどういう努力をしなければいけないか。その努力については当然自己責任ですけれども、そういった最低限の道具立ては必要ではないかなという思いがあったものですから、質問いたしました。

 時間の都合もありますので、次の質問に移ります。

1. 教育について (3)助成金について

鋪田委員

 次は、助成金についてでございますが、款10教育費、項6社会教育費、目1社会教育総務費、いわゆるふるさとづくり推進事業等の事業についてでございます。

 私も先ほどから申し上げているように、地域でPTA活動等をやっておりますけれども、例えばふるさとづくり推進協議会を通じてPTAでよくやっております家庭教育学級ですとか、あるいは、児童期・思春期子育てアドバイス講座といった事業を委託あるいは助成をして行っていただいていますが、こういった地域あるいはPTA等々の団体に委託あるいは助成している事業は、大まかにどのような種類と目的があるんでしょうか。

大島教育長

 豊かな地域づくりや健康づくりということに1つの大きな柱がございまして、1つは、ふるさとづくり推進協議会が行っております「地域づくりふれあい総合事業」に対する助成、「公民館ふるさと基本講座及び選択講座」の委託、それから「学校体育施設開放事業」への助成といったものを行っておりますし、PTAに対してはPTAとしての助成はしてございます。

 内容については、ご存じだろうと思いますが、「地域づくりふれあい総合事業」については、各種の地域行事を通して、住民の連帯意識の高揚や世代間の交流を深めることを目的として、校区の人口や世帯数などによって助成額を決めております。

 「公民館ふるさと基本講座及び選択講座」も、地域にお住まいの方々の学習機会の提供といった意味もございますし、家庭教育を支援するというようなこともございます。特にその中には、一律ではなく、各地区でおやりになりたいものをやっていただくという「選択講座」も設けてございます。

 それから、「学校体育施設開放事業」につきましては、生涯スポーツを推進するということが目的で、学校体育施設を活動拠点とした利用団体、利用者の調整活動などを行うために助成をしているということでございます。

鋪田委員

 これまでも、例えばあるPTAに、新しくこういう事業ができたのでやってくださいという話が来て、これはほかにも自分ところのPTAで賄えるメニューがあるのでお断りしますと言ったら、受けていただけないのはおたくのPTAだけですよというような話があったり―これは直接、市の方の話ではありませんけれども、どうもそういった地域とかに委託したり、助成をしている事業が均一に、言葉は悪いですけど、ばらまき型といいますか、そういった形になっているのではないかということで、何回か指摘したこともありました。

 これからは幾つかのメニュー制といいますか、地域を活性化させる、あるいはPTA活動とか、生涯学習とか、そういった部分でこんなメニューがあり、ついてはこういう助成ができますので活用してくださいという中から、その地域地域の特色に合った事業を選んで地域づくりに役立てていくという必要があると思うのですが、平成16年度に見直しもあるという話もちらっと聞きましたけれども、その辺、平成16年度予算でどのように反映されているのかお聞かせください。

大島教育長

 今お話がありましたPTAなどに無理やりお願いしたということですが、多分それは県の方の事業かなと思うんですが、このことに対しては聞いたことはございますが、市の事業としては、特にそういうことはなかったように記憶しているわけです。

 先ほどちょっと触れましたけれども、「公民館ふるさと基本講座及び選択講座」は、その地域でこういうことをやりたいなというものをつくっていただいて、申し出のあったところにお渡しするもので、平成15年度から始めておりまして、1年間やって、その結果によりますと、皆さん方から大変喜んでいただいているということでございます。もともとは全部一律だったものを、一部、本当に基本的なことだけを基本講座として、あとは選択制で、やりたいところはやってくださいという形をとりました。

 それから、スポーツ活動は、種目ややり方は、地域にお任せしておりますので、選択制と言えるかどうかわかりませんが、地域の実情に合った形で行っているところでございます。そのような方向性は、これからますます必要であって、極端なことを言えば、一律に与えられたことを全部やめてしまうというのも、一つの将来的な方向かという認識は持っております。

鋪田委員

 今議会で、私どもの会派のキーワードとして「協働」という言葉を盛んに各議員が、一般質問等々でも使っていたわけですけれども、これからは地域がみずから考えて、それを手助けしていくという行政スタイルに変えていく必要があると思いますので、ぜひこれからも選択メニューを拡大していっていただきたいと思います。

2. 公共施設における新エネルギー施策の取り組みについて

鋪田委員

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 公共施設における新エネルギー施策の取り組みについて。街路灯への小型太陽光発電の採用に向けてということで、款4衛生費、項2環境衛生費、目6環境保全費あるいは関連して款8土木費、項2道路橋りょう費、目1道路橋りょう総務費に関連して質問いたします。

 太陽光・風力発電装置付啓発モニュメント設置事業ということで、いわゆるハイブリッド型の発電装置付モニュメントの設置を決められまして、環境施策に対する市の積極的な姿勢を示されたことは、大変歓迎したいと思います。最近、あちらこちらで、ベンチャー企業が中心になって、小型太陽光発電装置の改良や、あるいは今までの蛍光灯ではなくて、発光ダイオードと組み合わせた街灯、防犯灯の開発が進んでいると聞いております。例えば、横浜市でもこういった取り組みに対して支援をして、実際に港の埠頭での街灯や、公民館での街灯に使用されているということを聞いております。

 こういった太陽光パネルの効率化、あるいは売電システム、これは非常にコストがかかるそうですが、こういった売電システムの改良によってコストを抑えたシステムづくりが今後進んでいくと思います。よく富山は雪が降ったり、日照時間が短いので適さないという声もありますが、発明というのは、不便だからこそそれを何とか乗り越えようということでいろいろ生まれてくるものだというふうに私自身は思っておりますので、例えば、日照時間が少ない富山だからこそ生かせる太陽光発電システムですとか、あるいは、今ほど街灯の話をしましたが、融雪装置の電源として太陽光を使う。そうすれば、夏場は当然融雪装置は稼働しておりませんので、夏の間の電力を売電することによって、そういった冬の期間の融雪装置の電気料を賄うとか、いろいろな発想ができるのだろうと思うのです。

 ですから、日照時間の少ない降雪地帯である富山だからこそできる新エネルギーの研究というものを、大きく言えば産・学・官、小さく言えば市で、いろいろな形で助成をしていく価値があるんじゃないかと思いますが、この辺は当局はどのようにお考えになりますか。

大上戸環境部長

 富山ならではの新エネルギーの利用というもののお尋ねでありますが、平成15年4月1日から国の方では電気事業者に一定以上の新エネルギー等における電気の利用を義務づけた「電気事業による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」が完全施行されたところであります。こういうことがきっかけとなって、新エネルギーの数が広がっていくのだろうと思っております。

 お尋ねの市の施設などでの太陽光発電、そのようなものの電気を、もし夏場であれば売電に、また、不用の時期に合わせてその余剰電力を売るということも考えてはどうかということでございますが、現時点では、基本的には市の施設などで発電しましたものについては、施設の自家消費に利用しているわけでございます。

 小学校などもそうでございますが、土日など、自己で消費する分が少ない場合については、自動的に差し引いて電力会社に売るというふうになっているものでございます。

 それで、御提案のようないろいろな使い方につきましては、今後、社会システムといいましょうか、そういう利用の仕方がどんどん普及してきた段階で、電気事業者(受け取る側)の方とも協議をしながら検討してまいりたいと考えております。

鋪田委員

 ぜひ今後、積極的に、具体的な取り組みについてお願いしていきたいと思います。

先日の北日本新聞の報道でも、環境省が住宅の外壁に個人の方でも取りつけられるような、低価格型の太陽光パネルの開発の支援に乗り出すということで、2010年には出力120ワットのパネルを1枚3万円から4万円ぐらいで、しかも一般の方でも簡単に施工ができるようなものの開発の支援に乗り出すという報道もありました。実際の開発サイドはもっと進んでいるようで、それを後追いするような形で環境省が支援に乗り出すということだと思うんですけれども、ぜひ今後とも、そういったことに取り組んでいただきたいと思います。

 ちなみに、技術的にといいますか、物理的に、中・長期的ではなくて、ごく近年のうちに市で実施できるようなことというのは何かありますでしょうか。例えば街灯に小型のパネルを設置するというのはありますでしょうか。

松本建設部長

 太陽光発電の導入につきましては、「富山市地域新エネルギービジョン」におきまして、新エネルギーの率先導入を図るために重点プロジェクトとして位置づけをしております。その中で、都市・近隣公園や市道におきまして、太陽光と小型風力で発電(ハイブリッド型)する街路灯及び交通安全灯などを導入することとしております。その採用につきましては、1つに使用時に環境汚染物質を発生しない、2つに災害などによる停電時にも点灯可能である、3つに自然エネルギー利用に対する前向きな姿勢をアピールできるなどが期待できる反面、設備設置のコストが高いこと、維持管理費用が増大することなどが課題となっておりますが、国の補助制度や、他都市で導入されていることから、今後は、導入に向けまして研究してまいりたいと考えております。

3. まちづくりについて

鋪田委員

 ありがとうございました。もう時間もありませんので、最後に、景観まちづくり条例についてだけ質問させていただきたいと思います。

 款8土木費、項5都市計画費でございますけれども、規制をするための条例というよりも、私は、これからまちづくりを市民主体で進めていく上で、建設委員会でも答弁がありましたが、50年、もっと先の長いスパンをかけてみんなでまちをつくっていくための道具の1つが景観まちづくり条例だと思っております。市民参画を促す施策として、いろいろ考えられると思いますし、特に市民団体というものにいろいろ活動支援されると思うんですけれども、具体的な支援内容について、ごく簡単に御説明いただけますでしょうか。

島倉都市整備部長

 景観まちづくり条例案によります市民団体としましては、景観まちづくりの推進に寄与することを目的として組織される団体というふうに規定しているわけでございます。そして、市民団体の要件につきましては、今後、規則で定めることとしておりますけれども、その考えとしては、身の回りの緑化や草花の植栽、地域のまちづくりについての勉強会など、3人以上で活動される団体ということとしております。

 具体的な支援策としましては、市内外のすぐれた景観まちづくりの事例などを紹介する情報誌などを発行しまして、情報の提供を行う。また、市民団体が相互に協力・連携するためのネットワークづくり、また、地域の景観まちづくりに関する勉強会、研修会へのアドバイザーの派遣、いろいろ会議等を行います事務費の助成などを考えているところでございます。


鋪田委員

 規制というところに目がとらわれがちですけれども、ぜひ市民と協働でまちづくりを行うためのいい条例にこれからみんなでしていきたいと思いますので、また当局の方も御協力をいただきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。

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一問一答のため質問と併せて掲載してあります

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