議会レポート

平成18年12月議会・一般質問

1. 市民サービスについて

(1) 窓口業務の拡充について

議案となっている、富山市民交流館「市民サービスコーナー」の整備について質問いたします。

市民からの市役所窓口サービスに対するニーズは多様化していると同時に、ワンストップサービスの実現など広範な業務を担うことを期待されるなど、その役割はいっそう重要になっています。

そのような中で、「市民サービスコーナー」における業務については、さらなる充実が求められますが、今後どのような分野にサービス範囲を広げるつもりなのか。同時に、地域における身近な住民サービスの窓口である地区センターにおいても業務拡充が求められますが、地区センターにおいて検討されている内容があれば答弁を求めます。

(2) サービス向上のための環境整備

乳幼児医療・老人医療・障害者医療にかかる医療費の償還払いの手続きについて質問します。

市民の活動範囲が広がるにつれ、例えば、高齢者の方が市外で体調を崩されて市外の医療機関を受診するケースや、保護者の勤務の都合で乳幼児を市外の医療機関で受診させるケースなどが見受けられます。また、地域によっては専門診療科がないために、隣接する自治体の医療機関、例えば富山市東部であれば滑川厚生連病院、西部であれば真生会富山病院などの大きな医療機関へ受診するケースなどもあります。

そのような場合、医療機関と提携をして、富山市内で受診する場合と同様な現物支給を受けることはできないか、答弁を求めます。

さて、医療費の償還払いの手続きは、本庁で行なうことで期間も短くスムースに完了します。勤務の関係などから、本庁へ出向きにくいというような市民からすれば、「市民サービスコーナー」の業務が拡充され、土日に手続きを行なえるようになることは歓迎されるでしょう。しかし高齢者や障害者からすれば、身近にある地区センターで手続きができることを望まれるのは当然です。

地区センターで手続きする場合、書類の確認や本庁との書類のやり取りで時間を要しますが、この点を理解していただければワンストップサービスを受けることができます。しかし、センターの職員がすべてこのような手続きを熟知しているわけではなく、地区センターでの手続きがうまくできないケースもあると仄聞しています。

地区センターの職員も決して窓口対応をぞんざいにしているわけではないでしょうが、窓口が混雑した場合、市民の側も常に要望を的確に説明できるわけではありませんから、その内容を充分に把握できないために適切な対応ができないこともあるでしょう。
そこで、これらの医療費償還払いについて地区センターではどのように行なわれているのか、答弁を求めます。

さて、拡充される業務に対応し質の高い住民サービスをスムースに提供するには、しっかりとした業務研修や本庁からのサポートが必要となります。現在の体制のまま業務の拡充を求めても、結果的にサービスの低下を招くだけとなりかねません。業務拡充にあたって地区センターの職員に対する業務研修についてどのように実施されますか。また、少ない職員でも広範囲に渡る業務に効率的に的確な対応ができるように、現在行っているテレビ電話を使った本庁との連絡以外に、民間のコールセンターで取り入れているような業務マニュアルや、オンライン業務マニュアルの整備と検索システムの構築などを提案いたしますが、見解を求めます。

(3) 地区センターの役割について

地区センターは行政と市民を結ぶ、富山市の最重要機関だと考えます。また全国にもあまり例がないシステムです。地区センターの役割・使命についてどのような認識にたっていますか、答弁を求めます。また、先ほどは業務内容やシステムの整備について質問しましたが、地区センター職員の配置については住民サービスの最先端の場との認識にたっていただきたいと考えます。

住民の人口・世帯数が多ければ業務も多忙になります。業務の拡充が進んだ場合も同様です。また、併設される公民館も地域自治や生涯学習などの拠点施設となっています。本当の意味での市民協働のためには単にハードの整備だけではなく、活動の質・内容の充実が求められます。地区センター・公民館にはサービス量に応じた職員数が必要です。また、幅広い分野にわたる業務を行う地区センターに若い職員を登用することは、住民に一番近い現場で経験を積むことにより、将来の富山市行政を担う人材の育成にもつながると思います。地区センター・公民館の職員の体制についての見解を求めます。

さて、3月定例会で有沢議員から鵜坂地区のポータルサイトの紹介がありました。地域住民自身による地域住民への情報発信ツールとして注目しています。最近ではXOOPS(ズープス)など、オープンソースのCMS(コンテントマネジメントシステム)ソフトウェアが充実しています。ウェブサイトとメールを使った情報発信が低コストでしかも誰にでも行なえる時代になっています。

CMSを活用した地域活性化モデル事業として制度化し、まずはいくつかの地区に応募してもらい、試行的にはじめてはと考えますが、見解を求めます。

2. まちづくりについて

(1) まちなか居住

まちなか居住については、先ごろの決算特別委員会でも答弁があったとおり、都心人口の増加に寄与しました。昨日の答弁でも紹介されたとおりです。まちなか居住推進事業の申請はこの10月末で139人でしたが、都心居住を選択された方々の分析は行なわれていますでしょうか。まちなか居住推進事業のマンションへの助成については、「高齢者だけのまちをつくるつもりか?」などの声も聞こえてきます。

さいわい都心地区には2つの新しい形の小学校も誕生します。都心地区は高齢者から子どもまで幅広い年代の人々が安心で快適に過ごせるまちになってほしいものです。コンパクトなまちづくりすすめるうえでも、都心に暮らす人々の住民像を描いたうえでの施策が必要ですし、その施策をすすめるため多くの市民の理解を得るためにも、しっかりとした分析が必要です。

まちなか居住推進事業の制度を利用された方々について、細かい数値は結構ですから、世帯数の傾向や世代の傾向、以前の居住形態の傾向など、答弁を求めます。

また、当然まちなか居住推進の制度を利用せずに都心居住を選択された方々の調査と分析も必要だと考えます。もしデータがあれば報告してください。

先ほど2つの新しい形の小学校が誕生すると述べましたが、当然に保育などの子育て環境の充実がなければこれらの特性を生かせません。都心地区の保育所における0歳児保育の現状や、私立幼稚園での認定こども園などの動きについて答弁を求めます。

さて、都心に住むためには住居や子育て、医療など福祉の充実、日常の買い物の利便性、交通の利便性などの生活環境が充実していることに加え、働く環境も必要です。都心には働く場所としてオフィスが必要です。しかし市内の商業系ビルの空室状況は深刻なものがあります。当然ながら、IT化に対応できていないビルなどは論外かもしれません。

富山市は工業政策を重点において、工業団地の整備と誘致に取り組み成果を挙げてきました。もちろん富山市が商業ビルを建設して企業誘致をするわけにいきませんから、市内の商業系ビルの空室情報を把握して、企業誘致の際には、工業団地だけではなく商業系ビルへの企業進出もアピールしていただきたいと思います。さらにはインテリジェントビルへの改修工事にインテリジェントビル化改修助成制度を提案します。見解を求めます。

先ほど、都心に住むためには交通の利便性が重要だと申し上げました。それは郊外から都心にくる大勢の市民のためでもあります。

現在路面電車の環状線化について調査が行なわれています。9月議会では大手町ルートを基本とした調査費について補正予算を可決しました。しかしながら本当に大手町ルートだけで検討を進めていってよいのか、先般の特別委員会でも指摘があったとおりです。

大手モールをポートラムが走る姿は想像するだけでもわくわくします。おそらく大勢の視察者が訪れるでしょう。まちづくりの専門家や鉄道の専門家も視察に訪れるでしょう。写真家も殺到するかもしれません。しかしポートラムは、市長や当局や検討委員会の専門家や私たち議会のおもちゃではありません。そこに暮らす市民にとって一番使いやすい生活の足であることがまず求められます。またそうでなければ将来にわたって存続させることはできないでしょう。大手町ルートは環状線化の第一歩で、今後さらなる延伸が将来計画に含まれるなら歓迎します。

今回の環状線化についてさらに丁寧な説明を求めるとともに、鉄軌道の将来構想について所見を伺います。

(2) 賑わい交流館

総曲輪に誕生する賑わい交流館について質問します。

改装前に「かもめ食堂を」を観にいきました。地方での上映は無いと諦めていたので、このような形の映画館が存続されることはとても嬉しく思います。

また、私もロックバンドでドラム叩き、あるときはギターの弾き語りなどやっているものですから、ステージ施設のオープンをとても楽しみにしています。来年のオープンに向けて具体的な内容が決まりつつあると思いますが、賑わい交流館はどんな利用のされ方を想定してどのような施設になるのか、答弁を求めます。

また賑わい交流館の活用方法で提案があります。

昨年から「JAZZ IN AUBADE」「AUBADE夏の音楽会」が企画され多くのアマチュアの方が参加されました。この事業は是非継続していただきたいと思います。さらにこれまでは、出演者のワークショップと発表が中心でしたが、今後はステージスタッフのワークショップもあわせて行なっていただきたいと思います。

市内には大小いくつもの文化施設があります。立派な設備が備え付けられています。しかし、いくつかの施設を出演者としてあるいは主催者として、時にはステージスタッフとして利用した経験と、元プロの舞台音響技術者としての経験から言わせていただくと充分に活用できているとはいえません。どの施設にも専門家が常駐しているわけでもありませんのでアマチュアの方の利用に充分対応できていない状況です。常駐の専門家を小屋付きと言います。ちなみに以前私は市川市文化会館というオーバードホールクラスの文化施設で音響主任をやっておりました。舞台2名、照明2名、音響2名、合計6名の小屋付きスタッフは全員専門会社から派遣されていたバリバリの専門家です。また事務所スタッフにも元テレビ局の美術専門家がいました。そのような専門スタッフがさまざまな企画運営の相談とオペレートをしていました。小屋付きの方をすべての施設に配置していただきたい。それが困難だとすれば、いくつかの拠点施設に相談窓口を一元化できないでしょうか、答弁を求めます。

また、アマチュアのステージスタッフを養成していけば文化施設も活きた使い方ができると思います。世田谷パブリックシアターのワークショップなどが参考になるのではないでしょうか。そのための拠点として「賑わい交流館」を活用して、オーバードホールの企画と連動したステージスタッフのワークショップを行なってはいかがかと考えます。見解を求めます。

また少々飛躍しますが、立山山ろくスキー場の通年利用の目玉イベントとして、「JAZZ IN AUBADE」のスペシャルコンサートをらいちょうバレースキー場などで開催するのはいかがでしょうか。富山は世界でも有数のジャズフェスティバルを開催してきた場所で、全国でも有数のジャズファンの多いまちです。見解を求めます。

(3) 政策部局としての都市整備部

高層マンション問題などで市民と行政の間に入って議論をするなかで、現在のまちづくりの問題をあつかう部署はどこなのだろうとい疑問がわいてきました。

都市計画法に基づくものは都市計画課。建築基準法に基づくものは建築指導課。したがって同じ住民参加のまちづくりでも、地区計画の策定と建築協定の策定では部署が異なります。住民との勉強会などでは両課の担当者が参加されますが、乱暴に言えば、一方は計画をする課、一方は法律に基づいて判断をする課です。そうかといえば調整区域における開発は建築指導課が担当ですが、開発の許可がされる区域の設定について、根拠法は都市計画法であり、まさしくまちづくりの領域です。

政策を立案する部署と法に基づく判断をする部署の役割について検討の余地があると考えますが、見解を求めます。

(4) 低未利用地活用推進事業

低未利用地活用推進事業について伺います。

中心市街地活性化基本計画の中にもあった、低未利用地活用推進事業は具体的にはどのようなものなのでしょうか。

ただ空き地や駐車場がどれだけあってという調査だけではないと思いますが、都心部に再開発などで高層建築物ができた場合、低層住宅との混在はまちとして大きな問題を抱えます。ミニ区画整理による小さな街区単位での棲み分けなど、都心地区のまちづくりの柱となるようにしていただきたいと考えます。低未利用地活用推進事業の目的、目標、背景、スケジュールや中心市街地活性化基本計画おける位置づけなど、その中身について具体的に答弁を求めます。

答弁

森雅志 市長 答弁

鋪田議員の御質問にお答えします。

私の方からは、1番最後に御質問のありました低未利用地活用推進事業についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁をいたします。

低未利用地活用推進事業の目的、目標、スケジュールや位置づけといったことについてお尋ねでございます。

本市の都心部において、小規模な空き地や青空駐車場などの低未利用地が多数散在することは、都市機能の集積やまちなか居住などの都市再生を進める上での課題となっており、今年度に低未利用地活用推進調査を行っているところであります。

現在、この事業において、低未利用地の現状把握、土地利用促進方策の検討、現行の支援制度の検証などを行っているところでありますが、土地の有効利用を促進するためには、街区マスタープランの検討による将来像の策定、そして、散在した未利用地を集約するための土地の交換・分合手法の確立、マンション経営など事業収益の安定などが重要だと考えております。

このため、今後は不動産関連の事業者や税理士、また、法律に詳しい方々などからの御意見も伺いながら、具体的な対策も含め検討を行い、国に対し、敷地整序型土地区画整理事業における補助対象の拡充や税制上の優遇措置など、新たな制度の要望もしてまいりたいと考えております。

一方、小規模な区画整理事業、地区計画、再開発事業、まちなか居住推進事業など、現行の制度を複合的に活用することも効果があると考えており、今後、市の中に市民や事業者の方々の低未利用地の活用などについて、総合的に相談・支援できる窓口や組織を設置することについて検討を進めているところであります。

また、土地所有者や市民の方々にこうした現状を理解し、土地の有効活用を進めていただくため、低未利用地活用推進事業につきましても、中心市街地の整備改善を図る事業として中心市街地活性化基本計画に位置づけるとともに、シンポジウムの開催やパンフレットの作成など、啓発活動を行ってまいりたいと考えております。

大上戸良一 市民生活部長

市民サービスについての御質問のうち、まず富山市民交流館・市民サービスコーナーの業務について、今後、どのような分野にサービス範囲を広げるのか。同時に、地区センターにおいても検討している業務拡充があるのかにお答えいたします。

富山駅前CiCビル内の3階フロアーに設置されているとやま市民交流館・市民サービスコーナーは、平成15年12月から、住民票などの発行業務を中心とした行政サービスを提供しており、立地条件のよさと市役所が閉庁している土曜日、日曜日、祝日及び平日午後8時まで業務を行っている利便性の高さから、年々利用者は増加し、平成 17年度は1万3,800人余りの利用があり、今後も利用者の増加が見込まれているところであります。

今回、このような市民サービスコーナーの利点を生かして、市民の皆様が平日に仕事を休むことなく、休日などでも身近な手続が行えるよう、来年4月から、現在、取り扱っている4課10業務を児童手当・乳幼児医療の申請、老人医療関係の届出、母子手帳の交付など、10課49業務に拡充することとしております。また、来年7月からは、住民異動後の住民票作成、印鑑登録の即日登録並びに印鑑証明書の即日発行を休日などにも実施できるよう、市民サービスの充実を図ることとしております。

次に、お尋ねの地区センターにおける取り扱い業務の拡充につきましては、現在、住民票・戸籍・税関係の諸証明の交付及び国保・年金・福祉関係の届出の取扱いを主な業務としておりますが、地区センターで対応することが難しい分野の問い合わせにつきましては、テレビ電話を設置しており、担当部局に直接問い合わせができるように体制を整備しております。

また、効率的な窓口業務を推進するため、平成17年8月にオンライン端末を導入し、従来、市民課からの模写伝送方式で発行していた住民票、印鑑登録証明書を地区センターにおいて直接発行することとしたところであり、従来、20分から30分だった待ち時間を5分から10分程度に短縮することができ、市民の皆様に大変好評を得ております。また、来年2月からは、税証明においてもオンライン端末による直接発行を実施し、お客様の待ち時間の短縮に努めることとしております。

次に、業務拡充に当たって、地区センター職員に対する業務研修について、どのように実施するのか。また、業務マニュアルの整備と検索システムの構築について見解を問うにお答えいたします。

現在、地区センターでは、住民票・戸籍・税関係の諸証明の交付及び国保・年金・福祉関係などの届出などを主な取り扱い業務としております。

お尋ねの業務拡充に当たっての職員に対する研修についてでありますが、地区センターで取り扱い業務の追加や事務の見直しがある場合には、その都度、担当課が資料の提供や事前説明会を開くとともに、必要に応じてブロック別研修会を開催するなど、センター職員に対して窓口業務がスムーズに行えるようサポートをしております。

次に、各種業務マニュアルなどの整備や検索システムの構築につきましては、現在、それぞれ担当課が業務ごとに作成した業務マニュアルが配布されており、これにより適切な窓口対応ができていることから、新たな業務マニュアルの整備や検索システムの構築については考えていないところであります。

次に、地区センターの役割・使命について、どのような認識に立っているのかにお答えいたします。

地区センターは、地域住民の身近なところで、きめ細かく住民サービスを提供するため、旧富山市において、全小学校区に設置されておりましたが、合併に伴い全市域に拡大したものであります。

その役割といたしましては、1つには、自治振興会を初め、各種団体の地域活動への支援、2つには、市民と行政との連携を図る役割としての、行政情報や行政相談などの行政サービスの提供、3つには、戸籍、住民票及び印鑑の登録に係る受付及び証明、並びに市税に係る証明に関する業務などが挙げられます。

今後とも、地区センターは地域に最も身近な行政機関として、地域住民の福祉、環境、防災、防犯など、地域の課題に取り組んでおられる自治振興会など各種団体との連携を図りながら、地域のコミュニティ活動の活性化や、地域と行政との緊密なパートナーシップの構築に寄与するよう努めてまいりたいと考えております。

次に、地区センター、公民館の職員の体制について見解を問うにお答えいたします。

地区センター、公民館の職員の体制につきましては、原則として、公民館長を兼ねる所長、一般事務職員、公民館主事を各1名配置しておりますが、それに加え、諸証明の発行件数など事務量が多い地区センターについては、一般事務職員または臨時職員を1名ないし2名多く配置しており、また、人口1万人以上の校区については、公民館主事を2名としているところであります。

次に、若手職員を地区センターに配置することにつきましては、その能力や適正などを勘案しながら、これまでも地区センター所長に若手管理職の登用を図ってきております。そのほか、本年4月の人事異動におきまして、住民に身近な所属での勤務を通じ、職員の能力開発や人材育成を図る観点から、30歳代の女性職員4名を地区センターへ配置したところであります。

今後とも、地区センター職員の配置体制につきましては、行政需要や地域の特色などを考慮するとともに、職員の育成にもつながるような配置になるよう配慮してまいりたいと考えております。

次に、CMSを活用した地域活性化モデル事業として制度化し、幾つかの地区に応募してもらい、試行的に始めてはどうかにお答えいたします。

本市では、地域情報を配信する手段として、これまで公民館だよりなど地域を限定した情報誌を発行しておりますが、情報化の急速な進展の中で、地域の情報発信の方策として、インターネットなどITを活用することも有効な手段となっており、一部の地域でも導入されているところであります。

御提案のCMSを活用した情報発信をモデル地区で実施することについてでありますが、導入経費や組織づくり、管理運営のあり方、情報化になじまない方々への対応などさまざまな課題があることから、今後、他都市の状況も参考にしながら調査・研究してまいりたいと考えております。

以上であります。

西野信昌 福祉保健部長

市民サービスについての御質問のうち、サービス向上のための環境整備について、福祉医療費助成の市外の医療機関を受診した場合も市内での受診と同様、現物支給にできないか。また、医療費償還払いについて、地区センターではどのように行われているのかについてお答えいたします。

本市では、県単独医療費助成制度を基本に、重度心身障害者、65歳以上の軽度障害者、乳幼児、妊産婦、ひとり親家庭を対象に医療費助成を行っており、助成方法につきましては、市内医療機関で受診される場合には現物給付方式を採用しております。また、県単独医療費助成制度で現物給付とされているものは、県内の医療機関については現物給付方式で助成を行っております。

お尋ねの市外の受診について、現物給付方式で助成を行うためには、医療機関との契約が必要でありますが、各市町村単独の医療費助成制度は対象者の範囲が異なっていることなどから、医療機関においては、これらすべてに対応することは事務が煩雑となり、契約が困難なことから、基本的には償還払いとなっております。

御承知のとおり、現在、県においては、県単独医療費助成制度の今後のあり方について検討が行われ、支給方法についても現物給付方式から償還払い・振込方式に見直しをすることが適当であるとの医療費助成制度のあり方懇談会の中間報告がなされたことを受けて、県、市町村等の関係者による支給方法などについての実務的な調査・研究を行っておられるところであります。

また、本市におきましては、平成15年度に富山市福祉サービス給付事業等検討委員会から「償還払い方式への変更を検討することは、時節柄やむを得ない」との提言をいただき検討を重ねてきたことから、県が助成方法の見直しをされた場合には、本市の助成方法についても見直しをしていかざるを得ないものと考えております。

次に、医療費償還払いについて、地区センターで行っている業務につきましては、医療費助成制度は、制度ごとに対象者の要件や所得制限の内容などが異なることから、対象者の認定や医療費が助成対象となるかどうかを判定して、償還払いを行うなどの事務は本庁の各担当課で行っております。地区センターでは、確認できる事項が限られていることなどもあり、1つには、受給資格証や保険証を確認し、利用者が医療機関に提出する福祉医療費請求書を発行すること、2つには、償還払い申請書や資格更新の申請書などを預かり、本庁担当課へ送付することなどを行っているところでございます。

次に、まちづくりについての御質問のうち、まちなか居住について、都心地区の保育所でのゼロ歳児保育の現状や、私立幼稚園での認定こども園の動きについて問うにお答えいたします。

現在、都心地区には清水、愛宕、柳町、西田地方、雲雀ケ丘保育所の5カ所の公立保育所と富山聖マリア、なでしこ、のぞみ保育園の3カ所の私立保育所があります。本市におきましては、従来より、ゼロ歳児保育の充実を図っているところであり、これら8カ所のすべての保育所で生後8週から乳児の受け入れを行っており、12月1日現在、8カ所の保育所の合計で82人のゼロ歳児が入所しているところであります。

今後とも、都心地区のみならず、市全域でのゼロ歳児保育の拡充を図ってまいりたいと考えております。

次に、私立幼稚園での認定こども園の動きにつきましては、県に確認しましたところ、認定こども園の申請を検討している私立幼稚園は、現在のところ、ないと伺っております。
以上でございます。

根塚俊彦 都市整備部長

まちづくりについての御質問でまちなか居住についてのうち、まちなか居住推進事業を利用した方々について、世帯や世代、以前の居住形態の傾向などについて、また、まちなか居住推進事業を利用せずに、都心居住を選択された方々の分析データがあれば報告をとのお尋ねにお答えいたします。

まちなか居住推進事業の実績としましては、昨年7月から本年11月末までに、事業者向けの共同住宅の建設に4戸、市民向けの住宅取得や家賃助成に67戸、合計71戸に対して補助金を交付し、その結果、67世帯、153人が都心に居住されております。

世帯の傾向としましては、戸建て住宅を取得された方は3人以上のファミリー世帯が多く、分譲マンションを取得された方や家賃助成を受けられた方は単身、または2人世帯が多い傾向に見られます。

世代の傾向としましては、戸建て住宅を取得された方は30代から40代が12世帯、そのほかが7世帯で合計19世帯。分譲マンションを取得された方は30代から40代が多く20世帯、そのほかが6世帯で合計26世帯。家賃助成を受けられた方は20代から30代が多く18世帯、そのほかが4世帯で合計22世帯でありました。全体で見ると、67世帯のうち31世帯が30代で、この世代の利用が高い傾向となっております。

転居前の居住形態につきましては、戸建て住宅や分譲マンションを取得された方は、以前、戸建てに住んでおられた方と共同住宅に住んでおられた方がほぼ同数ですが、家賃助成を受けられた方は、以前、戸建てに住んでおられた方に多い傾向が見られます。

また、まちなか居住推進事業を利用せずに都心居住を選択された方々に関する調査につきましては、個人情報保護の観点から詳しい調査は困難ではありますが、分譲マンションに関するものにつきましては、今後、マンション事業者の協力も得ながら、支障のない範囲で情報を収集してまいりたいと考えております。

次に、今回の市内電車環状線化について、さらに丁寧な説明を求めるとともに、鉄軌道の将来構想について所見を問うにお答えいたします。

市内電車の延伸―丸の内から西町間でございますが―による環状線化につきましては、北陸新幹線開業を視野に入れた富山駅周辺地区と平和通り周辺地区のアクセス強化、都心地区全体の回遊性の向上、富山駅周辺鉄道高架化後の南北路面電車の接続による路面電車ネットワーク形成などを図る観点から、大変重要で、かつ必要なプロジェクトであると考えております。

そのルートにつきましては、国際会議場や市民プラザなどの本市を代表する交流施設へのアクセス性にすぐれ、城址公園の玄関口としての位置づけでもある大手モールと一体的に整備することで、魅力ある都市空間の創出が可能な大手ルートが最も適しており、さらに鉄軌道が城址公園から大手モール、平和通りへとつながることにより、拠点性や集客効果、回遊性が高まることから、今後、中心市街地の活性化を図っていく上からも、都市内の移動装置として整備することが必要であると考えております。

このことから、今年度は路線測量、地質調査及び延伸路線の基本設計を行うこととしており、今後は電停位置や運行サービスなどについて、沿線住民の方々や関係機関と十分に協議・調整し、事業化に向けて計画を着実に進めてまいりたいと考えております。

鉄軌道の将来構想につきましては、平成16年度に策定しました富山市交通マスタープランでは、本市における交通体系整備は鉄軌道を軸に展開することとしており、市内電車の環状線化とともに富山駅南北路面電車の接続、市内電車の地鉄上滝線への乗り入れを整備構想に位置づけております。また、JR北陸本線、JR高山本線、地鉄本線、地鉄不二越上滝線、市内電車、ポートラムなど、全国でも恵まれた鉄軌道が富山駅を中心にネットワーク化されており、この集積の利点を生かして、コンパクトなまちづくりを推進し、都心で暮らされている皆さんの、また、郊外から都心へ来街される皆さんの基幹的な移動手段として、便利で使いやすい鉄軌道ネットワークを形成していくことといたしております。

次に、にぎわい交流館のお尋ねのうち、にぎわい交流館はどのような利用のされ方を想定して、どのような施設になるのかのお尋ねにお答えいたします。

(仮称)にぎわい交流館の利用方法につきましては、現在、株式会社まちづくりとやまがその運営を行っており、来年2月のリニューアルオープンを目指し2つのホールを整備しているものであります。

多目的ホールのA館では、多くの市民の方々に利用していただけるよう、各種演奏や演劇などもできるように、新たな舞台や照明・音響装置などを設置するものであります。なお、運営に当たっては市民協働の観点から、多くの市民ボランティアの方々にも参加していただく予定であります。

映画館であるB館では、市民が主体となったグループによる懐かしい名画などの映画作品上映を恒常的に行っていく予定であります。また、自主上映会などを希望される方には、開催に当たっての支援なども検討いたしております。このように、市民の方々が気軽に来ていただけるような魅力的な施設にすることにより、中心市街地のにぎわい創出に寄与するものと考えております。

次に、政策部局としての都市整備部について、政策を立案する部署と法律に基づく判断をする部署の役割について見解を問うにお答えいたします。

本市においては、富山市行政組織規則で、それぞれの所属における分掌事務が定められており、御指摘のように用途地域の指定や地区計画の決定などの都市計画制限は都市計画課が所管し、建築基準法に基づく審査や開発許可などは建築指導課が所管しております。

これは、自治体の規模に応じて専門的に判断する必要があることや、適正な事務処理をするため、計画の策定を担当する所属と許可を担当する所属を分けているものであり、市民からの相談を受ける際には、互いに連携を取りながら、わかりやすく、かつ適正な対応に努めております。

このようなことから、現在の組織は適正であると考えておりますが、計画担当と許可担当の連携をより一層図ることも重要であり、今後、よりよい組織のあり方について、さまざまな観点から検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

坂井保樹 商工労働部長

まちづくりについての御質問の中で、まちなか居住のうち、企業誘致については、工業団地だけでなく商業系ビルへの企業進出もアピールしていただきたい。また、インテリジェントビル化改修助成制度の制度化について見解を問うにお答えします。

都心地区におけるオフィスビルの空洞化対策は重要な課題であると考えており、これまでも不動産関連団体などと情報交換をしながら、オフィスの空き状況などの情報把握に努めてきたところであります。また、オフィスビルへの入居促進と雇用創出を図るため、平成15年度から、県とともに新規雇用やオフィス賃借料、通信回線費などに対する助成制度を創設して順次拡充するとともに、全国へ制度の内容をPRし、コールセンターなどの情報通信関連企業の誘致に努めてまいったところであります。

この結果、平成16年1月以降、6社が富山駅周辺のオフィスビルで事業所を開設され、約500人の雇用を創出するなど、雇用機会の拡充と中心市街地のにぎわい創出に大きく寄与しているものと考えております。

さらに、平成17年度からIT・デザイン業関連の事務所開設に対する支援も行っており、現在、8社が進出するなどオフィスビルへの入居促進策を積極的に推進しているところであります。

本市といたしましては、これらの助成制度は、他都市と比較しても手厚いものと考えておりますことから、今後とも、PRに努めながら、オフィスビルへの入居の促進を図ってまいりたいと考えております。

御提案のインテリジェントビル化に対する改修助成制度につきましては、他都市の状況を調査してまいりたいと考えております。

以上であります。

老月邦夫 企画管理部長

まちづくりについてのうち、にぎわい交流館に関連して3点のお尋ねでございます。

 まず初めに、すべての文化施設に常駐の舞台技術者を配置できないか。あるいは、幾つかの拠点施設に相談窓口を一元化できないかにお答えいたします。

現在、富山市の文化施設において照明や音響の操作ができる専門家、いわゆる舞台技術者は、財団法人富山市民文化事業団―オーバード・ホールでございますが―ここに5名が配置されております。また、市民プラザホールでは民間の専門業者と委託契約をして専門職員の派遣を受けており、その他のホールでは簡易な操作についてはホール職員が行うとともに、ボランティア組織に応援していただいております。また、専門性が必要な講演などについては、主催者が専門の業者に依頼して舞台操作を行っていただいている状況にあります。

お尋ねの、すべての文化施設に常駐の舞台技術者を配置することについては、オーバード・ホール以外の各ホールでは、その利用の形態は講演会や研修会などの利用が多く、コンサートや演劇としての利用頻度が低い状況であることなどから、現在のところ考えていないところであります。

また、拠点施設に相談窓口を設けることについても、舞台技術専門職員が各ホールの設備内容を熟知していることが必要となることや、現在、簡易な操作についてはホール職員が行っていることなどから、考えていないところであります。

次に、にぎわい交流館でオーバード・ホールの企画と連動したステージスタッフのワークショップを行ってはどうかにお答えいたします。

ステージスタッフには舞台設営に危険が伴い、舞台設備の操作が公演のよしあしに影響することから、熟練した専門技術が必要であります。ステージスタッフのワークショップについては、簡易な音響卓や照明卓の操作やスポットライトの操作、舞台進行などの講座が想定されますが、短期間で主催される側の要望にこたえられる人材の養成を行うことは難しいと考えております。

しかしながら、アマチュアの方々を対象とした入門講座のようなものを開催することについては、場所はともかくとして、今後、検討してまいりたいと考えております。

次に、立山山麓スキー場の通年利用の目玉イベントとして、「JAZZ IN AUBADE」のスペシャルコンサートをらいちょうバレースキー場などで開催してはどうかにお答えいたします。

「JAZZ IN AUBADE」につきましては、富山市民文化事業団の平成17年度事業として、昨年6月に市民の方を対象にバンドとコーラスのオーディションを行い、オーディションに合格したバンド27名、コーラス61名の方に対し、7月から本年2月まで月2回、プロの講師によるクリニックを実施し、本年2月19日にオーバード・ホールでコンサートを行ったものであります。

一方、本市におきましては、極楽坂・らいちょうバレースキー場を運営する大山観光開発株式会社や立山山麓観光旅館組合などと連携し、ゲレンデでの草花栽培やゴンドラリフトを活用した自然散策ツアーなどのイベント開催など、立山山麓スキー場の通年利用の促進策について検討しているところであります。

そこで、お尋ねの立山山麓スキー場での「JAZZ IN AUBADE」のスペシャルコンサートの開催につきましては、運営スタッフや舞台・照明などいろいろな課題もあることから、スキー場を管理している大山観光開発株式会社など関係団体と実現の可能性について調査してまいりたいと考えております。

以上でございます。

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