議会レポート

平成24年3月定例会・一般質問

 平成24年3月定例会に当たり、自由民主党より一般質問並びに議案の質疑を行います。

1.商業施策について

(1)まちなかオフィス立地助成事業について

 まず、まちなかオフィス立地助成事業について伺います。

 これまでも、オフィスの立地に対する支援を何度かこの議会で取り上げてきましたが、今回、新規事業として提案されたことを評価いたします。この助成制度により、何年間でどの程度の事業者の進出を目指すのか、その目標数値について答弁を求めます。

 また、対象者を創業枠と一般枠に分けていますが、市内と市外、または県外の事業者に対しての助成の違いなどがあれば、あわせてお答えください。さらには、市外または県外から本市に事業者を積極的に誘致することも必要だと考えますが、検討されている内容があればお答えください。

 まちなかへのオフィス立地を促進するためには、事業者への助成も大切ですが、環境づくりも重要だと考えます。そこで、進出するメリットを感じさせる魅力あるオフィス整備のため、オフィス所有者への省エネルギー対策のための改修やOAフロア対応への改修、通信ネットワークの整備といった時代のニーズにかなった分野に絞り、助成する制度を設けることも必要だと考えますが、見解を求めます。

 まちなかで働く人々が安くておいしい食事ができる環境があるということも大切です。そこで関連して、まちなかランチ推進モデル事業について伺います。

 事業内容の検討と検証を行う運営委員会については、ランチを利用する側の立場になって特別メニューの開発などを進めなければなりません。そういった意味では、利用者や食事を提供する飲食店など、現場の皆さんに加わっていただくのが大切だと考えます。運営委員会の主体はだれが担うのか、答弁を求めます。

 関連して、もう1点伺います。

 県外から事業者を誘致する際に、仕事でタクシーや公共交通機関を気持ちよく利用できるか、今ほど申し上げた安くておいしい食事ができるかといった目に見えない部分での働きやすい環境づくりも欠かせません。出張先でタクシーや公共交通機関を気持ちよく利用できる都市名というのは、大体皆さん共通のようです。逆に、我が富山市はまだまだ接遇改善の余地があると言われております。

 先日、戸田市のフラワーリサイクルセンターを視察したときのことですが、説明された職員の対応が、まさにおもてなしの心とはこのことかと思う接遇で、参加者一同、感心しました。あまりにもすばらしいので、そのことについて伺うと、フラワーリサイクルセンターの前は、東京ディズニーリゾートで10年間お花の世話をされていたということでした。東京ディズニーリゾートは、働く人すべてが来場者のためのキャスト(出演者)という徹底した接遇を行っています。

 おもてなしの心の醸成といった抽象的な表現ではなく、観光業界やタクシー業界、公共交通機関の接遇改善講習として、テーマパークのキャストを招いての講習会の開催や、一定期間研修に派遣する機会を設ける施策も効果があると考えますが、見解を求めます。あわせて、市職員の接遇改善にもこうした方法を取り入れることを提言しますが、見解を求めます。

2.教育について

(1)新学習指導要領への対応について

 次に、新学習指導要領への対応について伺います。

 学習指導要領が改訂され、新しい学習指導要領に基づく教育が、小学校では既に実施され、中学校ではこの平成24年度から実施されることになっています。
その特徴としては、伝統や文化に関する教育の充実として、中学校の社会科では身近な地域の歴史や各時代の文化の学習を行うとされています。また、中学校の保健体育では男女ともに武道を必修にし、さらに、中学校の技術・家庭科では、地域の食文化、和服の基本的な着装などの学習を行うこととされています。

 この新しい学習指導要領への対応について、2点質問いたします。

 1点目は、武道の必修化に伴い、武道場などの施設、備品の整備は教育に十分な水準にあるのかということであります。柔道部や剣道部があるところではさほど心配が要らないかもしれませんが、これらの部活動がない学校ではどのようになっているのでしょうか。
本市の中学校における畳の保守はどのように行われているのか、また、柔道着や竹刀などについては当然個人で用意するべきものですが、一定程度の防具については学校の備品として用意されるものと認識しております。防具などの対応はどのようになるのか、答弁を求めます。

 2点目は、武道や和服の基本的な着装などについては適切な指導が必要であり、そのための指導者の確保も新たな課題であると考えます。我が国の伝統文化を次世代を担う子どもたちに伝える大切な授業です。これら指導体制は十分なものとなるのか、答弁を求めます。

(2)学校と地域について

 新しい学習指導要領について、文部科学省は、保護者向けの「すぐにわかる新しい学習指導要領のポイント」というチラシの中で「『ゆとり』か『詰め込み』かではなく、基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成との両方が大切。それぞれの力をバランスよくのばしていきます」と記述しています。

 私も、これまで一般質問で主張してきたとおり、どちらかに偏った議論は無意味だと考えています。このチラシの中では、地域との連携によりはぐくむ生きる力として、「子どもは保護者や教員だけでなく、多くの大人と触れ合って様々な力を身につけます。地域ぐるみで子どもの教育に取り組む環境づくりを進めていくことが重要です。文部科学省では次のようなことを進めています」との記述があります。

 さらに、学校支援地域本部の項目の中では、「地域住民など様々な立場の方が、ボランティアとして、学校の教育活動を支援しています」と記述され、主な支援活動として、学習の支援(授業の補助、ドリルの採点)、部活動の支援、環境整備(花壇の手入れ、図書室の整備、読み聞かせ)、安全パトロールなどが挙げられており、部活動の支援や安全パトロールなどの活動に、多くの地域住民がかかわっていただいていることは、皆さんもよく御承知のとおりです。

 また、放課後子ども教室では、「学校の余裕教室や校庭などを活用し、放課後等に安全な子どもの居場所を設け、地域の大人の協力を得ながら、学習や体験活動を提供しています」とされ、主な活動内容として、宿題、復習、スポーツ、ものづくり、異世代交流、昔遊び、科学実験などが挙げられています。

 異世代交流、昔遊びといった活動には、地域の長寿会の皆さんらが熱心に取り組んでいらっしゃいますし、放課後ではありませんが、子どもかがやき教室として、地域の多くの皆さんにより、子どもたちの活動の場を支えていただいております。

 この放課後子ども教室について、本市においてどのように実施されているのか、具体的な取組みも含め、答弁を求めます。また、本市で実施されている子どもかがやき教室の位置づけについて答弁を求めます。

 さて、子どもかがやき教室については、担い手不足などにより実施箇所がそれほど増えていないようです。内容を工夫して、さほど大がかりな人手を必要としない活動を行っている地域もあります。他の地域で工夫されている活動については、実施団体からの報告書だけでは、なかなかうかがい知ることができません。また、情報収集を、窓口となっている公民館主事だけに任せては、大変重荷になります。

 教育委員会として、子どもかがやき教室の取組みを支援する体制を一層充実させるべきと考えますが、見解を求めます。

 さらに、こうした地域の皆さんによる支援については、担い手がなかなかなかいないという声もあります。以前にも質問しましたが、改めて教員経験者の皆さんの知識と経験をこうした教育支援の場面で生かしていただきたいと考えています。地域にいらっしゃる教員経験者が地域の人間として活動に参加することも可能でしょうが、せっかくの知識と経験を組織として生かす仕組みをつくれないものかと考えているところであります。

 毎日活動するスポーツチームの監督にというわけではありません。月数回の簡単なスポーツを通じた体力づくりや文化活動の支援者という位置づけで、教員経験者の皆さんに、子どもかがやき教室や放課後子ども教室の嘱託指導者として活動していただく仕組みをつくることを提言いたしますが、当局の見解を求めます。

3.まちづくりについて

3.まちづくりについて

(1)住宅施策について

 まず、住宅施策についてであります。第2期富山市中心市街地活性化基本計画区域について、計画に定められた区域は約436ヘクタールとなっており、これは第1期基本計画と同じ区域とされています。第1期基本計画ではさまざまな角度から施策が実施されてきましたが、なるほど中心市街地での大規模分譲マンションが後押しをして、人口の社会増減はプラスに転じました。しかしながら、分譲マンションばかりに頼っていては、中心市街地の居住形態が偏ってしまい、コミュニティー形成の上でも好ましくありません。
そこで、分譲マンション、賃貸物件、戸建て住宅にバランスよく住んでいただくことが理想ではないでしょうか。そのために、まちなか居住推進のための諸制度を見直すことも必要だと考えます。

 1点目は、対象となる地区の範囲です。現行制度では、基本計画区域内もしくはバス停などからの距離により線引きされていますが、同じコミュニティーの中にあっても対象となる場所と対象とならない場所が混在しています。現実的にはどこかで線を引かざるを得ないのですが、もう少し細分化して、分譲マンション取得で補助が得られる地区をつくり、同時に地域コミュニティーという側面から対象地区を見直し、一団のコミュニティーを形成していると認められる街区では、中心市街地活性化基本計画区域内を超えて、戸建て住宅取得に対する補助を認めることも検討されてはいかがでしょうか、見解を求めます。

 2点目は、分譲マンション取得に対する補助内容と戸建て住宅取得に対する補助を変える、具体には戸建て住宅取得に対する補助額を上乗せすることで、戸建て住宅居住者を増やし、バランスのとれた居宅形態を目指すべきと考えますが、見解を求めます。

 3点目は、6月定例会でも質問しましたが、2世帯、3世帯住宅への補助についても、将来の福祉に係る義務的経費の縮小に寄与するという観点からも、さらなる上乗せや条件の見直しをしていくべきと考えますが、見解を求めます。

(2)市営住宅について

 次に、市営住宅について伺います。

 老朽化した市営住宅については、順次改築が進められているほか、民間と連携して借上市営住宅制度を導入するなど、先進的な取組みも行われています。一方で、財政見通しが厳しい中、すべての市営住宅を更新するのは大変困難であり、また、世帯数の減少や民間共同住宅のストックの充実と家賃低下により、すべての市営住宅を更新するのは現実的ではありません。さらには、改築にせよ、借上げにせよ、物件が新しくなることで賃料が上がり、新しい物件をつくっても、真に住宅に困窮している方々が住むことができなくなることも考えられます。

 そこで、公営住宅のあり方として、真の住宅困窮者向け対策として老朽化した市営住宅を更新維持するだけではなく、民間住宅のストックを活用し、住宅バウチャーといった形での新たな市営住宅のあり方を検討する時期ではないかと考えますが、見解を求めます。

(3)まちづくり会社について

 次に、まちづくり会社の役割について伺います。

 第1期中心市街地活性化基本計画においては、再開発などの施設整備を中心に、行政主導でまちづくりを推進してきたものを、第2期中心市街地活性化基本計画においては、民間が進めるまちづくりを支援するため、制度・仕組みづくりや財政的なサポートをすることが行政の役割であるとの方針を打ち出しています。

 一方で、まちづくり会社の体制強化も同時に打ち出しており、このことは行政主体のまちづくりから民間主体のまちづくりへと転換を進めることに逆行するのではないかと危惧しております。この点についてはっきりさせておかなければなりません。

 そこで、第2期基本計画及びその後の長いスパンを見据えた中でのまちづくり会社について、どのような位置づけで、どのような役割を期待するのか、答弁を求めます。

4.情報セキュリティーについて

 次に、情報セキュリティーについて伺います。

 情報セキュリティーの分野では、サイバー攻撃と防御策はいたちごっこの関係にあり、サイバー攻撃を完全に防ぎ切ることは困難であることから、防災の分野と同様、減災、つまりサイバー攻撃を受けて被害が出ることを前提として、その被害を最小限に食いとどめるという考えがあります。このような減災という手法について、どの程度取り組んでいるのか、答弁を求めます。

 最後に、企業などでも問題となっていますが、間もなくサポート期限終了を迎えるOSがいまだ多くのクライアントパソコンで使用されていることについて質問いたします。

 サポート期限終了後は、OSそのものにセキュリティホールが発見されても対応策がなくなってしまうのであります。古いOSの更新について重要な問題と考えますが、どのように対処されるのか答弁を求めまして、私の一般質問を終えさせていただきます。

答弁

中村茂信商工労働部長

 まちなかオフィス立地助成事業についての御質問のうち、何年間で、どの程度の事業者の進出を目指しているのか目標数値を問う、また、市内や市外、県外の事業者に対し助成の違いはあるのか、また、市外や県外からの積極的な誘致が必要と思うが、検討していることはあるのかについてお答えいたします。

 市としましては、都心地区におけるオフィスビルの空洞化は地域経済の衰退につながる重要な課題であると考えており、これまでも、県とともにオフィス賃借料等の助成を行い、コールセンター等の情報通信関連企業の誘致に努めてきたほか、平成17年度からは、都心地区でのIT・デザイン業関連の事業所開設に対する支援を行ってきたところであります。

 来年度から実施いたします「まちなかオフィス立地助成事業」につきましては、都心地区における空きオフィスを解消し、にぎわいの創出や経済活動の活性化を図るとともに、新たな雇用創出を目的に実施するものであり、これまでのIT・デザイン関連業種に加え、製造業や運輸業など業種を拡大し実施するものであります。

 お尋ねの事業の目標数値につきましては、この事業は北陸新幹線の開業が予定されている平成26年度末までの3カ年を事業期間としており、特に目標数値は設定しておりません。

 次に、助成内容につきましては、創業者向けの創業枠と、その他の事業所を対象とした一般枠に分けて実施したいと考えており、助成限度額は異なるものの、市内や県外など所在地によって助成内容に相違はなく、助成対象となるオフィスの要件としましては、1つには、市内にオフィスを有しない事業者が新たに都心地区へ開設する場合、2つには、市内にオフィスを有する方が、当該オフィスを維持しながら、業務拡大や異業種展開のため、新たに都心地区で開設する場合を対象とすることとしております。

 次に、市外や県外からの積極的な誘致策の検討につきましては、この助成制度が十分に活用されるよう、富山市ホームページはもちろんのこと、来年度実施いたします北陸新幹線開業影響予測調査での県外企業向けアンケートを送付する際にも、本市の魅力や本事業を紹介するパンフレットを同封するなど、機会をとらえて積極的にオフィス誘致に努めてまいりたいと考えております。

 次に、オフィス所有者が行う省エネルギー対策やOAフロア対応などへの助成制度も必要と思うが見解を問うにお答えいたします。

 都心地区におけるオフィスビルの所有者につきましては、大企業が所有するビルも多くみられるところでありますが、中小企業者がオフィスビルを所有し、省エネルギー対策など、利用者の利便性向上を目的に実施する設備投資につきましては、本市の商工業振興資金融資制度の設備投資支援資金、限度額5,000万円を活用していただきたいと考えております。

 また、本市の融資制度につきましては、平成24年4月より利子助成の拡充を行うほか、環境未来都市としてCO2削減に向けた取組みを支援するため、新たに環境保全設備資金を創設することとしており、現在のところ、新たな助成制度は考えてないところであります。

 いずれにしましても、このオフィス立地助成制度は3年間と期間を定め実施するものであり、本市としましては、この制度により空きオフィスが少しでも解消され、都心地区における経済活動の活性化を図ることにより、都市の魅力向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に、まちなかランチ推進モデル事業において、運営委員会の主体はだれが担うのか問うにお答えいたします。

 まちなかランチ推進モデル事業は、意欲ある民間事業者が主体となって行う事業であり、期間限定のモデル事業として、事業者に対し市が支援を行うものであります。事業内容といたしましては、市民や市内の企業等に勤務する方を対象に、都心地区の協賛飲食店で利用できるランチ専用の割引券を販売することで、質の高い食事を安価で楽しむ機会を増やし、ランチタイムのさらなるにぎわい創出と地域経済の活性化を目的に実施する事業であります。

 お尋ねの運営委員会につきましては、事業の円滑な運営と事業評価を目的に、この事業を運営する事業者が中心となり設置するもので、市としても協力してまいりたいと考えております。また、構成メンバーとしましては、県外から本市へ赴任された方や協賛飲食店、商店街団体のほか、富山商工会議所などの経済団体などが考えられます。

 次に、観光業界やタクシー業界等の接遇改善として、テーマパークのキャストを招いた講習会の開催等の施策も効果があると考えるが見解を問うにお答えいたします。

 御提案の接遇の専門家による講習会の開催につきましては、本市では、これまでも県外から訪れる方々と接する機会の多いホテル・旅館やタクシー業界などに従事されている方々を対象に、マナーや接遇に関する講座などを盛り込んだ研修事業を実施しており、講師として接客のプロと言われる方々を招いており、最近では、人気を博した旅行会社のいわゆるカリスマ添乗員、また、地元のデパートやホテルのサービス担当のスペシャリストといった方々による講習を行っております。

 また、本市では新年度において、ビジネス客や観光客のための2次交通の充実を図るため、富山県タクシー協会が行う観光タクシードライバーに対する研修事業の拡充に対し支援を行うこととしております。事業内容としては、観光施設を見学しながらプロの観光ガイドによるガイド方法などを学ぶスキルアップのための研修内容となっています。

 本市といたしましては、こうした取組みを通して、官民一体となり、おもてなしの心の醸成を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

野村潤企画管理部長

 まちなかオフィス立地助成事業についてのうち、市職員の接遇改善について見解を問うにお答えいたします。

 本市職員にとって「親切で丁寧な応対と迅速な行動により、市民から信頼される職員」を目指すことが、基本的で重要なことと考えております。

 そのため、これまでも職員研修において、新規採用職員をはじめ、新任主幹や窓口サービス向上職場リーダーに対し、専門の講師を招いて、電話応対などのビジネスマナーやプレゼンテーション研修を実施するとともに、さわやか窓口サービス推進運動に毎年取り組むなど、接遇の向上に努めてきております。

 また、クラブツーリズム株式会社やANAクラウンプラザホテル等、県内外の民間企業への長期派遣研修を通して、民間企業ならではの接遇を学んできているところであります。

 議員御提案の関係機関へ派遣する等の実践的な研修につきましては、今後さらに充実させ、職員一人一人の市民応対の質を高めてまいりたいと考えております。

 次に、情報セキュリティーについて、サイバー攻撃に対する減災という手法についてどの程度取り組んでいるのかにお答えいたします。

 御指摘のとおり、攻撃を受けて被害が出てしまった場合には、被害の軽減を図る措置としての減災対策が必要となります。

 減災対策として最も効果があり、簡単な方法として、庁内ネットワークと外部ネットワークを遮断してしまうという方法がありますが、その場合は業務の継続が難しくなり、市民サービスの提供や業務に影響が出ます。しかしながら、住民情報等の流出・漏えいの被害の拡大を考えると、場合によってはそうした措置も必要と思われます。

 ただ、できることなら、そうした状況にならぬよう、実害を軽減するための複数の対策をとっております。例えば、ウィルスが侵入して内部情報を盗み出す際には、通常、職員が外部と通信する場合とは異なる経路を通って、秘密裏に通信を開始するというところに着目し、そうした通信経路を遮断する、あるいは不正な通信を検知するといった対策です。

 具体的には、1つには、通常とは異なる通信の流れを発見した場合には、その流れをファイアウォールで強制的に遮断し、情報を外部へ流出させない、2つには、住民情報等のデータベースへのアクセス経路を制限し、攻撃者がインターネット経由で直接サーバを操作できないようにするという方法などになりますが、サイバー攻撃は日々進化していることから、今後も、警察や関係機関等と連携しながら、最新のサイバー攻撃の状況を把握し、できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。

 次に、古いOSの更新についてどのように対処するのかにお答えいたします。

 御案内のとおり、間もなくサポート期限終了を迎えるクライアントパソコンのOS問題への対処は、セキュリティー上、重要な課題です。

 OSとは、簡単に言うとパソコンやサーバを管理しているソフトウェアですが、通常はOSを開発した会社から、セキュリティホールと言われる、サイバー攻撃を受けやすいOSの脆弱な部分が判明した場合、対応ソフトが提供されます。

 サポート期限が終了するということは、つまり対応ソフトが提供されなくなるということであり、その場合、セキュリティホールがあることがわかっていても対応策がないという、極めて危険な状態になります。

 ちなみに、現在、本市で事務用に使用しているクライアントパソコンは、大部分がウインドウズXPOSですが、サポートが平成26年4月で終了すると発表されているため、パソコンのリース期間満了のタイミングに合わせて、順次サポートが継続するウインドウズセブンOSへの切りかえ作業を進めており、サポート期限終了までにはすべてのパソコンについての対応を終える予定です。

 ただ、また新たなOSが提供されては、古いOSのサポートが終了するということが繰り返されると思われますので、常にサポート情報に注意し、サポート終了前に最新のOSに切りかえていくことにより、情報セキュリティーを確保してまいりたいと考えております。

麻畠裕之教育長

 教育についてお尋ねのうち、新しい学習指導要領への対応について、中学校における畳の保守はどのように行われているのかにお答えいたします。

 教育委員会では、各学校の実情に応じて、必要なものを整備できるよう、消耗品や修繕などの予算を配当しており、武道場の畳の保守については、この予算の中で行うこととしております。このため、各中学校においては、定期的に畳の更新を行っておりますが、今年度、特に必要な7校については費用を追加配当したところであります。

 今後とも、学校へ配当した予算の中で、畳の保守を計画的に行うよう指導してまいりたいと考えております。

 次に、防具などの対応はどのようにするのかにお答えいたします。

 新学習指導要領において必修となった保健体育科の武道については、柔道、剣道、相撲などから選択することになっております。

 来年度の武道の授業につきましては、市内すべての中学校が柔道を選択しており、そのうち2校では剣道を並行して実施する予定にしております。用具については、すべての柔道実施校において柔道着は個人で用意することとし、剣道実施校の2校においては、授業で必要な分の竹刀を学校で用意しております。

 今後、剣道を選択して防具を用意することが必要と考える学校には、通常に配当している教材費や重点整備のための教材費等を活用して、計画的に整備するよう周知してまいりたいと考えております。

 次に、武道や和服の基本的な着装などの指導体制は十分なものとなるのかにお答えいたします。

 中学校の新学習指導要領において、保健体育科では武道を、家庭科では衣食住に関する学習を通して、伝統や文化に関する教育を充実させるとしております。
武道につきましては、指導する保健体育科教員が柔道や剣道の指導者研修会に参加し、指導技術を高めております。また、有段者も多数おります。

 一方、和服の基本的な着装については、必修ではありませんが、来年度は8校が取り組む予定です。これらの学校では家庭科の教員が指導しますが、地域の方などに協力を依頼することもあります。

 今後、教員の指導力をさらに高めるとともに、保護者や地域の方などの協力を得ながら、武道などの教育に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、学校と地域についてお尋ねのうち、放課後子ども教室について、本市においてどのように実施しているのか、具体的取組みも含め、問うと、本市の子どもかがやき教室の位置づけについて問うにお答えいたします。

 文部科学省所管の放課後子ども教室推進事業については、本市では子どもかがやき教室として実施しております。

 この事業は、学校週5日制に対応して、土曜・日曜などの学校休業日に小学校の余裕教室や市立公民館等を利用し、安心・安全な子どもの居場所を確保して、学習活動やスポーツ・文化芸術活動、地域交流活動などを通じ、心豊かでたくましい子どもを地域社会全体ではぐくむことを目的に実施しております。

 お尋ねの具体的な取組みにつきましては、地域ボランティアの方々を指導員として、1つに、科学実験などの学習活動、2つに、バレーボールや生け花などのスポーツ・文化芸術活動、3つに、地域めぐりなどの地域交流活動などを地域特性や地域事情に応じて行っております。

 市としましては、指導員を対象とした研修の実施や各校区の活動に必要な物品をそろえるなど、実施環境の整備に取り組んでおります。

 次に、教育委員会として、子どもかがやき教室の取組みを支援する体制を一層充実させるべきと考えるが見解を問うにお答えいたします。

 子どもかがやき教室の実施に当たり、各校区の住民や指導員等が、他地域の情報を参考にされ、それぞれの校区での活動に生かしていただくための支援として、今年度より市のホームページで各地域の実施状況を掲載したところです。

 今後は、当ホームページの掲載内容について、よりよいものになるよう工夫するとともに、指導員研修会においても、各校区間の情報交換に努めるなど支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、月数回の簡単なスポーツを通じた体力づくりや文化活動の支援者という位置づけで、教員経験者に子どもかがやき教室の嘱託指導者として活動していただく仕組みづくりを提言するが見解を問うにお答えいたします。

 子どもかがやき教室においては、PTA、体育協会、ふるさとづくり推進協議会、児童クラブ、長寿会の役員等、さまざまな団体の方々が指導員となり、各種の分野における活動で大変重要な役割を担っていただいております。

 また、活動内容によっては、教員経験者の知識と経験を生かすことにより、子どもかがやき教室の運営の充実につながるものと考えております。

 お尋ねの教員経験者を活用する仕組みづくりにつきましては、各地域で活動内容についてのニーズが異なることなどから、今後とも、それぞれの地域で必要な指導員の確保に努めていただきたいと考えております。

 以上でございます。

粟島康夫都市整備部長

 まちづくりについてのうち住宅施策について、分譲マンション取得で補助が得られる地区をつくることや地域コミュニティーの側面から、中心市街地活性化基本計画区域内を超えて、戸建て住宅取得に補助を認めることも検討してはどうかにお答えいたします。

 本市のまちなか居住推進事業においては、新たに整備される住宅がまちなかの居住にふさわしいものになるよう居住環境指針を設けており、その中で建築物の高さについては、1つには、駅周辺から総曲輪、中央通り周辺の中心ゾーンでは高さの制限を設けない、2つには、中心ゾーン周辺で商業系用途に指定された場所では23メートル程度、3つには、まちなか区域の境界周辺では13メートル程度としております。

 こうした高さ制限を設けたことにより、高層の分譲マンションは中心ゾーンに集中し、おおむね7階建て以下の分譲マンションや戸建て住宅などは中心ゾーン以外のエリアに立地しております。このことから、御提案の分譲マンション取得において補助が受けられる地区を細分化する必要性はないものと考えております。

 また、まちなかの対象区域の設定につきましては、本事業が建築物の更新につながることから、都市計画による用途地域などの制限、まちなみの連続性、都市景観形成への配慮の面からも、地域のコミュニティーに配慮した区域設定とするよりも、幹線道路などにより区域を設定することのほうが適切であると考えております。

 このことから、中心市街地活性化基本計画区域内を超えて、まちなか居住の戸建て住宅取得に対する補助を認めるために対象区域を見直すことにつきましては、現在のところ考えていないものであります。

 次に、分譲マンション及び戸建て住宅の取得補助について、戸建て住宅取得に対する補助額を上乗せすることで戸建て住宅居住者を増やして、バランスのとれた居住形態を目指すべきと考えるがどうかにお答えいたします。

 住宅取得は、家族構成やライフスタイルに応じ、戸建て住宅か分譲マンションの選択なされますが、いずれにしても、個人における生活設計を図るための大きな判断であります。

 まちなかでの住宅取得支援の補助実績は、平成24年2月末現在で300件であります。その内訳としましては、分譲マンションが175件で約58%、戸建て住宅が125件で約42%となっており、予想していたよりも戸建て住宅の割合が高いと考えております。また、居住者の傾向としましては、分譲マンションでは夫婦や単身の高齢者が多い印象がありますが、世帯人数が3人以上の世帯が約31%、年齢層別では30代から40代が約66%になっております。一方、戸建て住宅では世帯人数が3人以上の世帯が約73%で、年齢層別では30代から40代が約80%となっており、大半が若いファミリー世代となっています。

 このことから、分譲マンションと戸建て住宅という居住形態に違いこそあれ、どちらも多くの若いファミリー世代がまちなか居住を選択されており、中心市街地の活性化にも寄与していることなどから、同額の補助金を変更することは考えていないところであります。

 次に、2世帯、3世帯住宅への補助についても、さらなる上乗せや条件の見直しをしていくべきと考えるがどうかにお答えいたします。

 お互い支え合って生活することができる2世帯、3世帯住宅の推進は、特に高齢化が進行しているまちなかにおいては意義のあることと考えております。

 このことから、市では、昨年7月からまちなか居住推進事業の補助メニューに2世帯、3世帯居住を目的とした増築、リフォーム工事に対し支援するまちなかリフォーム補助事業を追加したところであり、建設年次が古いことによる技術的な問題などの理由により、現在のところ補助実績はありませんが、これまでに5件程度の相談を受けております。

 また、本年度策定中の住生活基本計画においても、高齢者等の居住支援として、3世代居住や高齢者の近くに居住することを支援するとしており、高齢化の進んでいるまちなかにおいての2世帯、3世帯居住の推進はまちなかの活性化につながるものと考えております。

 なお、御提案の上乗せ補助などにつきましては、現在のところ考えていないところであります。

 次に、まちづくり会社について、第2期中心市街地活性化基本計画及びその後の長いスパンを見据えた中でのまちづくり会社について、どのような位置づけで、どのような役割を期待するのかにお答えいたします。

 第2期中心市街地活性化基本計画における今後の取組み方針などにつきましては、官民一体となった取組みや、最終的には「市民が主役」となる枠組みの構築を目指していくものであります。

 まちづくり会社の位置づけといたしましては、1つには、中心市街地における都市機能の増進を総合的に推進するための調整を図ること、2つには、良好な市街地を形成するためのまちづくりの推進を図る事業活動を行うことなどを目的として設立された会社であります。

 このことから、民間のまちづくり会社として期待する役割は、1つには、基本計画に位置づけた効果促進事業を、より事業効果が上がるよう企画・立案すること、2つには、市民、NPO法人、民間事業者、関連団体等が相互に連携・協力できるよう、その調整役を担うこと、3つには、事業が円滑に進捗できるよう、マネジメント・コーディネート機能を発揮することなどであると考えております。

 このことから、人材確保・育成等による企画・立案能力の向上や自主財源の確保の道を模索することなどにより体制強化を図っていく必要があるものと考えております。
以上でございます。

村藤昇建設部長

 まちづくりについてお尋ねのうち、市営住宅について、住宅バウチャーといった形での新たな市営住宅のあり方を検討する時期ではないのかにお答えします。

 住宅バウチャー制度は、民間賃貸住宅を利用する低所得世帯等に対して家賃の一部を助成する制度であり、従来の、自治体が建設や借上げにより直接住宅を供給する仕組みとは異なる形式の住宅セーフティネット制度であると認識しております。

 住宅バウチャー制度を導入すれば、公営住宅の建設や借上げ制度に比べて経費の削減が期待できることや、住宅困窮者の需要に迅速かつ柔軟に対応できること、民間賃貸住宅のストック有効活用と賃貸市場の活性化等の効果が期待できるものと考えております。

 一方、この制度では、公営住宅と同程度の設備水準を満たす民間賃貸住宅が十分に確保できるのかという課題や、現在、国の交付金や補助金の対象となっていないという課題があります。

 こうしたことから、本市においては、現在のところ住宅バウチャー制度を導入することは考えておりませんが、今後、市営住宅の整備や管理のあり方等について見直しを行う中で、住宅バウチャー制度についても研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

ダウンロード

先頭へ