富山市議会令和2年6月定例会一般質問(議事録)
鋪田 博紀
令和2年6月定例会に当たり、一般質問並びに議案の質疑を行います。
1.芸術文化の持続可能性と支援について
芸術文化の持続可能性と支援について伺います。
新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの芸術文化の公演が中止となりました。さらに、プロ、アマ問わず練習拠点が閉鎖され、通常の活動もままならない状況が続くなど、市民の芸術文化を支える愛好家、教師、演奏家といった個人、そして教室や団体などの活動が脅かされています。このままでは、これまで長年にわたり本市が支援に取り組んできた芸術文化の危機が心配されます。
(1)芸術文化を担う個人・団体に対する支援について
そこでまず、芸術文化を担う個人・団体に対する支援が必要だと考えますが、支援の在り方について、本市はどのように考え、具体にどのような支援をしていくのか答弁を求めます。
(2)オーバード・ホールと、富山市民文化事業団の果たす役割について
次に、こうした危機にこそ、これまで本市の芸術文化を支えてきたオーバード・ホールをはじめとする施設とそれらを所有する本市、そして、運営を担う富山市民文化事業団の果たす役割が重要になると考えますが、市長の見解を求めます。
2.小中学校における課題について
小・中学校における課題について伺います。
新型コロナウイルスの影響で学校の休業が続き、子どもたちの学習面での課題はもちろんのこと、授業以外においても、学校生活の質、心の問題、体力の低下などが懸念されます。
(1)授業実施にあたり、専門家の意見を取り入れた情報提供や現場から相談を受けられる体制づくりについて
そこでまず、感染対策を取りながら授業を実施するに当たり、感染症等の専門家の意見を取り入れた新型コロナウイルス感染症対策に関する学校及び保護者へのガイドライン等による情報提供や、学校現場から具体的な相談を受けられる体制づくりを求めてきましたが、情報提供と体制づくりについて答弁を求めます。
(2)子ども、保護者、教職員に対する心身のケアについて
次に、感染対策や学習保障のため、結果として休み時間が十分に確保できないことや休業期間の短縮、さらには学校行事の縮小、中止など、子どもの心と身体に与える影響が心配されます。
これらの影響を最小限にするため、子ども、保護者、教職員などに対する心と身体のケアが必要と考えますが、答弁を求めます。
(3)教員の負担軽減の取り組みについて
次に、教材などの消毒を地域ボランティアが行う取組を始めた地域もあります。授業準備や感染防止対策等、教員の負担軽減に地域ぐるみの協力を求めるなどの取組が必要と考えますが、答弁を求めます。
(4)学習の評価方法の課題解消に向けた取り組みについて
次に、学習の評価方法について伺います。
実技を行うことが困難とされる体育、音楽等や季節に深く関わる授業の評価、高校入試に向けての学習保障等の課題があると考えます。評価方法の課題解消に向けての取組について答弁を求めます。
(5)学校開放の再開にあたり適切な情報提供を行う事について
次に、学校開放について2点伺います。
まず、小・中学校の授業再開が始まる中で、学校開放による地域スポーツ活動の再開を望む声が上がる一方、体育の授業や部活動の再開が見込めない状況にあって学校開放を休止してきたことについては評価をいたします。そのような中、昨日から、学校開放が一定の条件の下、再開することとなりました。
日本スポーツ協会は、これまでの外出自粛の影響により体力が低下していること、暑さに慣れていないことが想定され、これらは熱中症発症のリスク要因となるため、スポーツ活動を再開する場合はくれぐれも無理のないように、慎重に運動強度を調節し、適宜休憩を取り、適切な水分補給を心がけるよう呼びかけています。
そこで、学校開放団体には、少年スポーツの団体や高齢者が参加する団体もあることから、学校開放を再開する場合には、教育委員会の部活動についての考え方や専門家の意見も取り入れながら、学校開放を利用する団体に適切な情報提供を行うべきと考えますが、答弁を求めます。
(6)放課後の運動や遊び場の確保の仕組みづくりについて
一方で、学校においても、体育では感染対策を取るため、通常とは異なる形で授業を工夫せざるを得ないことや、トイレでの3つの密を避けるために休憩時間を活用せざるを得ないことなどにより、結果として、学校における身体を動かす機会の確保や遊び時間の確保が課題となっています。
そこで、学校開放を利用している団体の協力を頂き、放課後の運動や遊び場の確保の仕組みづくりを行い、これらの活動を支援することを検討されたいと考えますが、答弁を求めます。
3.自然災害と新型コロナウイルス感染対策について
(1)避難所受付者等の装備について
自然災害と新型コロナウイルス感染対策について伺います。
新型コロナウイルス感染症が終息していない状況下で、地震、水害等が発生した場合の避難所の感染症対策について備えが必要と考えています。
そこで、避難所においては、マスクなど通常の衛生用品の備蓄のほか、感染対策を踏まえ、人との接触機会が多くなると考えられる避難所受付等の従事者に対して、防護服やフェースシールドなどの装備も必要になると考えますが、答弁を求めます。
(2)避難所開設にあたっての感染症対策について
また、災害が発生し避難所を開設する場合、入所時には発熱や呼吸器症状のある方の動線分離などの実施、入所中の避難者に発熱や呼吸器症状があった場合の対応などが必要になると考えます。避難所開設後の感染対策をどのように行うのか答弁を求めます。
(3)富山市避難所運営マニュアル改訂について
さらに、これら新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた富山市避難所運営マニュアルの改定が必要と考えますが、改定の考えについて答弁を求めます。
(4)富山市地域防災計画の見直しについて
国は、新型コロナウイルス感染症の発生を受け、防災基本計画を見直しました。見直し後の計画では、新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえ、避難所における避難者の過密抑制など感染症対策の観点を取り入れた防災対策を推進する必要があるとの考えが示されました。富山市地域防災計画の見直しについて答弁を求めます。
(5)富山市危機管理基本指針と富山市地域防災計画について
富山市危機管理基本指針では、富山市地域防災計画及び富山市国民保護計画の対象とされている災害、事故等については、これらの計画に基づき対処するものとし、指針を適用しないと規定しています。富山市危機管理基本指針と富山市地域防災計画との整合性をどのように取っていくのか答弁を求めます。
4.生活保護に関する相談体制の拡充と住居の確保について
(1)生活困窮者ならびに生活保護相談窓口体制の拡充について
生活保護に関する相談体制の拡充と住居の確保について伺います。
新型コロナウイルスによる影響の長期化により倒産や失業の増加が懸念され、住居を失うなどの生活困窮者の増加に伴う自立支援についての相談や生活保護に関する相談なども増加すると考えられます。
そこで、生活困窮者並びに生活保護相談窓口体制の拡充が必要と考えますが、拡充の考えについて答弁を求めます。
(2)生活困窮者自立支援事業住宅扶助の拡充について
次に、議案となっている生活困窮者自立支援事業の住宅扶助費について伺います。
この事業は、一時的な宿泊である生活困窮者一時生活支援事業も対象とするのか、国の制度、富山県住居確保給付金事業との関係など、生活困窮者自立支援事業の詳細について答弁を求めます。
(3)市営住宅の優先入居枠について
倒産や失業により住居の確保が困難となった方について、市営住宅の優先入居枠を確保するなどの措置が必要であると考えますが、答弁を求めます。
(4)市営住宅など公営住宅等の家賃減免について
また、家賃の支払いが困難となった、市営住宅など公営住宅等の入居者に対する賃料の減免についてどのような対応を取るのか答弁を求めます。
(5)市営住宅の入居にあたり機関保証を認めることについて
高齢化の進展により身寄りのない高齢者が増加傾向にあることや、改正民法施行に伴い、個人根保証契約において極度額の設定が必要となったことなどにより、連帯保証人の確保が困難になるおそれがあることなどから、国土交通省では、公営住宅管理標準条例案を改正し、保証人に関する規定を削除しました。また、公営住宅の連帯保証人に替えて機関保証、つまり、家賃債務保証業者登録制度に登録した家賃債務保証業者等を利用するなど、円滑な入居が可能となるよう求めています。
公営住宅入居に当たり機関保証を認めることを求めますが、答弁を求めます。
5.公共交通について
(1)鉄道、路面電車、バス、コミュニティバスの感染対策について
最後に、公共交通について伺います。
鉄道、バス等の公共交通事業者においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経営環境が厳しくなっている中、社会経済や市民生活の基盤を確保するという強い使命感の下、利用者が著しく減少しているにもかかわらず、大幅な減便を行うことなく運行を維持されていることに深く敬意を表します。
今後も新型コロナウイルスによる影響の長期化が懸念されており、市民に安心して公共交通を利用していただくためには感染防止対策に万全を期する必要があると考えます。鉄道、路面電車、バス、コミュニティバスの各事業者においてどのような感染対策が取られているのか答弁を求めます。
(2)公共交通の重要性について
外出自粛の要請等に伴い公共交通機関利用者は著しく減少しており、早期に終息したとしても需要の回復までには相当な期間を要することが考えられ、収支状況の悪化により今後の事業の継続や路線の維持が困難になることが懸念されます。
公共交通事業者への支援の在り方、市民の関わり方について議論し、富山市地域公共交通網形成計画へも反映させていく必要があると考えます。
そこで、このような危機的状況だからこそ、本市のまちづくりにおける公共交通の重要性を改めて再認識していく必要があると考えますが、市長の答弁を求めます。
(3)公共交通への支援について
また、本市のまちづくりの根幹であり、市民の生活を支える重要な移動手段である公共交通を持続可能なものとするため、例えば全国共通交通系ICカードシステム導入に当たり経常経費の負担をするなど、本市としてもしっかりと公共交通を支援する必要があると考えますが、答弁を求めます。
以上で私の一般質問を終わります。
答弁
森 雅志 市長
鋪田議員の御質問にお答えします。
私のほうからは、最初にございました芸術文化の持続可能性と支援についてありましたうちの1点、最後にあった公共交通について質問がありましたもののうち1点にお答えし、その他の事項につきましては教育長及び担当部長から答弁申し上げます。
最初のものですが、オーバード・ホールの施設所有者としての市、そして運用を担う富山市民文化事業団の果たす役割についての見解はどうかというお尋ねです。
新型コロナウイルスは、市民生活や地域経済に極めて深刻な影響を及ぼしており、いまだに先行きが見通せないことから、社会全体が閉塞感に包まれている状況にあります。
こうした状況にある今だからこそ、芸術や文化の力によって人々に感動や生きる喜びを与え、勇気や活力を引き出すことが大切であると言えます。
幸いにして、本市は、国内でも有数の可動式三面半舞台を持つ富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)や、全国でも類を見ない大規模練習場である富山市民芸術創造センターなど、芸術文化の鑑賞や発表の拠点となる施設を有しております。
一方、公益財団法人富山市民文化事業団は、オーバード・ホールを活動拠点として、施設の管理運営をはじめ、歴代の芸術監督のプロデュースによる国内外の芸術性の高い演目の招聘や、創造性豊かな市民参加型のオリジナル作品の上演など、蓄積された専門的知識や技術などのノウハウ及び多様なネットワークを生かし、本市の文化振興に大きく貢献されてきたところであります。
また、数多くの著名な音楽家を輩出し、今も若手演奏家に対して高度な専門教育を実践している桐朋学園富山キャンパスでは、優れた音楽文化の市民への普及・浸透に大きな役割を果たしてこられたものと考えております。
加えて、今後、市民の文化活動の新たな拠点施設として中規模ホールがオーバード・ホールの北側に完成すれば、本市の芸術文化を育むポテンシャルは一段と高まることとなり、市民の皆さんに新たな感動や発見をお届けできるようになるものと考えております。
また、現在、本市が展開している新型コロナウイルス感染症の拡大防止キャンペーンでは、柴田 理恵さんや奥田 瑛二さん、立川 志の輔師匠、それから八村 塁選手など、本市ゆかりの一流芸能人やスポーツ選手に全面的に御協力を頂き、市民への応援メッセージ動画を放映していただいておりますが、世代を超えて多くの市民の皆様に共感していただいているものと思います。
こうした本市の財産とも言える豊富で多彩な人的、物的資源の活用を図りながら、当面続くと言われるコロナの時代の中にあっても、市民が生き生きと豊かに暮らせる活力ある社会を形成するため、富山市民文化事業団などとも十分連携して、芸術文化の振興に今後一層取り組みたいと考えております。
今月19日からプロ野球が始まっていくということですとか、無観客でコンサート、ライブをやられたりというようなグループなども出てきていますので、少しずつ動き出すというふうに思っています。
卑近な例で言うと、立川 志の輔さんが月に一度、てるてる亭で公演をなさっていただいていましたが、これで3か月ほど休止です。やっぱり3密を避けるとなると難しさが出るということだろうと思います。
オーバード・ホールについては、客席を空けるとか、いろんな方法は取れると思いますので、富山市民文化事業団とも相談しながら、予算の中で議決いただいている演目がありますので、遠来して──おいでになって演じていただくグループとの関係もありますけれども、なるべく早期に妥当な形で復旧をしていくということが大事なのかなと思います。
学校教育、例えば高等学校でブラスバンドをやっている人たちなどは、もともと練習の場は離れてやっていますので──パートごとに離れたり、一人一人が離れて──そういうことが1つの参考になっていくのではないかというふうに思っています。
それから次に、公共交通についての重要性の話です。
今までの取組は御案内のとおりですから、答弁は重ねて申し上げませんが、とりわけ公共交通につきましては、ネットワークの形成を図るため、富山市地域公共交通網形成計画を策定し、計画に位置づけた路面電車の南北接続等のLRTネットワークの形成や、JR高山本線、富山地方鉄道不二越・上滝線の利便性向上、さらには、中山間地域での市営コミュニティバスの運行や地域自主運行バスへの支援など、様々な施策に取り組んでまいりました。
一方、今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の外出自粛要請等により、市民の不要不急の外出抑制はもとより、企業においても在宅勤務や遠隔会議が普及し始め、社会全体で生活様式や労働環境が大きく変化しております。
しかしながら、富山市が取り組んできた取組というのは、やっぱり都市の在り方としては非常に高い評価を得られるものだというふうに思っています。東京における地下鉄とか、新宿駅の様子とか、そういうことと比較してもらうと、人と人の距離がある程度妥当な距離感でまちが形成されているというふうに認識していますので、このことについては一層質を上げていくことがやっぱり妥当だというふうに思います。
実は先般、東京で起業された東証一部上場企業のオーナーがおいでになりまして、この方は400名の従業員がいるそうですが、完全にリモートワークで、自分自身も本年5月の1か月間に2日しか本社へ行かなかったとおっしゃっています。で、富山に居住空間を持ちたいということなども考えているという御発言がありました。これが私たちが随分前から言ってきた、まさにマルチハビテーションの実現ということだろうと思います。リモートワークというものが進んでいけばいくだけ、そういう複数の居住空間を持ちながら仕事の内容に応じて使い分けをする人というのは増えてくるというふうに思います。
したがいまして、今までの取組を一層光らせながら、選ばれるまちにしていくことが必要だろうと思います。その通勤する人だけではなくて、その方の御家族からも選んでもらえるようなまちにしていく。そのことによって、奥さんとお子様は富山にいて、御主人は例えば隔週で東京へ行くとか、海外へ出張するとか、そういう方々を増やしていくということが、コロナの時代だからこそのまちづくりの1つの方向性ではないかというふうに思っています。
そのキーとなるのは交通でございますので、今後とも交通、もちろんLRTだけではなくてバスも、アヴィレという自転車共同利用システム、そしてウォーカブルなまちをつくっていくということを併せて進めていくことが大変大事だろうというふうに思います。
宮口 克志 教育長
小・中学校における課題についてお尋ねのうち、まず、新型コロナウイルス感染症対策に関する学校及び保護者への情報提供や学校現場から具体的な相談を受けられる体制づくりについてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の影響により、本市においても、小・中学校は本年3月3日から3月13日までと、4月13日から5月31日までを臨時休業としました。
国の緊急事態宣言の解除等に伴い、6月からは学校を再開しましたが、今後、新しい生活様式の下、感染症対策と児童・生徒の学びの保障の両立を図ることが重要であると認識しております。
お尋ねの本市の小・中学校の感染症対策につきましては、まず、学校再開に当たり感染リスクを低減するため、国が示す基準等に基づき、登校や授業、給食時など学校生活の各場面での留意事項について学校再開に向けたガイドラインを作成し、各学校に通知したところであります。
一方で、新型コロナウイルス感染症につきましては、いまだ科学的に解明されていないことも多いことから、学校現場では、例えば清掃や消毒などの具体的な方法など、判断に迷うことが多く、また、保護者の中には子どもを登校させることに不安を感じる方もいらっしゃいます。
そこで本市では、この感染症に関する学校での課題を持ち寄り、医療現場で得られている医学的知見や統計に基づき、適切な対策を検討し推進するため、子どもの感染症に詳しい医師を中心に、保健所や学校、教育委員会等の職員で構成する富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議を6月の学校再開前に設置したところであります。
本年5月26日に開催いたしました第1回の会議では、学校側からは、学校現場では医療的知識に乏しいため感染症対策が十分であるかどうか不安である、医師からは、過剰な対応を見直していくべきであるなどといった意見がありました。
この会議を踏まえ、感染症に関して各学校や保護者が抱く疑問や不安について答えたQ&A形式のリーフレットを作成し、各学校や家庭に配付したほか、各学校のホームページに掲載したところであります。
また、今後、この会議では、各学校からの相談事項を集約し、具体的に検討するとともに、その結果を順次発信していくことも考えております。
市教育委員会といたしましては、こうした取組を継続していくことで、学校現場が適切な対策を行い、児童・生徒が安心して学び、心身ともに健康な学校生活を送ることができるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、子どもの心と身体に与える影響を最小限にするため、子ども、保護者、教職員に対するケアが必要と考えるが、その見解を問うについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染防止に当たって、ソーシャルディスタンスの確保や活動の制限等は、児童・生徒にとっては心理的負担を強いられることに加え、授業時数を確保するため、夏季休業を10日間に短縮することや学校行事の見直しなど、これまでとは異なる学校生活を送ることになり、児童・生徒やその保護者、さらには、教職員においても、心理的、身体的なストレスは小さくないと認識しております。
市教育委員会といたしましては、まず第1に、児童・生徒の心のケアとして、生活アンケートを実施し、臨時休業期間中における生活状況や現在の不安等の把握に努める、気がかりなことが見受けられる場合は学級担任等による面談を適宜実施する、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを積極的に活用するなど、各学校に対して組織的に対応するよう指導しております。
また、児童・生徒の身体的なケアとして、学校再開に向けて生活リズムを整え、学校生活に徐々に適応できるよう5日間の分散登校期間を設けたほか、今年度より、全ての小・中学校の普通教室に設置したエアコンを効率的に使用することにより、適切な室温調整を行い身体的な負担の軽減を図る、中学校における部活動の再開に当たっては、身体への負担の軽減やけが等を防止するため、段階的に活動時間を長くしたり、活動の範囲を広げていくなどについても周知を図ったところであります。
次に、保護者への対応として、学校再開に不安を抱く児童・生徒及び保護者を対象とした相談会を開催する、各学校に配置されたスクールカウンセラーによる面談やスクールソーシャルワーカーによる家庭訪問を実施する、保護者の疑問や不安に答えるため、富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議だよりや、給食の配膳時等の感染症対策に関するQ&Aを各家庭に配付する、感染が不安で休ませたいと相談のあった児童・生徒については、指導要録上、出席停止扱いとし、欠席とはしない旨を通知するなど、様々な形で情報を提供することにより不安等の軽減に努めております。
さらに、教職員につきましては、自身が活動中に児童・生徒へウイルスを感染させてしまうのではないかという不安を抱えている場合もあることから、各学校に学校再開に向けたガイドラインや感染症対策に関するQ&Aを配付し、感染予防について具体的な対応を例示する、全教職員にフェースシールドを配付し、例えば英語の発音等の口元を見せたり、カウンセリングのときに表情を見せるなど、マスクを外しても児童・生徒に安心して対応できるようにするなどに努めたところであります。
次に、授業準備や感染防止対策等、教員の負担軽減に地域ぐるみの協力を求めるなどの取組が必要と考えるが、見解を問うについてお答えいたします。
本市における新型コロナウイルス感染拡大の影響で臨時休業が長期化したことにより、各学校におきましては学習の遅れを取り戻すことが喫緊の課題となっており、さらには、感染予防のための消毒、検温等の様々な業務も増加していることから、教員の負担がますます大きくなっております。
このような状況の中、文部科学省では、教員が授業や子どもへの個別の指導に専念できるよう緊急スクール・サポート・スタッフの予算を計上し、本市の小学校におきましても、既に配置されている5校に加え、61校に追加配置される予定となっております。
緊急スクール・サポート・スタッフの主な業務内容としては、パソコン入力事務やプリントの採点などの教員の補助、消毒に係る業務や検温、その他感染予防対策などの養護教諭の補助、自主学習の監督、放課後補充学習の対応など児童・生徒の活動補助、教員の授業のサポートや出張時の補充などの授業補助などが挙げられ、これらの業務は教員の負担軽減につながると考えており、学校や地域の実情をよく理解し、信頼できる方にその職を担っていただくことが効果的であると考えております。
本来、緊急スクール・サポート・スタッフの配置は富山県教育委員会が行いますが、市教育委員会といたしましても、学校から自治振興会等の地域の方々への協力依頼やPTAを通して保護者や保護者OBへの働きかけを依頼し、学校、地域、保護者と協力しながら緊急スクール・サポート・スタッフの人材確保に努めているところであります。
最後に、学習の評価方法について、実技を行うことが困難とされる体育、音楽等や季節に深く関わる授業の評価、高校入試に向けた学習保障等の課題解消に向けての取組についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、これまで実施しておりました体育、音楽等の学習活動の一部には、飛沫感染の可能性が高く、学習が困難な内容があります。
そこで、各学校では、体育科においては、2メートル以上の間隔を空けて走る、間隔を十分に取ってストレッチ運動をするなど、可能な限り身体接触や近距離での活動を避けながら運動量を確保する、音楽科では、合唱や合奏を屋外等の広い場所で行う、リズム遊びや音楽鑑賞などのように個々で行う学習を優先して進めるなど、学校の実情に応じて学習方法を工夫したり、学習内容を入れ替えるなどして適切に評価するように努めております。
季節に深く関わる授業においては、体育のプールを使った水泳学習は今年度中止といたしましたが、水泳の泳法について視聴覚教材で学んだり、救急救命士を講師に招き、救助法を体験するなどしております。また、春の草花のつくりを観察する学習では、教師が臨時休業中に撮影した写真や動画を見るなどの代替方法によって学習を進め、評価を行っております。
臨時休業期間中においては、各学校の教員が教科書とリンクさせたワークシートや学習プリントなどを家庭に配付したり、授業の動画を作成し各学校のホームページに掲載するなどして家庭学習の支援に努めました。
しかしながら、家庭における子どもたちだけでの学習では取り組み方に格差があったり、理解が不十分であったりすることから、臨時休業に伴い実施できなかった学習の保障につきましては、中学3年生のみならず、全ての学年において、改めて4月、5月に予定していた学習内容から授業を進めております。
さらに、本来、今年度の夏季休業の期間を7月23日から8月26日の35日間としておりましたが、大きく短縮し、8月8日から8月17日の10日間としたり、行事を見直すなどしながら授業時数の確保に努めております。
その評価に関しましては、通知表の配付日を7月22日から8月31日に変更することで1学期の学習期間を十分に設け、妥当性と信頼性のある各学期の評価となるように配慮しております。
今後、富山県立高等学校入学選抜等に関する情報につきましては、富山県教育委員会と連携し、変更点等があれば、速やかに学校を通じて生徒、保護者に情報を提供してまいります。
以上でございます。
前田 一士 企画管理部長
芸術文化の持続可能性と支援についてのお尋ねのうち、芸術文化を担う個人、団体に対する支援の在り方について、市はどのように考え、具体にどのような支援をしていくのかにお答えいたします。
音楽や演劇、舞踊、映画などの芸術文化は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、人生を豊かで潤いのあるものにすると同時に、社会全体を活性化する上で大きな力となるものであり、その果たす役割は極めて重要であります。
この意味において、今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって様々な芸術文化活動が自粛や休止を余儀なくされていることは、これをなりわいとしている方々に深刻な影響を及ぼすだけでなく、社会にも大きな損失を与えるものであり、芸術文化の明かりを消さないためにも、芸術文化に携わる個人や団体に対して活動の継続に向けた支援を行うことは行政としての大事な役割であると考えております。
このたび国では、1次及び2次の補正予算を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した中小企業や小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対する持続化給付金や雇用調整助成金などの給付や融資制度のほか、芸術文化活動の再開に向けた総合支援制度を創設するなど、活動自粛段階から再開を経て、反転攻勢段階に至るまでの一連の支援策をパッケージとして用意されたところであり、また、県においても、国の持続化給付金に独自に上乗せする給付金制度を設けておられます。
一方、市は、新型コロナウイルスの感染状況をにらみながらの対応ではありますが、芸術文化活動の再開に合わせて、オーバード・ホールや富山市民芸術創造センターなど、市が所有する文化施設を速やかに利用者に提供できるよう、全国公立文化施設協会が策定したガイドライン等に基づき、施設における感染防止対策などに努めてきたところであります。
このほか市では、例えばイベント等の開催についての国や県の指針に基づき、施設の利用人数が制限される期間中の施設使用料の一部を減免する措置や、各種創作活動の練習専用施設と位置づけている富山市民芸術創造センターについて、営利を目的としないことを条件に、音楽や演劇活動などの発表の場としての利用も可能にすることなどを検討しているところであり、こうした具体の取組等を通じて、芸術文化を担う方々の今後の活動の継続を支援してまいりたいと考えております。
次に、自然災害と新型コロナウイルス感染対策についてのお尋ねのうち、富山市危機管理基本指針と富山市地域防災計画との整合性をどのように取っていくのかにお答えいたします。
災害対策基本法に基づく国の防災基本計画が先月29日に修正されましたが、今回の修正は、昨年日本列島に襲来した台風15号と台風19号による災害対応の教訓を踏まえ、国の中央防災会議が定めたものであります。
昨年9月に発生した台風15号では、暴風により千葉県内において送電塔や電柱などが多数倒壊し、電力の復旧まで相当の日数を要することとなり、市民生活や経済活動に甚大な影響がもたらされました。
また、同じく10月に発生した台風19号では、大雨によって千曲川や阿武隈川などの堤防が決壊し、多数の方が犠牲になられたほか、長野新幹線車両センターに止めてあった北陸新幹線の車両10編成120両が浸水の被害を受けるなどしております。
この2つの大型台風に係る検証結果を踏まえ、長期にわたる停電や通信障害への対応の強化や河川及び気象に関する情報提供の充実等について修正が加えられたものであり、このほかにも、このたびの新型コロナウイルス感染症を含む避難所における感染症対策などが国の計画に記載されたものとお聞きしております。
今回の国の防災基本計画の修正を受けて、今後、県の地域防災計画の改定が行われるものと考えており、本市は、この県の改定内容を踏まえて、市の地域防災計画を改定することとなりますが、それに伴って市の危機管理基本方針の修正が必要となれば、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
岡地 聡 市民生活部長
小・中学校における課題についての御質問のうち、初めに、学校開放を再開する場合には、教育委員会の部活動についての考え方や専門家の意見も取り入れながら、学校開放を利用する団体に適切な情報提供を行うべきと考えるが、見解を問うにお答えをいたします。
学校体育施設等開放事業につきましては、夜間及び休日に不特定多数の方が学校施設を使用するため、児童・生徒への感染拡大防止の観点から、本年6月1日に市内の小・中学校が再開されたものの、当面の間、活動休止としてきたところであります。
その再開につきましては、教育委員会とも協議した結果、段階的ではあるものの、本年6月15日から中学校の部活動が再開されたことに合わせ、学校体育施設等開放事業についても同日より再開することとしたものであります。
学校体育施設等開放事業の再開に当たっては、日本スポーツ協会が示すスポーツ活動再開時の対策や、市教育委員会が示す部活動における留意事項も踏まえ、1つには、これまでの活動自粛の影響により運動不足が想定されることから、運動強度を調整するなど身体への負担軽減やけがの防止、2つには、適宜適切に休息、水分補給を行うほか、体調の悪い場合には無理な運動を行わないなど熱中症の予防、3つには、風通しをよくすることや使用する用具、備品の消毒、活動後の手洗いなど、新型コロナウイルス感染拡大の防止について各学校開放運営委員会に注意喚起を図ったところであります。
また、今後の本事業の実施に当たっては、新型コロナウイルス感染症がまだ予断を許さない状況にあることから、今後とも事態の推移に十分注意を払いながら、必要に応じ適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校開放を利用している団体の協力を頂き、放課後の運動や遊び場の確保の仕組みづくりを行い、これらの活動を支援することの検討についてにお答えをいたします。
放課後の運動や遊び場の確保の仕組みづくりにつきましては、運動の経験や能力に差がある様々な子どもたちを集めて運動を行う場合には、一定のスキルやノウハウを持つ指導者が必要であると考えており、各校区において学校開放事業を利用している団体が放課後の時間帯でこうした指導者を確保することは困難であると推測することや、実施団体における安全確保のための措置、事故が起きた場合の対応や責任問題など、様々な課題があるものと考えております。
また、子どもたちに運動機会を提供する取組として、総合型スポーツクラブでの子ども向けサークルやスポーツ少年団活動のほか、民間の各種スポーツクラブの活動などがあり、現在、徐々に活動が再開されていると伺っていることから、新たな仕組みづくりにつきましては考えていないところであります。
以上でございます。
舟田 安浩 建設部長
私からは、自然災害と新型コロナウイルス感染対策について4点お尋ねのうち、まず、感染症対策を踏まえ、人との接触機会の多い避難所受付等の従事者に対し、防護服やフェースシールドなどの装備も必要と考えるが、見解を問うにお答えいたします。
災害時等における避難所において市職員や地域住民の方々に行っていただく活動には、避難者名簿の作成や感染対策のための検温と、県が作成した新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営マニュアル策定指針で示された体調チェック表を活用し、避難者の体調などの確認を行う受付業務のほか、食料などの配給、避難所内の衛生環境の管理などがあります。
とりわけ、多くの避難者と接することが想定される受付業務を担当される方については、感染症のリスクが高いことから、防護服やフェースシールドなどの個人防護具を備えておくことが重要であると考えております。
しかしながら、防護服やフェースシールドなどの入荷状況について、複数の取扱い業者に問い合わせたところ、フェースシールドと手袋については確保が可能であるが、防護服については医療従事者などへの供給が優先されており、入荷時期が未定であると回答がありました。このため、防護服を入手するまでの対応として、現在備蓄している雨がっぱを代用することで感染対策を講じることとしております。
本市といたしましては、今後の流通状況などを確認するとともに、受付業務以外にも防護服の着用が必要となる役割がないかを特定するため、保健所からの意見も聞きながら必要な数量を確保してまいりたいと考えております。
次に、避難所開設後の感染症対策について見解を問うにお答えいたします。
本市における避難所開設後の対策といたしましては、本年4月の国からの通知を受け、1つに、避難者や避難所運営従事者に対して、手洗いや、せきエチケットなどの基本的な感染症対策を徹底すること、2つに、定期的に家庭用洗剤を用いて清掃すること、3つに、定期的な換気を実施することなどについて、避難者や避難所運営に携わる方々に御協力を頂きながら取り組んでまいりたいと考えております。
また、本年5月末には避難所全体のレイアウトや動線、健康な方の滞在スペース、発熱、せきなどの症状が出た方や濃厚接触者専用室のレイアウトの例について示されたところであります。
これを受け、県では避難所運営マニュアル策定指針を作成されたところであり、本市では、これらを踏まえ、避難者の滞在する区画の間隔を1メートルから2メートル以上確保するとともに、段ボール製の間仕切りを設置することにより過密状態を回避し、飛沫感染の防止に努めてまいりたいと考えております。
また、発熱やせきなどの症状のある方や濃厚接触者が避難所に到着した際には、検温の実施や体調チェック表を活用した体調などの確認を行った上、校舎などの専用スペースに誘導することで健康な人と動線を分け、接触機会の低減を図ることとしております。
そのほか、避難者に新型コロナウイルス感染症の疑いが確認された際には、保健所と連携し、病院への搬送など適切な医療救護に努めてまいりたいと考えております。
次に、富山市避難所運営マニュアルの改定が必要と考えるが、見解を問うにお答えいたします。
本市の避難所運営マニュアルは、避難所運営に携わる市職員はもとより、自治振興会や町内会、自主防災組織など、地域の住民の方々の御協力を頂きながら、円滑に避難所運営をするため、役割や手順などを示したものであります。
本市では、先ほど申し上げた国や県からの通知で示された対策に加え、新たに今月初旬に公表された国の避難所開設・運営訓練ガイドラインを参考に、必要な人員や役割分担、避難所内のレイアウトや動線のほか、防護服などの着脱方法や注意点など、避難所運営に欠くことのできない様々な対策を避難所運営従事者に取り組んでいただくとともに、訓練の際にも活用できるよう、より具体的で分かりやすい避難所運営マニュアルを作成することが必要であると考えております。
このことから、本市では、本年7月末を目途に避難所運営マニュアルを改定する予定としており、改定後にはホームページへ掲載するほか、地区センター班要員や災害対策本部室要員の市職員に対して訓練や研修を通じて周知を図るとともに、避難所の運営に関わる自治振興会などの地域住民の方々には、出前講座や防災士による防災講座など、様々な機会を捉えて避難所運営マニュアルの活用について周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、富山市地域防災計画の見直しについて見解を問うにお答えいたします。
災害対策基本法の規定では、市町村及び都道府県の地域防災計画は、国の防災基本計画に基づき、防災会議が作成し、必要があると認めるときは、これを修正しなければならないとされております。
また、市町村の地域防災計画は、上位計画である都道府県の地域防災計画と一体をなすものであり、相互に結びつき、整合性を保つことで、防災行政の効果的な推進が図られるものであります。
議員御指摘のとおり、国では先月29日に防災基本計画の修正を行っており、その主な内容は、令和元年房総半島台風や令和元年東日本台風の検証を踏まえた被災者への物資支援の充実や、避難所における新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策の平時からの検討、実施などとなっております。
今回の防災基本計画の修正を受けて、県に富山県地域防災計画の対応について確認したところ、現在修正中であると伺っており、富山市地域防災計画の修正については、県の動向を確認しながら、速やかに修正を行ってまいりたいと考えております。
次に、生活保護に関する相談体制の拡充と住居の確保について3点のお尋ねのうち、市営住宅の優先入居枠を確保する必要があると考えるが、見解を問うにお答えいたします。
現在、本市では、住宅に困窮する低所得者の中でも、特に住宅の確保に配慮が必要と考えられる高齢者世帯や障害者世帯及び母子世帯を対象として、市営住宅の優先入居枠を239戸設けているところであります。
また、これらのほかに、本年6月1日現在で既に修繕が済んでおり、入居までの時間の短縮が図られる空き室が14戸あるほか、さらに、募集停止等をしている団地を除いて556戸の空き室があります。
このような中、今回の新型コロナウイルス感染症による影響で住宅困窮となられた方からの窓口等での入居相談は2件にとどまっていることから、新型コロナウイルス感染症の影響による住宅困窮者の優先入居枠については確保する予定はございません。
今後も、新型コロナウイルス感染症による影響や窓口相談等の状況について、引き続き注視してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅などの公営住宅等の賃料の減免についてどのような対応を取るのかにお答えいたします。
市営住宅の家賃減免等につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が創設されたことから、市営住宅の家賃の支払いに困っている入居者の減免に活用することとしております。
その対象となる要件としましては、市が管理する住宅において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、収入が前年同月比で30%以上減少していると認められる入居者には、令和2年度の家賃を対象として最大6か月分を減免し、その算定に当たっては、収入減少後の所得で家賃の再算定を行い、その差額を減免することを基本とし、再算定により一番低い区分となった方や当初から一番低い区分の方については、全額減免することとしております。
また、中堅所得者向けの特定公共賃貸住宅等の入居者につきましては、収入減少後の所得で再算定を行い、その差額を減額することとしております。
加えて、減免対応のほか、収入が前年同月比で20%以上減少していると認められる入居者には、令和2年度の家賃を対象として、納期限の翌月から最大で1年間、家賃支払いの猶予をすることとしております。
なお、市が管理する賃貸店舗への支援につきましては、現在、国において、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受ける事業者に対し持続化給付金が給付されているほか、県においても、富山県事業持続化・地域再生支援金や協力金などの支援制度が創設されていること、また、国の今年度2次補正予算の中で、家賃の3分の2まで半年分を補助する特別家賃支援給付金の給付が見込まれていることから、市独自の賃貸店舗への家賃減免は行わないものとしております。
しかしながら、給付金の支給を受けても、資金繰りの影響により事業の継続が困難な場合もあることから、売上げが前年同月比で20%以上減少していると認められる場合には、令和2年度の家賃を対象に、納期限の翌月から最大で1年間、家賃の支払いの猶予をすることとしております。
なお、実施時期につきましては、周知期間を設けた後、本年7月1日より申請を受け付け、対象となるものについては、4月分家賃より遡って減免や徴収猶予を行うこととしております。
今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症の状況や国、県の動向を注視しながら、入居者の安定した居住の確保や店舗の営業が続けられるよう支援に努めてまいりたいと考えております。
最後に、公営住宅入居に当たり機関保証を認めることについて見解を問うにお答えいたします。
お尋ねの国土交通省登録事業者の機関保証を利用することにつきましては、入居契約の際に連帯保証人が不要となり、一定の債務保証が確保されることから、連帯保証人の確保が難しい入居希望者や市営住宅等を管理運営する本市においても有効な手法の1つであると考えております。
しかしながら、機関保証の内容につきましては様々な内容となっており、例えば家賃保証の上限額が本市が連帯保証人に求める極度額を下回るものや、機関保証の保証契約自体に保証人を必要とするものがあることなど、債務保証が十分に保障されているのか不明な部分があるほか、入居者には保証料という新たな負担が発生することになります。
本市といたしましては、連帯保証人は、入居者の債務保証のほか、入居者が所在不明のときや長期入院などの際に市に必要な申請等を行っていただくなど、住宅を管理運営するためにも重要であることから、民法改正後も引き続き、市営住宅等の入居の際には連帯保証人の確保をしていただいているところであります。
今後は、保証上限額が極度額を満たすことなどの条件が整えば、機関保証の導入についても、他都市の事例を参考にしながら調査・研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
酒井 敏行 福祉保健部長
生活保護に関する相談体制の拡充と住居の確保についての御質問のうち、まず、生活困窮や生活保護の相談体制の拡充が必要ではないかにお答えをいたします。
生活困窮に関する相談業務につきましては、生活保護行政を担う生活支援課と富山市社会福祉協議会とが緊密に連携を図りながら対応しており、相談の中で生活保護が必要であると判断される方に対しましては、適切に生活保護の申請につなげているところであります。
これまでは、経済や雇用の情勢が比較的安定していたこともあって、本年4月までは1か月当たりの生活保護の相談件数は100件、申請が30件前後で推移しておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響により雇用情勢等が急激に悪化したことから、勤務先の業務縮小や休業、廃業等により職を失い、新たな仕事を見つけられず相談に来られる方が増えてきており、この5月は相談件数が141件、申請が53件となっております。
また、市社会福祉協議会においては、本市が委託している住居確保給付金の受付窓口のほかに、県社会福祉協議会が実施する緊急小口資金等の特例貸付けの受付窓口にもなっていることから、相談、受付が増加したため、臨時の相談受付窓口を開設するなどの対応を行いました。
今後とも、市社会福祉協議会や地域包括支援センター、各種医療機関、介護施設等、様々な機関と連携するとともに、必要な人員の確保等を図りながら、相談しやすい体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活困窮者自立支援事業の住宅扶助は、生活困窮者一時生活支援事業も対象とするのか、また、国の制度や富山県住居確保給付金事業とはどのような関係なのかにお答えをいたします。
生活困窮者自立支援法に基づく支援制度につきましては、昨年9月議会で竹田議員の御質問にお答えしたところですが、包括的な相談支援として、一人一人の状況に応じ自立に向けた支援計画を作成する自立相談支援事業と、その計画に基づき一人一人の状況に応じて、居住確保支援として、就職活動を支えるため家賃費用を一定期間給付する、御質問の住宅扶助である住居確保給付金事業──ちなみに、この事業につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の状況を踏まえ、国において、休業等により収入が減少し、離職や廃業と同程度の状況にある方を支給対象とする制度の拡充や、ハローワークへの求職申込みを不要とするなど要件が緩和されております。2つに、就労支援として、一般就労に向けた準備が必要な方への就労準備支援事業と、直ちに一般就労が困難な方への認定就労訓練事業、3つとして、御質問のありました緊急的な支援として、住居を持たない方に対し、一定期間、衣食住等の日常生活に必要な支援を提供する一時生活支援事業、4つに、家計再建支援として、利用者の家計管理の意欲を引き出す相談支援を行う家計改善支援事業、5つに、子ども支援として、学習支援や居場所づくりなどを行う子どもの学習支援事業の大きく6つの支援、7事業がございます。
本市では、この7事業のうち、自立相談支援事業、住居確保給付金事業、家計改善支援事業を富山市社会福祉協議会に委託しており、一時生活支援事業以外の事業については生活支援課で行っております。
御質問にありました一時生活支援事業につきましては、住居確保給付金事業とともに、生活困窮者自立支援制度における事業の1つでありますが、本市においては必要となる事案がまれであり、救護施設での一時入所や女性、高齢者、障害者の一時保護等の他の制度で対応できていることから現在行っておりません。
また、住居確保給付金事業などの支援事業につきましては、県内ではそれぞれの社会福祉事務所で実施されているところであり、社会福祉事務所のない自治体については、県において富山県住居確保給付金事業として実施されているものでございます。
以上でございます。
中村 雅也 活力都市創造部長
公共交通についてお尋ねのうち、鉄道、路面電車、バス、コミュニティバスの各事業者においてどのような感染対策が取られているのかについてお答えいたします。
公共交通の新型コロナウイルス感染防止対策について、富山地方鉄道やあいの風とやま鉄道などの交通事業者に確認しましたところ、鉄道や路面電車、路線バスにおいては、鉄道事業者などから成る鉄道連絡会が作成した、鉄軌道事業における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドラインや、バス事業者などから成る日本バス協会が作成した、バスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを踏まえ、1つに、走行中も含めた車内換気の実施、2つに、車内つり革、手すりなどの消毒、3つに、運転席後部、点呼場所などでの透明フィルムの設置、4つに、全職員の手洗い励行やマスクの着用、5つに、乗務員の休憩場所の分散、6つに、執務室の入室制限や座席間隔の確保などを実施しておられると伺っております。
さらに、これらの感染防止対策を各社のホームページ等を通じて利用者に伝えることにより、安心して公共交通を利用していただけるよう努めておられます。
また、地域のNPO法人などにより運行されている水橋地域や呉羽地域などのコミュニティバスや、本市が運行している大山地域、八尾地域、山田地域の市営コミュニティバスにおいても、交通事業者の事例を参考に同様の取組を実施しておられます。
次に、本市としてもしっかり公共交通を支援する必要があると考えるが、見解を問うにお答えいたします。
本市ではこれまでも、持続可能な公共交通の実現に向けて、鉄道や路面電車の施設の更新や生活バス路線の運行の維持、公共交通の利便性の向上などについて、交通事業者に対し必要な支援を行ってまいりました。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者が著しく減少している状況においても、交通事業者におかれましては、公共交通は市民の社会生活の維持に必要不可欠な移動手段であることから、3つの密を避けるため、徹底した感染症対策を行いながら運行本数の維持に努めておられます。
このことから、本市では、中核市市長会を通じ、民間事業者、公営事業者を問わず、収支状況が悪化する公共交通事業者に対し、より一層の支援策を積極的に講ずるよう国へ要請したところであります。
本市としましては、公共交通の施設の更新や運行の維持、利便性の向上などについて引き続き支援するとともに、今後の市民生活や経済活動への影響、国の支援策の動向などを注視しながら、持続可能な公共交通の実現に向けた必要な支援について可能な限り検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。