議会レポート

富山市議会令和3年9月定例会一般質問(原稿)

富山市議会インターネット中継もあわせてご覧ください。なお、録画中継は、本会議終了後、おおむね4日後(土、日及び祝日を除く。)からご覧になれます。

1.住宅施策について

(1)市営住宅の保有・維持の在り方の見直しについて

6月議会において、人口減少の影響などにより、市営住宅の空き家数が急増しているとの答弁がありました。あらためて調査したところ、本年4月1日現在で、本市市営の低額所得者向け住宅の管理戸数は4,394戸、そのうち入居戸数は3,233戸で、空き家数は1,161戸、入居率は約73.6%であり、また、中堅所得者向け住宅の管理戸数は355戸、そのうち入居戸数は176戸で、空き家数は179戸、入居率は約49.6%でした。この空き家数の中には耐用年限を過ぎ、新規募集をしていない戸数も含まれてはいますが、それでも計1,340戸は空き家数として相当な数にのぼります。空き家であっても当然維持管理コス卜がかかります。

近年の厳しい財政状況を鑑みると、将来にわたりこのまま多くの住宅戸数を保有、維持していくのは困難であり、今後の在リ方について早急な見直しが必要と考えます。6月議会答弁では、施設改善の可能性調査結果を踏まえて検討するとのことですが、現時点でどのような内容の見直し考えているのか答弁を求めます。

(2)市営住宅のストック調整の必要性について

本市では、中堅所得者層向け市営住宅として、富山地域の上赤江団地、中教院団地、今泉団地、奥田団地の計316戸、大山地域の新曙町団地12戸、八尾地域の高熊、寺山、源川原、井田団地の計42戸、山田地域の山田中村団地12戸、合わせて382戸が平成10年代半ばまでに整備されています。このうち27戸は平成27年度に低額所得者向け住宅に転用済みですが、当時は所得の上昇によって中堅所得者が増加する一方、中堅所得者等の居住の用に供する居住環境が良好な賃貸住宅が不足していたため、公共による整備が促進されました。しかし、近年では民間賃貸住宅の空き家の増加により、住宅需要は飽和状態にあることや、民間の家賃相場の低下などもあり、公共が整備や供給を行う意義が薄れてきているのではないかと考えます。

既に空き家が多く生じており、今後も空き家が増加傾向にあることは間違い有りません。空き家として放置するよりも、低額所得者向け住宅への転用、除却、用途廃止なども含めた抜本的なストック調整が必要と考えますが、当局の見解について答弁を求めます。

(3)奥田団地の今後の方向性ついての検討内容の進捗状況について

市営奥田団地について伺います。

奥田団地も市が運営する中堅所得者層向け住宅団地の一つです。奥田団地の建物3棟は耐震性が不足しており、大きな地震により倒壊又は崩壊する可能性が高いとされ、今から10年以上前の平成22年度に耐震補強エ事の実施方針が表明されておりますが、入居者の同意が得られないなどの理由から工事が未実施となっております。自由民主党としても、長くこのような状況が続いていることを憂慮しており、速やかな問題の解決を期待いたします。

6月議会では奥田団地の今後の耐震改修工事や建て替えなどの具体的な方向性について学識経験者の意見を聞きながら検討を進めると市長答弁がありましたが、検討の進埗状況について答弁を求めます。

2.アスベスト対策について

アスベスト対策に関しては、3月定例会においてアスベスト除去対策の民間建築物に対する補助について質問いたしましたが、今回は市が所有する建築物におけるアスベストの現状について伺います。

平成17年に、アスベストを使用した製品を製造していた工場において、人的被害が出ていることが報道され、大きな社会問題になりました。また、以前には、建設現場のアスベスト被害を訴えた集団訴訟で、最高裁判所が、国と一部の製造企業の賠償責任を認めた判決が出されたこともありました。とりわけ、飛散の可能性が高い露出した吹付けアスベストについては、経年劣化によりアスベストが飛散し、そのまま放置し、人が吸い込むと、人体に吸収されやすいことから、現状が露出した状態や、建築物の解体時等には、施設利用者や周辺の住民への健康被害が懸念されているところです。

このため、国においては、労働安全衛生法施行令等を改正し、平成18年9月からアスベストの製造や使用を全面的に禁止しました。また、平成17年に地方公共団体が所有する建築物におけるアスベストの使用実態調査が行われ、本市においても、同年に市所有建築物の吹付けアスベストの状況について調査が行われました。

そこで、

(1)本所有建築物の吹付けアスベストの対応状況について

この調查以後の、本市が所有する建築物の吹付けアスベストの対応状況について答弁を求めます。

(2)対策が行われていない建築物における今後の対応について/a>

また、対策が行われていない建築物における今後の対応について答弁を求めます。

3.消防団機能維持のための準中型免許の取得について

平成29年3月12日から、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満等の自動車が新たに「準中型自動車」として新設され、これに対応する免許として「準中型免許」が新設されました。これに伴い、改正後に普通免許を取得した消防団員は、3.5トン以上の消防ポンプ車を運転することが出来ません。

これまでも消防団員確保の観点から準中型免許取得に対する助成を求める質問がありましたが、団員確保というだけではなく、消防団という非常備消防機能維持の根幹にかかわる課題だと考えています。

消防団員個人の資格取得の助成としてではなく、非常備消防機能維持のため準中型免許取得などによる機関員養成が必要と考えますが、答弁を求めます。

4.コロナ禍における学校教育等について

(1)富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議の取り組みと成果について

昨年議会で取りまとめた新型コロナウイルス感染症対策の要望事項には、自由民主党から、授業再開にあたっては専門家を交えた対策会議を設置する要望を盛り込みました。本市では、小児科医である富山大学の種市 尋宙(たねいち ひろみち)医師ら専門家を交えた「富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策検討会議」を立ち上げ、学校現場からあげられる様々な疑問に答える形で、子どもたちが安心して学べる環境を守っていただいております。

このことについて度々一般質問で取り上げておりますが、あらためて、富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策検討会議のこれまでの取り組みと成果について答弁を求めます。

(2)コロナ禍で安全・安心な学びの場を確保することの重要性について

本市の小中学校の2学期が8月27日から始まりました。富山県では8月16日より独自の判断指標であるステージ3へ移行し、8月20日からは本市においてもまん延防止等重点措置がとられるなか、県立高校や一部の県内自治体では9月12日にまで夏休みを延長、あるいは登校を選択制とするなどの措置が取られたところもありますが、まずは学校を閉じないといった富山市教育委員会の方針を評価します。

学校を休業した場合の子どもたちの心身に及ぼす影響については、私自身、スポーツチームの監督や児童クラブの指導者として子どもたちの日常に深く関わるなかで、昨年の休業期間中から今日まで、子どもたちの学びの場を確保すること、遊びの場を含めた生活の場を確保することの必要性を実感したところです。

一方で、学校や保育所へ子どもを通わせる保護者の中には不安を感じている方もいらっしゃることから、学校においては従前から不安を抱え休む場合も欠席扱いとしないことなどの対応をとっているところです。

そこで、「富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策検討会議だより」により、保護者に対してコロナ禍で安全・安心な学びの場を確保することの重要性について周知をされているところですが、あらためて、このことについて教育長の答弁を求めます。

(3)保育所・保育園のコロナ禍での保育についての取り組みについて

加えて、保育所・保育園のコロナ禍での保育についての取り組みについて答弁を求めます。

(4)12歳から15歳までの子どもたちに対するワクチン接種の推進について

9月7日に12歳から19歳の方へワクチン接種券が発送されました。コロナ禍にあって子どもたちが安心して生活を送るためには、ワクチン接種率向上が大切です。しかしながら、12歳から15歳の接種にあたっては保護者の同伴が必要です。保護者が同伴できない場合は、被接種者の健康状態等をよく知る親族等の同伴が必要です。

このためワクチン接種を推進するためには、保護者が同伴しやすいように土日の接種会場の拡大や、夜間の接種会場を確保するなどを要望してまいりました。このことについては、9月1日の市長定例記者会見にて実施すると表明されましたが、12歳から15歳までの子どもたちに対するワクチン接種についてどのように推進するのか答弁を求めます。

5.多様な子どもたちの居場所づくりについて

(1)富山市の児童健全育成事業のなりたちについて

これまでも児童健全育成事業について質問をしてまいりましたが、改選もあったことからあらためて質問いたします。まずは、本市の健全育成事業については大きく分けて、全国でもいち早く取り組みが始まった地域児童健全育成事業(子ども会)と、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)に分かれますが、成り立ちの違いや市町村合併を経たことなどを踏まえた事業の特徴を正しく認識し事業を推進する必要があります。

そこで、本市が行う児童健全育成事業の成り立ち、事業の狙いについて答弁を求めます。
(2)児童健全育成事業の現状と課題解決に向けた取組みについて

第2期子ども・子育て支援計画では、令和6年度までに児童健全育成事業のうち放課後児童クラブを82か所、3,405人見込んでおり、放課後児童健全育成事業特別拡充事業の実施や、市有地や都市公園などを活用して、民間事業者による放課後児童クラブの開設を支援していますが、児童健全育成事業全般についての現状と課題解決に向けた取組みについて答弁を求めます。

(3)多様な健全育成の在り方について

先に述べた通り、私は、スポーツチームの監督や、児童クラブの活動を通じた放課後の居場所づくりに携わっています。これらの活動を通じて感じるのは、児童健全育成事業だけに頼らない、多様な担い手や仕組みによる子どもたちの居場所づくりが必要だという事です。例えば、富山市子どもかがやき教室事業は土日を中心とした地域主体の取組ですが様々な担い手が関わっています。最近では校区・地区の体育協会が大人の生涯スポーツだけではなく、PTAや児童クラブと連携した子どもに関わる活動を行うあらたな動きも見られます。将来的にはこうした多様な担い手が連携してゆくことが必要になるのではないか、またこうした連携の中からコミュニティースクールの中核を担うコーディネーターが生まれるのではないかとも考えます。

そこで、多様な健全育成の在り方について市長、教育長から見解について答弁を求めます。

6.ホームページなどの広報戦略について

(1)富山市ホームページのCMS更新について

度重なる自然災害や災害級ともいえるコロナ禍にあって、自治体の情報の発信がこれほどまでに重要視されることはなかったと思います。

本市ではホームページのトップページに緊急情報を表示するためCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の設定変更などで対応されましたが、スマートフォンなどへの対応の強化と、より柔軟なページ構成やデザインなどにより、所管部局がより分かりやすい情報提供をするため、CMSの更新が必要だと考えますが、見解について答弁を求めます。

(2)広報戦略の在り方について

現在、ホームページやソーシャルメディアを使った広報については、所管部局の判断によって行われています。ソーシャルメディアついては「富山市職員のソーシャルメディアの利用に関するガイドライン」に則り活用されていますが、本市では広報全般にかかる基本方針(広報戦略)を策定していません。市全体の情報発信力強化に向けた施策のひとつとして、広報戦略方針を策定することを提言します。富山市全体の情報発信力強化に向けた広報戦略の在り方について答弁を求めます。

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