議会レポート

富山市議会令和5年9月定例会一般質問(原稿)

富山市議会自由民主党鋪田博紀です。令和5年9月定例会にあたり、一般質問並びに、議案の質疑を行います。

1.災害対策について

(1)7月12日発生の豪雨災害について

まずは7月の豪雨災害、8月の台風、先日の集中豪雨により被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

令和5年7月12日に発生した、富山県では初となる、線状降水帯発生を伴った豪雨災害について伺います。

7月12日のあの夜、毎回溢水する用水路の確認のため、また、消防団員として、万一の場合に備えるため、分団器具置場に向かおうと車に乗り込んだその時携帯電話が鳴り、担当する校下自主防災会の役員から「町内で用水路があふれ、床下浸水が発生し、今まさに、消防車が駆けつけて、土嚢を積んで、流域の水門の確認に行ったところだ」との報告を受けました。あわせて「災害対策本部はまだ立ち上がらないのか?消防団への指示はおりてないのか?」と質問を受けましたが、的確にお答えする事が出来ませんでした。私は、分団長に連絡し「消防本部に対し、待機指示など出すべきではないか具申して欲しい」とお伝えし、器具置場に向かいました。

器具置場に到着すると、鳴ったことのない消防団の電話が鳴りました。先ほど申し上げた、床下浸水が発生した町内の役員からでした。

「まだまだ床下浸水などが発生する恐れがあり、その場合はどちらに連絡すればよいか?」とのお尋ねと、詳細な被害報告でした。避難所開設は富山市公式サイトと報道などで知りましたが、災害対策本部設置の情報が見当たらなかったことから「何かあれば、先ほどのように消防署に遠慮なく通報してください」と伝え電話を切りました。

その後、防災危機管理課に電話をかけ、浸水状況報告と、災害対策本部の設置について確認したところ、明確な回答は得られませんでした。電話を掛けた時刻が22時前後であったとこから、災害対策本部が立ち上がる前であったか、立ち上がって間もなくのため、各部署への伝達が届いていなかった可能性もあり、電話窓口では十分に対応できなかったのは当然のことかもしれません。しかし、この電話が一般市民であったならば、冷静には受け止めていただけなかったかもしれません。こうした私自身の経験を踏まえ、以下質問いたします。

まずは、災害対策本部の設置状況並びに、災害対策本部設置に先駆けて行われた、避難所開設などの対応状況について答弁を求めます。

先ほど述べたように、避難所開設についての情報は、富山市公式サイトや報道、ソーシャルメディア、メールによって知ることができましたが、災害対策本部の開設情報を得ることはできませんでした。

災害情報の伝達方法について課題があったと考えます。専用サイトを準備しておき、富山市公式サイトのバナーから直ちに特設サイトを見ることが出来るようにするだけでも、市民は安心感を得られたのではないでしょうか?まさに災害が起きようとしていることを実感している住民だけではなく「自分の住んでいる地域では今は雨も少ないが、天気予報ではアラートが出ている。今後は大丈夫だろうか?」といった不安や、疑問の解消にもつながると考えます。

こうした提言も踏まえ、情報発信に課題はなかったか?また、今後の情報発信についての考えについて、答弁を求めます。

(2)消防局との連携と消防団の役割について

先ほど申し上げた通り、常備消防の豪雨災害への対応については、迅速かつ的確に行われていたと考えますが、一方で「消防団が、こうした災害時に、地域住民の期待に応えることができなかったのではないか?」消防団員の一人として考えさせられました。

8月30日に開催された。富山市消防団富山方面団分団長会議においても、出席した分団長から、こうしたことを指摘する発言がありました。

今回の活動状況を踏まえ、消防局側から見て、災害対策本部との連携について、どのように評価するのか、また、災害発生時の消防団の役割について、どのように考えているのか、答弁を求めます。

(3)災害発生後の対応について

今回の豪雨は、夜間から深夜にかけて発生したことから、災害に関する問い合わせの対応は、防災危機管理部で受けることになりましたが、翌日以降の住民からの問い合わせ窓口は、防災危機管理部のみならず、行政サービスセンター、中核型地区センター、地区センター等に、幅広く寄せられていたと考えます。

寄せられた情報は、防災危機管理部に集約され、共有化され、適切な対応がとられることになると考えますが、浸水した家屋の消毒や、健康に関する相談などが、身近な地区センターに寄せられる場合もあったと考えます。

問い合わせを受けた職員によって情報が異ならないよう、お答えする内容について組織として共有化してゆくとともに、情報を絶えずアップデートしてゆくことが重要と考えます。住民からの問い合わせに対する対応について、どのように考えているのか、答弁を求めます。

令和5年4月から、行政だけでは解決できない地域課題の解決を、住民と共に進めるため、地域コミュニティ推進課が新設されました。平時においては、設置当初のねらいにある役割を担うことは当然として、今回のような災害発生後の復旧・復興にあっても、地域住民および、担当部局の取組みをサポートすることなどにより、平時における課題解決の取組みも、円滑に推進することが可能になると考えます。

災害時における地域コミュニティ推進課の役割について、どのように考えているか、答弁を求めます。

防災危機管理部の役割について伺います。

平時は災害に備えた準備をし、災害時には部局横断的な対策の司令塔となるべくして誕生したのが、防災危機管理部であると認識しています。各部局は地域防災計画に則り、それぞれ定められた役割を果たすことになっています。

平時における防災危機管理部の役割並びに、災害時における防災危機管理部の役割とあり方について、答弁を求めます。

浸水が発生した町内の自主防災会は、図上訓練、避難、要配慮者等への安否確認など盛り込んだ訓練を実施され、その検証を踏まえ、民間事業者と協定を結び、避難場所の確保や土嚢袋の配備を決定されました。

また、中山間地では、地域住民が協力して流木、土砂などで埋まった用水の復旧、崩落した斜面の、重機による復旧にあたるなど、災害時において、地域住民との協働が欠かせないことは、今回の豪雨災害でも明らかになりました。災害時の、行政と地域住民との協働の必要性並びに、今回の災害を教訓とした今後の取組みについて、市長の答弁を求めます。

2.令和4年度決算について

(1)令和4年度一般会計決算について

次に、9月定例会に提出された、令和4年度決算状況について伺います。

一般会計においては、コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とした、エネルギー価格の上昇や、物価の高騰が続く、厳しい社会情勢の下、富山市は、感染症の拡大防止と、社会経済活動の両立を図る為、ワクチン接種の促進に努めると共に、物価高騰に直面する市民や事業者への支援にも、積極的に取組まれました。①令和4年度一般会計決算状況について答弁を求めます。

主要な歳入である市税収入は、令和3年度と比べ増額となっており、市町村合併後、過去最高の収入額となっています。市税収入が前年度と比較して増額となった要因について、答弁を求めます。

(2)令和4年度決算剰余金の積み立てについて

先般、専決処分した、大雨被害復旧に対する補正予算では、財源に財政調整基金を活用したように、将来の財政運営や予期しない災害などを見据えて、資金を準備しておくことが必要です。その為にも決算剰余金をどのような基金に積み立てておくかが重要です。

令和4年度一般会計の決算剰余金である実質収支額は、35億1千4百万円余りで、その内、18億円を財政調整基金に積み立てる補正予算案が提出されています。

令和4年度一般会計決算剰余金の基金への積み立てに対する考え方について、答弁を求めます。

(3)令和4年度病院事業会計決算について

病院事業会計においては、コロナ禍もあって引き続き厳しい経営状況だったと推察します。

令和4年度の病院事業会計決算をどのように評価しているのか、また、新型コロナウイルス感染症「5類」移行後、どのような病院経営に取り組むのか、答弁を求めます。

(4)令和4年度水道事業会計等について

水道事業会計等の決算における収益的収支は、近年黒字が続いていますが、上下水道管の長寿命化対策などに、大きな予算が必要となることが考えられます。

令和4年度の水道事業会計等の決算をどのように評価し、今後どのような経営を目指していくのか、答弁を求めます。

3.プラスチック資源一括回収について

(1)プラスチック資源一括回収の目的と婦中地域での実証実験の成果について

プラスチック資源一括回収について伺います。

今年は大変な猛暑日が続き、私たちがこれまで経験したことのないような記録的な暑さで、気象庁の異常気象分析検討会は「今年の気温は歴代と比較しても圧倒的に高い。夏全体でみても異常だった」と発表しました。

また、海水温も極めて高くなってきているとの報道や、漁業関係者からも「ここ数年、富山湾では南方で生息する魚が揚がる。」と聞いており、地球温暖化の影響があると考えます。海水温の上昇は、台風の発達や集中豪雨をもたらす原因にもなるので、暑さに加えて災害への警戒もこれまで以上に必要になってくると考えます。

さらに、世界気象機関は、今年の7月は、世界の平均気温が観測史上最高になる見込みだと発表し、国連のグレーテス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と危機感を示しました。地球温暖化はもとより、激甚化・頻発化する災害に対しても環境問題への取組みは急務であり、抜本的な対策として、温室効果ガス削減の強化が必要不可欠です。

国においては、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて、政府実行計画を策定し、温室効果ガスの排出目標を2030年度までに、2013年度比50%削減するため、太陽光発電をはじめとした、再生可能エネルギーや電気自動車、LED照明の導入など、脱炭素社会の実現を目指していますが、まだ取組む余地があります。特に、家庭から出るごみの減量化は、温室効果ガス削減による地球温暖化の抑制や、処理施設の延命化などに繋がり、将来世代への負担を軽減できる有効な取組みであり、可能な限り分別し、資源化に努めるために、様々な施策に取組むべきです。

富山市では、これまで分別回収によるリサイクルに重点を置いて、ごみの減量化・資源化に取組んできましたが、近年の家庭ごみの排出量は全国平均を上回る状況が続いており、十分に進んでいるとは言えません。

現在、ごみの収集・焼却から埋め立てなど、ごみ処理には多くの費用がかかっており、限りある資源やエネルギーを大切に使いながら、将来世代の負担を軽減するためには、ごみの減量化にしっかりと取組む必要があります。

令和4年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、富山市においてもプラスチック資源一括回収の実施に向け、環境省のモデル形成支援事業を活用して、婦中地域で実証実験を行いました。そこで、プラスチック資源一括回収の目的並びに、婦中地域での実証実験に対する成果について答弁を求めます。

(2)プラスチック一括回収の実施における資源回収の見込みについて

この実証実験を踏まえ、令和6年4月から、市内全域でプラスチック資源一括回収の実施を目指すことを掲げています。市内全域で、プラスチック資源一括回収を実施した場合、プラスチック資源の回収量をどのくらい見込んでいるのか、答弁を求めます。

(3)市民に対する周知とその際の課題について

市内全域で事業展開するためには、住民の理解が必要不可欠です。これまで実施してきた婦中地域以外の市民に対する周知と課題について、どのように考えているのか答弁を求めます。

(4)循環型社会の実現についての取り組みについて

富山市において、私たちが将来世代の負担を減らすためには、ごみ処理経費の削減やごみ処理施設の延命化、施設更新時の規模縮小、限りある資源の使用削減など、循環型社会の実現を目指していく必要があります。

富山市として循環型社会の実現に向け、今後どのように取り組んでいくべきと考えているのか、市長の答弁を求めます。

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