活動レポート

「急患断らぬ」名戸ヶ谷病院

  • 平成20年11月25日(火)
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11月20日(木)に村上議員、来春から研修医となる医学部学生とともに、25年間救急患者を断ったことがない病院として、新聞・テレビで大きく取り上げられた名戸ヶ谷病院を視察しました。

山崎理事長

名戸ヶ谷病院は、千葉県柏市に昭和58年に開設された病床数247床を有する第二次救急医療施設で、医療法人社団蛍水会によって運営されている民間病院です。

視察の冒頭、対応していただいた山崎誠理事長(外科)からは、「あなた方は医療をどうしたいのか考えを聞きたい」と逆質問をされてしまいました。医療現場で自らのゆるぎない信念をもってそれを実践されているという自信とプライドを強く感じました。

山崎理事長は医師の確保については、「医師は不足していません、医師が働いていないのです。医師が働きたいと思う現場をつくれていないだけです。そしてシフトの問題です」ときっぱりおっしゃいました。

医師の確保については、臨床研修病院として、外科系の救急病院として開設した経緯から救急患者が多いという特徴を十分に生かしつつ、短期間の研修でも十二分に(2年でも長いと思うとのこと)一般医(総合医)としての研修を積めるだけのしっかりしたカリキュラムとインセンティブをもって対応しているため、研修医が殺到しているとのこと。

それを支える病院経営としては、医師のおもちゃになりがちな高額医療機器の導入について、利益を生み出す機器・利益を生まないが病院としてどうしてもそろえなければいけない機器をしっかり検証すること。また、フルラインナップをせずに、病院としての特徴を出し、足りなり診療科目は医療機関間の連携をはかり、お互いの経営を圧迫しないこと。そのためには「ひも付き」の医師派遣をやめること。

隣接する介護老保施設
隣接する介護老保施設

「救急医療がなければこの病院は食って行けません」との発言もありましたが、そのためには、常にベッドを開ける工夫として、隣接する介護老人保健施設を活用して、長期入院患者をそちらでケアしている。診療科目にない産科も他の医療機関との連携をとっており、まずは受け入れる体制をとっている(医師法と刑事訴訟の関係から、一般的には専門外の救急患者を診ることができない状況にあるが、産科の救急患者の場合、一番高いリスクとして脳疾患が考えられ、この病院は脳疾患については専門的であり受入れ体制が整っている)。

など、「救急患者は絶対に断らない」というポリシー(あるいは信念、会社でいえば社是か)とそれを実践できるシステムがハード・ソフトの両面で確立していることがうかがえました。

我々に対するメッセージとして、「医療懇談会」を立ち上げること。地方が医師を確保するためにはその地域の文化を生かしなさい。そしてなによりも「医師不足」「医療崩壊」というネガティブなとらえ方をやめなさい。という言葉をいただきました。

自治体病院、特に中核市の病院である富山市民病院にとっては、NICU閉鎖の問題などを通じて、フルラインナップの病院として「市民への安心の提供」という使命が改めて問われると共に、主に経営面(それは患者へのサービスの提供を持続的に行えるかどうか)から、他の公的病院とのすみわけをしないままでいいのかという相反する課題の克服は避けられません。

幸い、他地域で見られるような医療崩壊といわれる状況が起こる前に、このことをしっかり議論し、市民病院だけではなく、市内あるいは県内の医療体制が持続可能となるよう各病院のありかたを検討したいと思います。

2008年11月26日追記

名戸ヶ谷病院にて
名戸ヶ谷病院正面玄関

村上議員から画像をいただきましたので掲載します。

富山出身のお二人の医師もいっしょに正面玄関で記念撮影をしました。理事長先生をはじめ病院のおもなスタッフが今回の視察にあたり応対していただきました。

また、画像でもわかるとおり病院そのものは決して豪華なものではなく、現在増改築工事が進行中です。工事が終わった病棟も、とてもシンプルでそれでいて清潔感あふれる建物でした。

一応私は、建物はプロののつもりですが、その眼から見てもコスト管理というものが徹底していると感じました。また、理事長先生や事務長さんのお話をうかがっていると民間のサービス業界の企業のようだと思いました。

名戸ヶ谷病院の浴室
名戸ヶ谷病院の浴室

改築された病棟には展望風呂があって(設備は決して豪華ではない)、なんと晴れた日には富士山が観えるそうです。アメニティーにも十分配慮された病院でした。

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