セミブローグの名品、エドワードグリーン アスキス#888
エドワードグリーン(Edward Green)は、ジョンロブ・パリと並び称される英国既製靴の最高峰高峰と言われております。もっとも、価格帯も大きく異なり直営店で展開するジョンロブは高級メゾン、一方のエドワードグリーンは靴ファクトリーであり比較するのは野暮と云うもの。
今回は、スクエアトウのアスキス(ASQUITH)を紹介します。
元々は#808という木型を使ったモデルでしたが、今は#888という木型で展開しているようです。
#888は、ガジアーノ&ガーリング(Gaziano&Girling)を立ち上げたトニー・ガジアーノ氏がエドワードグリーン在籍時に開発した木型だそうですが、つま先のみならず全体がスクエアでシャープなフォルムにもかかわらずセミブローグということもあってか、英国靴らしい朴訥とした雰囲気も持っています。
トウキャップのメダリオンはラムズホーンという伝統的な模様ですが、#808のアスキスとは若干デザインが異なるそうです。
又、手持ちのクロケット&ジョーンズやアンソニークレバリーと比べるとパンチング(穴飾り)の穴も大きくて、このあたりが英国靴らしい朴訥な雰囲気を醸し出している要因かもしれません。ただし、ラムズホーンの仕上がりは期待したほど綺麗ではありません。ファンからはお叱りを受けそうですが、国産のペルフェットの方が綺麗かも。
エドワードグリーンの靴はヒールカップが小ぶりで踵を包み込むようだと言われますが、その表現は大袈裟では無いと感じました。
もっとも、これが設計思想によるものか技術的なものかはわかりません。クロケット&ジョーンズのややルーズなというかコンフォート寄りのフィッティングも個人的には好みです。手持ちのジョージクレバリーの中古のビスポークなどは、ほとんどカーブがありませんでした。
どちらが良いか、最初は踵が緩くてもソールのかえりが良くなってフィット感も変わる場合もあるので、一概には言えませんが。
また、土踏まずも絞り込まれれいて、このあたりもフィッティングの良さにつながっているのでしょうか。それでいて、やや幅広なスクエアトウのためか、ボールジョイントから爪先はとても余裕があります。
さらに、ソールの革質がとてもしなやかで足馴染みも早そうです。半カラス仕上げも綺麗です。
上から見るとスクエアな爪先がよくわかります。往年のエドワードグリーンファンからはスクエア過ぎるとの声もあるようですが。スクエアトウ好きの私にはたまりません。
インソールのロゴは枠無しの金の型押しでしたが、ロゴは製造年代で異なったりするそうで、ここにこだわるエドワードグリーンファンもいらっしゃるとか。
それにしてもかっこいい靴です。富山でもどこか取り扱いしないかな?
コメント