活動レポート

とやまスローライフフィールドを視察 - 政調勉強会

10月2日(金)富山市開ヶ丘にあるとやまスローライフフィールドを会派政調会経済教育部会で視察してきました。

事業の目的

とやまスローライフ・フイールドは、「自然・環境」、「教育」をキーワードに、田舎と都市の人々の交流を進めるため、地域資源(自然、人、歴史、文化、産業など)を活かした体験・体感ツアーの実践や市民農園の開設により、都市生活者や子ども達の自然・生活体験活動、教育旅行の実施、実務体験を中心とした独自の人材養成と生きがい学習、ゆとり生活の推進拠点とします。
また、地方から地域の「優位性」を発信し、1次産業との連携・協働を進めながら、自然豊かな農山漁村全体を学びのフィールドとし、「教育」と「交流」が連動した、自然体験・産業体験・生活体験の実践の場とします。(説明資料より)

事業スキーム

事業のスキームは、市(農政振興課所管)がNPO法人里山倶楽部へ指定管理委託して農園利用料(前述の通り)と各種講座の受講料などで運営しています。また、交流館・生活館といった交流学習施設は、里山倶楽部が整備し所有しています。

表1.とやまスローライフフィールド施設整備事業費(1)市民農園分-事業主体:市(単位:円)
事業種目(国補助メニュー) 事業内容 全体事業費 事業費内訳
国費 県費 起債 一般財源
農林漁業体験施設 市民農園、駐車場 24,577,000 8,600,000 820,000 12,900,000 2,257,000
農山漁村活性化施設

整備附帯事業
運営検討会・パンフレット作成 2,500,000 1,250,000 0 0 1,250,000
27,077,000 9,850,000 820,000 12,900,000 3,507,000
表2.とやまスローライフフィールド施設整備事業費(2)交流学習施設分-事業主体:NPO法人里山倶楽部(単位:円)
事業種目(国補助メニュー) 事業内容 全体事業費 事業費内訳
国費 県費 市費 NPO
都市農山漁村総合交流促進施設 交流学習施毀(生活館、交流館、星山観察塔) 127,000,000 63,500,000 3,884,000 12,700,000 46,916,000

市民農園

市民農園
市民農園

まずはじめに、平成21年4月に開園した市民農園を見学しました。50平方メートルの農園を年間12,000円で個人(216名)・法人(5法人)に開放していて、240区画すべてが利用されています。

農園利用者には、栽培サポーターの指導を受けられるほか、スローライフについての講座などを開設する「開ヶ丘スローライフくらぶ」という会の年会費が無料(一般は3,000円)となるなどのメリットもあります。

栽培については、減農薬・有機栽培の実践を推奨しているが(野菜を作ったことのある人なら分かると思いますかなり手間暇がかかる)、強制はしていないようですが比較的守られているようでした。

表3.市民農園利用者住所(個人)
住所別 個人利用者数 比率
富山市 181 84%
射水市 29 13%
高岡市 6 3%
*** 216 100%

表4.は、市民農園利用者を年代別にカウントしたものですが、当初はリタイアされた中高年の利用を想定していたのが、利用者の4割が40代以下という結果に当局も驚いていました。

週末には小さなお子さん連れで農園に訪れる若い家族が多いとかで、5キロ圏内に古銅の森、富山市天文台富山市ファミリーパーク富山ガラス工房があるというロケーションゆえか?という分析です。

来年の利用についての意向調査をするそうなので、その理由が明らかになるかもしれません。とやまスローライフフィールドだけではなく近隣施設の活性化につなげるヒントが見つかるのではないでしょうか?

表4.市民農園利用者年代(個人)
年齢別 個人利用者数 比率
20代 5 2%
30代 36 17%
40代 45 21%
50代 55 25%
60代 63 29%
70代 12 6%
*** 216 100%

スローライフ交流館・生活館

交流館
交流館内部
生活館
生活館の外観

とやまスローライフフィールドには魚津の古民家を移築・再生した交流館が整備され、交流学習研修に活用されています。1階には二つの多目的学習室と簡易な宿泊施設に活用できるようにシャワー室をそなえ、2階にも4つのグループ交流学習室が設けられています。

また、生活館は管理棟としての機能と農産物加工の体験や学習に使う実習室を備えています。一角には農業に関する図書コーナーも設けられていました。このほかに、里山観察塔という設備も整備されています。

これらの施設を使った「開ヶ丘スローライフくらぶ」は、くらぶ会員無料講座が2コース、くらぶ会員・一般講座が5コース用意されていて充実しています。

優良田園住宅

生活館と優良田園住宅
生活館(左)と優良田園住宅(右)

とやまスローライフフィールドにはもう一つの顔があって、今回は所管が違うので研修対象にしませんでしたが、「優良田園住宅の建設の促進に関する法律(優田法)」に基づき開発された、「田園住宅開ヶ丘」が隣接しています。これも、NPO法人里山倶楽部が開発を行い、全27区画中16区画が竣工もしくは工事中、6区画が計画進行中、3区画が相談中ということで、関心の高さが伺えます。

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