活動レポート

市川市文化会館・世田谷パブリックシアター視察

ホール内部(世田谷)
ホール内部(世田谷)

8月25日(日)に市川市文化振興財団(市川市文化会館)、8月26日(月)に世田谷パブリックシアターを視察してまいりました

市川市文化振興財団(市川市文化会館)

大ホール調整室(市川)
大ホール調整室(市川)

市川市文化会館はかつての勤務先で、今回で二度目の視察となります。

市川市では、文芸、音楽、美術に関する「文化芸術市民案内人養成講座」と、その修了者に対する「ステップアップ講座」を開講して、両講座の修了者には「市民文化サポーター」として認定し、サポーターによる自主事業を開催し、市(財団)との協働で文化芸術活動の推進を図っています。

ちなみに、市川市文化振興財団は1,945人収容の大ホールと448人収容の小ホールを持つ市川市文化会館と、647人収容の行徳文化ホールといった多目的ホールだけではなく、美術・文化施設も運営しています。

事業を実施するにあたってはサポーターによる実行委員会を立ち上げ、財団側はそのサポートに徹するという仕組みで、実行委員会は講座の受講期ごとに組織され、サポーターの中からリーダーを選び月一回程度の委員会を開催して、事業の実施に向けて取り組んでいます。

今年度は、音楽関係の事業として「ひまわりコンサート」というクラッシックコンサートを開催されました。

首都圏にある会館ということもあり、大ホールとしては事実上貸館業務に重きを置き、市民への鑑賞機会の提供に徹している印象ですが、若手アーティストのためのアーティストバンクをもうけたり、今年度も小ホールや会館併設の大会議室やそのたの施設での新人発掘・育成コンサートを11回開催したりと、運営施設の活用に努めていました。

小ホールスピーカー(市川)
小ホールスピーカー(市川)

市川市文化会館は昭和60年11月開館ということもあり、照明・音響施設の入れ替えを行ったばかりですが、そのほかは私が勤務していた当時のままで、客席などは財団職員自らがクリーニング作業を行っているなど、年々厳しくなる予算の中で現場は厳しい運営・管理を行っているようでした。

世田谷パブリックシアター・シアタートラム

大道具室(世田谷)
大道具室(世田谷)

世田谷パブリックシアター・シアタートラムも以前視察をしましたが、当時策定されたばかりの世田谷区文化芸術振興計画についての現状などについてあらためて視察をしました。

世田谷パブリックシアターという客席数約600席の主劇場と、シアタートラムという客席数約200席の小劇場、大道具・衣装などの制作工房、さらには衣装用の染色室からなっている、公共劇場としては珍しい演劇に特化した劇場で、芸術監督に野村萬斎氏を起用し、様々な公演を行っています。

現役の野村氏が芸術監督を務めることの意味は決して小さくないと思います。将来的にはオーバード・ホールでも、剣幸さんらを芸術監督に迎えることも検討してはと考えます。

また、制作した演目を積極的に売り込みをしていて、これまでに制作した大道具・小道具・衣装の貸し出しや、演目そのものの外部上演も行っていて、今年は『ジャンヌ -ノーベル賞作家が暴く"聖女ジャンヌ・ダルク"の真実-』の上演が兵庫県立芸術文化センターで決定しています。

オーバード・ホールも地方独自・地方発信の名作ミュージカルシリーズを上演するなど全国的に注目を集めていますが、これまでの演目はブロードウェイミュージカルのため著作権料が非常に高く、外部での公演は大変困難ですが、名作ミュージカルシリーズの種が蒔かれ、本当の意味での自主制作ができるようになれば、オーバード・ホール以外での上演もやがて不可能ではないかもしてませんし、そのように育てていかなければ、名作ミュージカルシリーズを制作してきた意味がなくなります。

そのたの画像

染色室(世田谷)
染色室(世田谷)

衣装室(世田谷)
衣装室(世田谷)

リハーサル室(世田谷)
リハーサル室(世田谷)

シアタートラム内部(世田谷)
シアタートラム内部(世田谷)

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