ブログ

高橋大輔が銅メダル獲得、4回転を飛ばずば真の王者にあらず?

バンクーバー五輪の注目競技、フィギュアスケート男子は米国のエバン・ライサチェク選手が金メダルを獲得し、「絶対王者」エフゲニー・プルシェンコ選手(ロシア)は銀メダル、高橋大輔選手は4回転トウループ(4T)に挑戦するも転倒。それでもプログラムコンポーネンツで84.5を叩きだし銅メダル獲得しました。

高橋選手おめでとう!

これほどまでに金メダル候補が数多くいる大会もなかったわけですが、「4回転を飛ばない奴に金メダルなんかやれるか!」と本人が言ったかどうかは分かりませんが、3年間のブランクをはねのけてプルシェンコが参戦したことで、戦前から注目は4回転を飛ぶか飛ばないかに集まりました。

ちなみに、

4位になったステファン・ランビエール選手も飛んだ4Tの基礎点は9.80。高橋選手も飛んだ3A(アクセル)は後半に飛べば9.02(後半のジャンプは1.1倍になる)。コンビネーションジャンプで比較すると、同じくランビエール選手の4T+2Tは11.10。プルシェンコ選手の飛んだ4T+3Tは13.80。4回転を飛ばなかったライサチェク選手の3A+2Tは10.45、3Lz(ルッツ)+3Tは10.00。

単独でみると4回転の4Tと3回転半の3Aでは最小で、0.78しか差がありません。ジャンプを入れることのできる数は決まっているので、単独で入れるかコンビネーションにするか、前半に入れるか後半に入れるかの組み合わせでパズルのように入れはめしながら、他の要素との組み合わせも考えてプログラム構成しているのです。

4回転がどうのこうのというのは居酒屋(外国ならパブ?)談義にはもってこいですが、点数を争う競技である以上、最も確実に点数を稼げる戦略を取るのは当然で、高橋選手も何も無謀に4回転に挑戦した訳ではなく、4回転を飛ぶことで金メダルを取りにいったのであって、無茶な冒険を冒したわけではないと思います。

もちろん、これが俺のスケーティングスタイルというかスケート哲学というのはあるでしょうが、そもそも4回転が苦手なら、哲学も何もないわけで・・・。また逆のことも当然言えるわけですしね。

さて、アイスダンスのあとは注目の女子シングルとなりますが、「キム・ヨナは3回転半(3A)を飛べないくせに!」とか言わずに、それぞれの選手の持ち味と戦略を十分堪能したいものです。

ダウンロード

先頭へ