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和央ようか・花總まりのコンビは伝説通り、それ以上 - ミュージカル「ドラキュラ」

花總まりさんへのお花
花總まりさんへのお花

先日日帰りで、東京国際フォーラムCホールで上演された、和央ようか・花總まりという宝塚史上伝説コンビ(二人の愛称を取ってタカハナとも)主演によるりミュージカル「ドラキュラ」を観劇してきました。

ご存じない方のために少し説明をさせていただくと、和央ようかさんは、宝塚歌劇団宙組で2000年から2006年までの6年間もトップ男役として活躍。独特のビブラートは好みの分かれるところですが、スマートな身のこなしとある種の凄味を持ち合わせたトップスターでした。

先日観劇した「ファントム」の初演(2004年)や「カステル・ミラージュ〜消えない蜃気楼」など数々の代表作を残しています。

また、花總まりさんは宝塚史上最長となる12年にわたって娘役トップを務め、しかも、一路真輝に始まり、高嶺ふぶき、轟悠(現専科にして宝塚歌劇団理事)、姿月あさと、和央ようかまで5人のトップスターの相手役となりました。

「エリザベート」のエリザベート役を2度演じ、「ベルサイユの薔薇」のマリー・アントワネット役、「風と共に去りぬ」スカーレット・オハラ役、「激情-ホセとカルメン-」のカルメン役などの大役で、お姫様役からカルメンのような情熱的な役まで、それこそ、憑依したような演技を見せたことなどもあり、畏敬の念を込めて、「花總まりーアントワネット」とか「お花様」とか「女帝」と呼ぶファンもいたとか。

個人的には、花總さん以降で娘役トップらしいトップとしては元雪組の白羽ゆりさん(この方の舞台も生では観ていませんが)が最後だったかな?というのが正直なところ。現役では蘭乃はなさんが、大化けする期待(「ファントム」観てそう感じました)を持っていますが...

もちろん富山市出身で星組トップの夢咲ねねさんも大好きですが、典型的な娘役としてよりも現代的な魅力が持ち味ですし、宙組の野々すみ花さんという存在感のある芝居が魅力のトップ娘役もいらっしゃいます。あっ、月組トップの蒼乃夕妃さんはま観たことが無いのでなんとも言えません。悪しからず。

さて、私が宝塚ファンになった頃には、残念ながらお二人とも退団された後だったので、この作品を心待ちにしておりました。

「ドラキュラ」は数多く映画化もされたブラム・ストーカー原作の小説をもとにしたミュージカルで、ブロードウェイやオーストリアで上演され大ヒットした作品です。

照明や舞台装置を効果的に使ったギミックや音響効果が素晴らしく、なんといっても和央さん演じるドラキュラ伯爵の圧倒的な存在感にただただ圧倒されました。

マニアックな話になりますが、現役時代の二人のコンビはやや特殊な印象で、主演男役(トップスター)によりそうヒロインのトップ娘役という宝塚的な関係ではなく、どちらかというと、花總さんが圧倒的存在感を放ち、和央さんはそれを優しく見守るといった関係、少なくとも数多くのビデオを見た限りはそう感じていました。

ですが今回の作品では、宝塚時代の呪縛を解き放つかのような圧倒的な存在感と申しますか、「俺様」ぶりを和央さんに感じました。もちろん、花總さんの存在感も伝説通り、いやそれ以上の存在感だったのですが、それをはるかに上回るドラキュラ伯爵でした。

それから、もしこの二人で「エリザベート」をやったらこんな感じだったのかな?とチラリと感じました。ドラキュラ退治にやって来たヴァン・ヘルシング教授に追い詰められ、愛してしまったミーナ・マレー(花總まり)を助けるために自らの命を絶つドラキュラと、後を追うミーナ。

ラストシーンにしてはあっけなかった気もする二人の昇天の場面が、そう感じさせました。

その他の配役も素晴らしく、もう一人のヒロインと言ってもいい、ルーシー・ウェステンラを演じた安倍なつみさん(元モーニング娘。)も、ドラキュラに魅入られ狂人と化してゆく姿の演技と歌唱は見事なものでした。

レンフィールドという、ドラキュラの手下にして狂人を演じた小野田龍之介さんも、たった二場でしたが、素晴らしい演技と歌唱でした。

さてこの後のミュージカル観劇は、富山県民会館で11月1日に上演される「眠れぬ雪獅子」となります。富山市出身の元宝塚星組麻尋えりかさんも出演されます(そういえば、先日買った「ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編-2006年星組」のDVDに小公子役でバリバリ出演されているのを確認)ので、皆さんも是非!

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