オープン前の富山市・医師会急患センターを視察、あらためて救急医療崩壊を考える
富山市丸の内から富山市民病院の敷地内で10月1日(土)に移転オープンする、富山市医師会急患センター(旧名称は富山市救急医療センター)を、9月26日(月)に市議会から視察してきました。
富山市が施設整備を行い、富山市医師会に運営を委託するもので、市民病院と連携した血液検査・レントゲン検査が行えるほか、あらたに眼科・耳鼻科・皮膚科が加わりました。
この日はオープンに備えて、スタッフを患者に見立てたシュミレーションを行っていました。
ただし、軽症患者が対象の初期救急を担う独立した施設であって、市民病院の付属施設ではないので、二次救急医療機関への搬送が必要に場合でも、市民病院が輪番担当でなければ当然のことながら他の7つの公的病院で構成される二次救急医療機関へ搬送されます。
今年は富山県でも搬送中に病院が見つからず富山市内の女性が亡くなるという痛ましい事故がありました。「傷病患者の搬送及び受け入れの実施に関する基準」が今年2月にとりまとめられ、最後の砦である三次救急医療機関(県立中央病院と厚生連高岡病院)が、最終調整を行うことが取り決められたにもかかわらずです。
この事故が起きてから直ちに、厚生委員長として市民病院幹部から事実関係の聴取と意見交換を行いました。
- 仮にこの基準を厳格に守れば、三次救急にしわ寄せがくる。
- 三次救急病院間の連携・調整機能をもつべき。
- 病院間の医師の派遣システムを構築しなければならない。
- かかりつけの病院だからと言って、救急搬送時に輪番でない病院に搬送すれば、そのために医師の待機態勢を取ることによる医師の確保がいつそう困難になるし、重傷者の場合は、専門医がいなくてより重篤化する。
- 法改正により、研修医の夜間勤務を矯正でない形で認める。
- 公的病院以外も救急医療体制に加わる。
などの意見が出されました。
すぐに解決できる課題ばかりではないのですが、医師会が中心になって動き始めているものもあるどうです。
救急医療崩壊を食い止めるためには、私たちにできることはないのか?
安易な受診をしない。たとえば、子供の急病の場合は#8000または076-444-1099の小児救急電話相談を利用するのも手ですし、その他の病気もかかりつけ医に相談するのも手です。
また、救急車の安易な利用をしないことや、当番以外のかかりつけ医の搬送を強要しないことなども出来そうです。
コメント