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宝塚歌劇団宙組中日公演『仮面のロマネスク/Apasionado!!II』を観た

中日劇場の看板
中日劇場の看板

2月22日(水)に中日劇場で公演された、大空祐飛(おおぞらゆうひ)・野々すみ花(ののすみか)主演による、宝塚歌劇団宙組の『仮面のロマネスク/Apasionado!!II』を長男と観劇してきました。

ミュージカルの『仮面のロマネスク』は、平成9年(1997年)に雪組で高嶺ふぶきさんのサヨナラ公演として上演された、コデルロス・ド・ラクロ原作の小説『危険な関係』を柴田侑宏脚本で舞台化されたもので、ショーの『Apasionado!!II』は、平成20年(2008年)に月組で初演。翌年に大空・野々新トップコンビのお披露目公演として上演された作品の再演となります。

仮面のロマネスク

王政復古時代のフランスを舞台に、ヴァルモン子爵(大空)とメルトウイユ侯爵夫人(野々)の危険な恋愛ゲームと、それに振り回される貴族達の人間模様を描いた作品で、原作は反宗教的、反道徳的という理由で発禁となったそうですが、宝塚ではこういった背徳の愛を描いた作品も度々上演しています。

大空さんは、無駄なものをそぎ落とした独自の耽美な男役像が光る演技。野々さんも宝塚娘役随一の天才的な演技力で物語を引っ張ります。この二人にしか出せないオーラを感じました。

一方で、前々作までにあったような、二人以外は十把一からげのような作品にはならず、前作『クラシコイタリアーノ』同様に、他の出演者にも十分いい場面が用意されていました。

特に、次回作を最後に専科へ移動する北翔海莉(ほくしょうかいり)さんは前作の気難しい職人役から打って変わって、純粋で無垢なダンスニー男爵を好演し、暗くなりがちな展開に潤いを与えていましたし、もう一人の主役といっていいトウールベル法院長夫人を演じる藤咲えり(ふじさきえり)さんの貞淑な人妻役も印象的でした。

また、ヴァルモン子爵の従者アゾラン役の凪七瑠海さんも飄々としたキャラクターを好演。ロベール役の十輝いりすさんは抑えた執事役で物語を支えていました。

ところで、柴田侑宏作品はエンディングで観客を放り出すというか、観客の想像力を掻き立てるものが多いのでしょうか?昨年観た『アルジェの男』もそんなエンディングでした。どうかすると観客が置いてきぼりを食ってしまうんですね。観客のの芸術性を試しているのでしょうか...

Apasionado!!II

瀬奈じゅんさん主演の月組公演は、NHKのBS放送があったので録画して何度も観ている好きな作品でしたが、当時の月組はトップ娘役が不在という異例の体制で、通常はトップ娘役がやるであろう場面を、2番手スターだった霧矢大夢(きりやひろむ)さんが女装して演じるといった変則的な構成でした。

今回は、次回作でトップ二人が退団したり、退団者や組替え予定者もいるためか、のっけから拍手と客席降りで大盛り上がりの素晴らしいショーでした。

特に、途中の男役が女装(これも宝塚の見せ場の一つです)して踊る場面が、客席降りもあって一番盛り上がっていました。組長の寿つかさ(ことぶき つかさ)さんや十輝さんのノリノリ振りが印象的でした。

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