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蘭寿とむ・蘭乃はなが特出 - 宝塚月組公演『宝塚をどり/明日への指針/TAKARAZUKA花詩集100!!』

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初舞台生のパネル

3月28日の誕生日に、花組トップスターコンビの蘭寿とむ・蘭乃はなが特別出演した、宝塚歌劇団月組公演『宝塚をどり/明日への指針/TAKARAZUKA花詩集100!!』を観劇してまいりました。

この公演では、この春宝塚音楽学校を卒業した100期生39名が記念すべき初舞台を踏みました。

日本絵草紙『宝塚をどり』


公演パネルの前で
公演パネルの前で

この公演は100周年を記念して、和物レビュー、ミュージカル、レビューの三本立てになっていて、それぞれ宝塚歌劇が継続して上演してきたジャンルでもあります。特に植田紳爾先生の作・演出による和物レビューはオーケストラに合わせて日本舞踊をベースにしたダンスを踊るという特殊なショーで、宝塚ならではの演目です。

チョンパ(板付き)で幕が開いての豪華絢爛な総踊りのあとは、初舞台生による挨拶があります。映像では何度も見ていましたが、初めての初舞台生挨拶は100周年記念ということで舞台に座っての特別バージョンで、フレッシュな口上に胸が熱くなります。

また、この公演では100周年を記念して各組のトップコンビが特別出演するという豪華な舞台となっています。

第一部の和物レビュー『宝塚をどり』では、月組トップスターの龍真咲さんと、現在ご自身が退団公演中でもある特別出演の花組トップスター蘭寿とむさんが銀橋で踊る鏡獅子は見どころの一つ。舞台上でも若手による連獅子の赤いたてがみの振りが見事でした。

副組長の憧花ゆりのさんが唄う、よさこい節に合わせた踊りも見事で、特に娘役の振り付けがシャープで印象的でした。

プチ・ミュージカル・プレイ『明日への指針 -センチュリー号の航海日誌-』

石田昌也先生の作・演出によるプチ・ミュージカルは、通常1時間45分のミュージカルの上演時間を三本立てということで30分にまとめた作品ですが、ベテランの演出家だけあってまとめ方が上手く内容の濃い作品でした。

主演の龍真咲さん(ジェイク役)にぴったりのキラキラオーラが発揮された抜群の役作りですが、物語りの最後にはある秘密が明かされます...

ヒロインのレイラ(愛希れいか)さんは安定したお芝居。ただ、このところやや地味な役どころが多いので、ミー&マイガールのサリーのような弾けたヒロイン役もそろそろ見てみたいですね。

注目はヒロインの妹アンジェラを演じた富山県出身の海乃美月さん。娘役の役が少ない作品でしたが、物語のカギを握る重要な役どころ。新人公演ではヒロイン役を演じるとあって期待が高まります。

組替え効果もあって、脇を固める役者の厚みが出てきたのも月組の特徴。

星条海斗さんと憧花ゆりのさんのコメディーの掛け合いはもはや名人芸。沙央くらまさんの何とも言えぬ間のコメディーは雪組時代から定評があります。さらに、凪七瑠海さん、美弥るりかさんもすっかり月組の顔になりました。特に、凪七さんの男役度が増したことと、やや聞きづらい声質だったのがこのところ劇的によくなって、歌での男役度が上がった気がします。

グランド・レビュー『TAKARAZUKA 花詩集100!!』

藤井大介先生の作・演出のレビューはさすがは藤井作品。そして、藤井作品では名作レビュー『CONGA!!』で素晴らしいパフォーマンスを披露した花組が誇るダンサートップコンビ蘭寿とむさん、蘭乃はなさんの特別出演がありました。

また、初舞台生以外のメンバーも加わって100人で踊るロケット(ラインダンス)は圧巻。これはぜひとも2階席でも見てみたいですね。

蘭寿さんはこの日が宝塚大劇場最後の舞台とあって、いつにもましてパワー全開。傍らでさりげなく踊る蘭乃さんもキャリアを感じさせる余裕のあるステージパフォーマンス。やっぱり蘭蘭コンビは素晴らしい!

ダンスが得意ではない龍さんが、蘭寿さんのパワーに負けじと踊る姿はいじらしくもあり、微笑ましくもありました。器用ではないようですが、きっちり稽古して舞台を作り上げるタイプの舞台人なのだとも感じました。

また、愛希さんと蘭乃さんのトップ娘役のダンスを見比べる楽しみも。二人ともダンスが売りの娘役ですが、パワフル、シャープとそれぞれ持ち味の違うダンサーでした。

ダンスといえば、凪七さんのダンスが男役としての色気が増していてちょっと感激。

エトワールは蘭寿さん。もう、貫禄たっぷり。さらに、花組トップコンビ特別出演の千秋楽ということもあり、カーテンコールまで用意されていました。

最高の誕生日となりました。

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