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とうとう開けられたパンドラの箱 -平和安全法制-

自衛艦隊
出典:海上自衛隊ホームページ(http://www.mod.go.jp/msdf/sf/gallery/W005H0000016.html)

衆院憲法審査会に参考人として出席した与党推薦者を含む憲法学者三人が、集団的自衛権の行使容認を「憲法違反」としたことで、平和安全法制をめぐって混乱が続いています。

集団的自衛権にかかる憲法解釈ついての閣議決定がなされたとき、違和感を感じたことは以前、SNSなどで書いた通りで、憲法改正が先ではないかと考えていました。

今回の憲法学者による意見は学会での主たる学説であり、安倍首相も十分承知の上でここまで走ってきたのだと考えていましたので、自民党幹部からやや過剰とも思える反応があったのには驚きました。

また、野党にしても、平和安全法制について対案のようなものを委員会でぶつけていたので、鬼の首を取ったようなはしゃぎっぷりは相当に違和感を感じました。

ある程度筋が通っていたのは共産党くらいのもので、民主党にしても安保法制に対する考えの違いが、そのまま国会での、これが同じ党から出てくる質問なのかという混乱ぶり。さらに、もともと安保法制が必要との立場の民主党幹部はほっかむりしたままです。

ともかく、パンドラの箱は空いたのですから、もはやじっとやり過ごすわけにはいかないと思います。

行政府の憲法解釈は、司法判決をよりどころにしているのだと思います。一方で、学説は学説としても、立法府が開催した会議での内容については軽軽に扱うべきではないと思います。

事実上の軍備を持っていながら憲法との齟齬をきたしている問題は、どこかの時点ではっきりさせないといけなかったのですから、「憲法学者はけしからん」などという感情論ではなく、冷静な国会での論戦を期待するところです。

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