Headway（ヘッドウェイ）HJ-908Re 30th Anniversary
日本を代表するギターの名工のひとりである百瀬恭夫さん率いるHeadway（ヘッドウェイ）が、80年代に製造していたHJ-908というGibson（ギブソン）J-45タイプのモデルがあります。中島みゆきさんもツアーなどで使用していたようですが、ネットでの情報もほとんどなく、また中古市場でもまず見かける事がないギターです。
このHeadway HJ-908はカタログラインアップには無かったようで、ヘッドウェイ愛好者のサイトでお宝ギター紹介ページに掲載されている個体も、ヘッドのロゴやペグが違っていたりしていて、謎の多いギターです。
ちなみに、Headway自体が、1977年に創業するも2度にわたる工場の火災で材料などが失われたため1983年にアコースティックギターの製造を断念しエレクトリックギターの製造に切り替え、アコースティックギターの製造を再開するのは1999年という、波乱万丈のブランドです。
そんな幻のHJ-908が過去に2回だけ復刻されたことがあり、2003年に30本限定で制作された『HJ-908 Limited 2003』と、今回紹介する2007年に創業30周年を記念して100本だけ作られた、『HJ-908Re 30th Anniversary』というモデルです。
このHJ-908Reは、トップはシトカスプルース単板、バック&サイドはホンジュラスマホガニー単板のオール単板仕様で、ネックはアフリカンマホガニー、指板はインディアンローズウッドというスペック。
なお、オール単板だからいい音がする訳ではありません。
オリジナルのHJ-908も同様の仕様ですが、大きく異なる点がひとつ。それは、スケールです。
オリジナルが644mmのロングスケールに対して、復刻版のHJ-908Reはギブソンと同じ628mmのショートスケールになっていて、J-45のコピーだったオリジナルのHJ-908が、復刻してよりギブソンに寄せて来たのは面白いところです。
ペグはオリジナルがクルーソンタイプだったのに対してGOTOHのSE780というオープンバックタイプになっていますが、ツマミはオリジナルのキーストーンタイプの方が好みです。ヘッド裏には、30th Anniversaryとシリアルナンバーが金文字で。
さて音の方も、ギブソンサウンドなのか？と思いきや、カラッとしたミッドレンジが特徴的な軽快なサウンドで、たまに通うフォーク酒場にとてもよく鳴るJ-45が置いてあるのですが、サウンドキャラクターは異なるように感じます。
正直に申せば、ギブソンサウンドが欲しかったのではなく、J-45とかサザンジャンボのデザインに魅入られていたことと、中島みゆきさんが弾いていたギターが欲しかったからなので、音は全く問題にしていません。ミーハーなので。
今回は、中古楽器屋さんのサイトで発見して購入しましたが、購入を決心した時には既に商談中で、駄目もとでキャンセル待ちをしたところ、運良く先客がキャンセルされ購入出来ました。ついでにいうと、運送会社の登録ミスで、現物が届いたにも関わらず着払いの決済が出来ず、一旦引き上げられ、数日後にようやく我が家に届いたという、色々思い出深い出来事となりました。
なお、中古のギターを購入する際はあくまでも自己責任で。安くて良いものを購入するチャンスではありますが、ガッカリする事も決して少なくないのでご注意を。
- 【令和4年2月14日 追記】
- ペグを交換しました。本当は、クルーソンタイプにしたかったのですが、ネジ穴位置が違うので、同じGOTOH製SE780のキーストーンタイプのつまみのものに交換しました。
参考までに主要緒元を掲載します（メーカー発表情報ではありません）。
| 弦長 | 628mm |
| ナット幅 | 43mm |
| 表板 | シトカスプルース単板 |
| 裏/側板 | ホンジュラスマホガニー単板 |
| ネック | アフリカンマホガニー |
| 指板・ブリッジ | インデアンローズウッド |
| ブレイシング | ノンスキャロップXブレイシング |
| ペグ | GOTOH SE-780 |
| ケース | 純正ライトウェイト・ハードケース |
| 発売時期 | 2007年 |
| 発売当時定価 | 155,400円（税込） |
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