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ヒトパピローマウイルスワクチンの接種に関する意見書

ワクチンイラスト
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令和3年12月富山市議会定例会が、コロナ禍での子育て世帯や生活困窮世帯への支援を盛り込んだ補正予算を可決し閉会しました。

また、自民党会派提案のヒトパピローマウイルスワクチンの接種に関する意見書などについても可決いただきましたが、私も提案者の一人となった意見書についてお問い合わせいただいたので、全文を掲載します。

ヒトパピローマウイルスワクチンの接種に関する意見書

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは予防接種法に基づく定期接種であるにもかかわらず、平成25年6月以降、積極的勧奨を差し控えたまま8年余りが経過した。これに伴い、平成12年度から平成16年度に.生まれた女性のほとんどが、定期接種の期間を過ぎた場合に公費での接種が受けられなくなることも含めて、HPVワクチンに関する情報が伝えられないまま、接種機会を逃した。このまま接種がなされなければ、約22,000人の女性が防げたはずの子宮頸がんに罹患し、約5,500人の女性が子宮頸がんで命を落とすと推計した研究試算も発表されている。

定期接種の機会を逃した女性のうち、自ら希望し任意接種を受ける女性は、高額な費用を自己負担しなければならず、万一副反応が発生した場合の補償にも違いが発生する。また、経済的理由により任意接種ができないことで、がん予防に経済的格差が生じ、これから妊娠・出産を考える女性の妊孕性を脅かすことは、公衆衛生上の重大な問題である。

令和3年11月12日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、積極的勧奨を再開する方針が示されたが、接種機会を逃した女性の救済も急務である。

また、4価ワクチンの肛門がん等HPV関連がんの予防効果について男性への適応が追加されたほか、9価ワクチンが国内でも承認されたことから、より効果の高いがん予防対策となるよう、早急に予防接種法施行令を見直し、8年間の遅れを取り戻す必要がある。

よって、国におかれては、国民の命と健康を守るため、次の事項について.早急に対応するよう要望する。

1 定期接種の接種機会を逃し、HPVワクチンの任意接種を希望する女性に対して、経済的負担を軽減するための措置を講じるとともに財源の確保を行うこと。

2 定斯接種の接種機会を逃し、既に自費で接種した女性への償還払いを、前項の措置及び財源の確保の対象に含めること。

3 9価のHPVワクチンを定期予防接種に使用できるよう、早急に対応を行うこと。

4 男性も定期接種の対象とすること。

5 接種を躊躇せず安心してHPVワクチンによるがん予防が行えるよう、有害事象に対する診療体制を強化すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月21日

富山市議会

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