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クロケット&ジョーンズ ハラムとオードリー

クロケット&ジョーンズ ハラム
クロケット&ジョーンズ ハラム

黒のストレートチップはなにかと重宝なのですが、いかんせんオードリー(Audley)一足では心許ないので、同じクロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)ハラム(Hallam)のサイズ7Eを、CRISPIN(松井靴店)で買いました。

ハラムは、ハンドグレードと比較して2万円から1万円安い(製品・お店によって異なる)メインコレクションという通常ラインのモデルです。内外価格差を考慮すると高級紳士靴というより普及価格帯の製品なのでしょう。あまり細かいことは気にせずガンガン履いています。

ハラムとオードリー
ハラムとオードリー

左がハラムで右がオードリーです。違いが判りますか?

ラスト(木型)348のハラムの方がトウ(爪先)のデザインがややスクエアでサイドシェイプも立体的なところがオードリーとは異なる魅力です。あと、アイレット(紐を通す穴)の一番下の配置が異なります。

ハラムに使われているラスト348は、オードリーに使われているラスト337よりも細身に見えますが、サイドが丸みを帯びているオードリーに対して、サイドが垂直に立ったハラムが意外にも断面が大きくゆとりを感じました。また、オードリーの方が甲から爪先にかけて厚みがあるのですが、ハラムの方が甲の立ち上がりの角度があるので、足先の厚みが薄くて甲が高い私にはちょうどいい木型です。

ハラムの中敷きは半面敷きで、足入れのしやすさや包み込まれるような感覚は、アッパーと同等の革を全面に敷いてあるオードリーのほうが上です。

表底の仕上げも靴底を縫い付ける糸が見える底付けをオープンチャネルという一般的な仕上げになっています。仕上げも表底の素材もオードリーの方が手が込んでいるのは当然ですが、ここは誰も見ませんから自己満足ですね(笑)。

ウエストとコバの違い
ウエストとコバの違い

3枚目の写真はウエスト部。こんどは左がオードリーで右がハラムです。

よくみると、オードリーのほうがウエストをぎゅっと絞ってあります。ここは土踏まずのあたる部分なので、履き心地が全然違います。ぴたっとはまると土踏まずが適度に圧迫されて気持ちよいです。また、コバもオードリーの方は装飾的な意味合いですが丸く削ってあって繊細な仕上げです。

アッパーの革の材質もオードリーの方が良いのは当然ですが、実はこのあたりのひと手間かけた仕上げの差が一番大きいのかも知れません。

ヒールカップの比較
ヒールカップの比較

最後に、ヒールカップ(踵)。

ステッチがちょっと異なるほか、足を入れた深さがハラムの方が浅く感じます。ただし、ヒールカップの形状のせいでしょうか、踵のホールド感はハラムの方があります。

ただし、履き心地は人によって異なりますのであまり参考にならないかもしれません。

以上ざっと書いてみましたが、こうしてみると、ハンドグレードコレクションの方がコストパフォーマンスがよいような気もします。ただし、実用靴である以上最後はブランドやグレードではなく気に入ったデザインでかつ足にフィットするものを選ぶのが吉ではないでしょうか。

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