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ごみ屋敷化を防ぐセルフ・ネグレクト対策 - 研修報告

  • 鋪田博紀
  • 平成29年11月13日(月)
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岸恵美子東邦大学看護学部教授
岸恵美子東邦大学看護学部教授

11月10日に千代田区の剛堂会館で、ごみ屋敷化を防ぐセルフ・ネグレクト対策について研修を受けてまいりました。政務活動報告書のベースとして、こちらにも掲載いたします。

なお、セルフ・ネグレクトやごみ屋敷条例については、次のリンクが参考になります。

研修内容

  1. セルフ・ネグレクト状態にある高齢者への支援と題して、セルフ・ネグレクトの定義、リスク要因、実態、支援について(講師:岸恵美子東邦大学看護学部教授)
  2. 横浜市における、いわゆる「ごみ屋敷」対策~福祉的アプローチによる挑戦~と題して、専門職、市の基本的考え方、条例の概要、推進体制、困難事例のアプローチ8講師:嘉代佐知子横浜市健康福祉局地域福祉保健部福祉保健課人材育成担当課長)
  3. 足立区における、居住者支援に重点を置いたごみ屋敷対策とその手法~条例制定と100件を超える解決事例より~と題して、職員提案による条例制定の過程、専門管理職会議と庁内連携、区の対策の特徴、居住者の生活再建について(講師:祖傳和美足立区環境部生活環境保全課長)
  4. 芦屋市における、多面的・制度横断的な地域支え合いの仕組みづくり~庁内連携の推進と「地域発信型ネットワーク」の構築~と題して、市における包括支援体制整備の経過、庁内連携強化・支援の実践、生活困窮者の相談窓口、地域における取り組み「地域発信型ネットワーク」、「芦屋市行政改革」に基づく包括支援体制の整備、事業プロジェクト、包括支援体制の実現に向けて(講師:細井洋海芦屋市福祉部地域福祉課長)

所感

  1. 今年3月制定した「富山市空家等の適切な管理及び活用に関する条例」の提案理由のひとつとして、草木の繁茂の放置を含む、いわゆる「ごみ屋敷」問題が地域から寄せられていることがある。「ごみ屋敷」については、様々な理由からセルフ・ネグレクトとなった家屋所有者の問題を解決する必要があり、このため、岸教授からは、専門研究者の立場からセルフ・ネグレクトについて学術的な解説を伺った。解決策のひとつとして「SOSをキャッチし、SOSを出せる地域づくり」が必要とのことである。このことは、本市においても予防的な観点からも、地域包括体制やケアネットなど地域の取り組みが日頃から必要であり、福祉的なアプローチを推進する必要を感じた。この後、三市の担当課長からそれぞれの自治体の取り組みを伺った。
  2. 横浜市からは、保健師など専門職による体制づくりとその養成について伺うとともに、「地域ニーズ反映システム」による12区の共同提案事業として、対策検討プロジェクトを設置、条例制定などを検討。条例の制定プロセスとその推進体制について学んだ。福祉部門、環境部門という現業部門がそれぞれ動くのではなく、チーム横浜として部局横断体制の構築が不可欠とのことであった。
  3. 足立区は本市では建設部に当たる部局が、公道へ溢れるごみ問題解決を含む犯罪・治安対策としての「ビューティフルウインドウズ運動」をきっかけに取り組まれ、その後全国初となる条例制定をした。対策の特徴としては、横浜市同様に全庁組織横断体制で取り組むとともに、セルフ・ネグレクトの方に対しては、ごみを片付けただけでは、再び同じことを繰り返すだけであることを踏まえ、福祉的なアプローチにより、最終的には「所有者が変わらなければ問題の根本的解決にはつながらない」との認識で、親族などからキーパーソンとなる人物を見つけ出し再発防止チームを作り、場合によっては成年後見人制度も活用して、解体整地し売却までつなげているということであった。また、今後の解決手法としては、相続財産管理人制度の活用も必要とのことである。

まとめ

空き家対策、ごみ屋敷対策の一環として、今後増える一人暮らし高齢者について、既存制度の充実により地域でのケア体制と組織横断的な相談・支援体制の構築が必要であると同時に、条例制定の必要性については十分検討しなければならないと考える。

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