奈良オリエンタルのエプロンフロントダービー

年末年始に靴の断捨離を行い5足手離しました。その中には以前レポートしたエドワードグリーンの808ラストを使ったドーバーもありました。
タイトながら足入れは出来たものの、古い靴のほうがギシギシと悲鳴をあげているようでちょっと可哀想になり、コレクションとして靴棚に飾るよりも、ちゃんと履いてくれる人の手に渡す方がよかろうと、ネットオークションで手離したのです。

そのかわりと言っては何ですが、奈良のファクトリー、オリエンタルシューズが展開するブランド"Oriental"からドーバーをもっとドレス寄りにしたようなエプロンフロントダービー(Apron Front Derby)が発売されることになり、上京の折にワールドフットウェアギャラリー(World Footwear Gallery)で購入しました。
モデル名はNICKY。ラストはトップグレード専用だった1204とのことで甲が低い事に加え、ボールジョイントからつま先までの前半部分はグッドイヤー製法ですが、ボールジョイントから踵にかけての後半部分はマッケイ製法を用いているため、土踏まずの絞りがエグいのが特徴です。

ソールはシングルソールで、半カラス仕上げのフィドルバック&ベベルドウエスト。ヒールカップのステッチもシンプル、加えてピッチドヒールとなっていて、ドーバーやジョンロブのシャンボードなどの代表的Uチップよりもドレス寄りな意匠です。
甲と踵でホールドするというのは、エドワードグリーンの808ラストに近いものが有りますが、サイズが7Dということもあり、手持ちの808ラスト7Eに比べてもウエストまわりは細く感じます。
逆に、ボールジョイントは余裕を感じますが、ライニングに奈良のファクトリーならではの柔らかなデアスキンが使われているおかげでしょうか。

アッパーにはアノネイのボックスカーフが使用されていて、漆黒の如く底光りしております。履きじわが出てくると、色気も増してくるような予感がします。
以前、ミヤギコウギョウのエプロンフロントダービーをInstagramに掲載した時、海外から、「Doverのbad copy‼︎」とコメントされてしまいましたが、エプロンフロントダービーの造形は何処かのブランド固有のものではありませんし、ミヤギコウギョウならではのラストデザインや造り、特にステッチなどはは英国ブランドを凌ぐ精緻さがあります。

Orientalのエプロンフロントダービーも、エドワードグリーンのそれよりむしろガジアーノ&ガーリングのようなドレス感のあるデザインが特徴のように感じます。エドワードグリーンも所有していますが、それぞれの持ち味を楽しめば良いのではないでしょうか?
因みに、Orientalの靴は、総曲輪CRISPINさんで購入したサイドゴアブーツ以来ですが、残念ながらこのNICKYはワールドフットウェアギャラリーの限定品との事でした。なお、CRISPINさんには、オリエンタルシューズに別注かけたオリジナルモデルがラインナップされていますよ。
コメント