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政策提言はどうあるべきか - 正副議長研修会(3)

勉強会資料
勉強会資料

2回で終えようと思っていた正副議長研修会の報告ですが、請願・陳情はどうあるべきか - 正副議長研修会(2)に続き3回目の報告です。

議会、議員の政策立案と題した講義もありました。

議会、議員の政策立案の現状

富山市議会においても、「安全で安心なまちづくり推進条例(平成23年7月1日施行)」、「富山市旅館業法施行条例の一部を改正する条例(平成28年4月25日施行)」、「富山市空家等の適切な管理及び活用に関する条例(平成29年7月1日施行)」など、委員会提案による条例制定を行っています。

次の表にみられるように、市長提案によるものが圧倒的多数を占めており、条例などの提出数だけで比較すれば、議会・議員の政策提言が低いということになります。

市長提出による事件別件数
自治体規模条例予算決算その他その他合計
5万人未満(269市)9,2499,8362,5542,1325,98829,759
5〜10万人未満(258市)9,7508,9662,4242,3455,34428,829
10〜20万人未満(157市)6,7195,3951,3401,8783,54618,878
20〜30万人未満(46市)2,2461,5694127361,2616,224
30〜40万人未満(27市)1,6671,0722924896804,200
40〜50万人未満(22市)1,2007921923777163,277
50万人以上(15市)988363862524152,104
指定都市(20市)1,3658823095131,2754,344
全市(814市)33,18428,8757,6098,72219,22597,615
議員提出による事件別件数
自治体規模条例規則意見書決議その他合計
5万人未満(269市)160381,1661605782,102
5〜10万人未満(258市)238461,3441884992,315
10〜20万人未満(157 市)141191,2421532881,843
20〜30万人未満(46市)57343344189726
30〜40万人未満(27市)41431824122509
40〜50万人未満(22市)414263277342
50万人以上(15市)2421561512209
指定都市(20市)5323364769507
全市(814市)7551185,2586581,7648,553
委員会提出による事件別件数
自治体規模条例規則意見書決議その他合計
5万人未満(269市)104243214662557
5〜10万人未満(258市)70263425961558
10〜20万人未満(157 市)66181451223264
20〜30万人未満(46市)152295253
30〜40万人未満(27市)83366457
40〜50万人未満(22市)60415153
50万人以上(15市)315009
指定都市(20市)422712146
全市(814市)276769461451541,597

しかし、市長提案の中には、議会での議論や様々な活動を通じて議会・議員が提言した政策が含まれており、この数だけをもって単純比較することはできません。

富山市で採用された、まちなか居住推進施策の助成制度や、借上げ市営住宅制度は議会質問を通じて私が提言し、先進地視察も当局を巻き込んで行ったものです。このほかにも数多くの政策提言が多くの議員から行われ、政策に反映されています。

記憶に新しいところでは、自民党会派が各会派に呼び掛けて行い、平成29年10月から実施となった「こども医療費の拡充」などは、まさに議会が一丸となって行動したことによる成果です。

一方で、政策決定のプロセスで議会がどのように関与したか、なかなか市民に伝わりにくい。また、前述のこども医療費の拡充については、平成26年度に委員会を中心として市長提案からさらに進んだ中学生までの拡充というステップの延長線上にあり、議会からの提言が中長期スパンで議論されようやく実現にこぎつけることが決して少なくありません。

こうした活動と市民の理解との乖離を埋めるためには、議員個々に行っていた広報活動に加え、議会という組織や会派という枠組みでの広報活動の充実が必要になります。そのため、インターネット中継に加え3月議会からはケーブルテレビによる議会中継が始まるほか、議会だよりも昨年度から少しづつではありますが、情報提供の強化に努めています。

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