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事業所内認可保育園と南砺市包括支援センター - 視察厚生委員会

2月19日は、福祉保健部による議長・副議長への議案説明の後、富山市議会厚生委員会の県内視察で、市内の事業所内に設置された認可保育園と、南砺市が井波高校跡地にあらたに整備した包括支援センターを訪れました。

企業内認可保育事業

支援新制度パンフ
支援新制度パンフ

まず最初に株式会社ホクタテ内に平成29年4月開園した「きぼう保育所」を視察しました。

定員は従業員枠11名・地域枠5名の合計16名という小さな保育園ですが、地域枠を持った認可保育園となっていることです。

平成27年4月から施行された子ども・子育て支援新制度では、保育の受け皿確保のため地域型保育事業という枠組みが設けられ、このなかには小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業があります。株式会社ホクタテでは、こうした制度のもと、本社ビル別館の建て替えにあたり、人材確保の観点から、社会福祉法人わかば会の運営による地域枠を持った事業所内保育園開設に至りました。

県内の多くの事業所内保育は認可外のものがほとんどですが、無認可事業では児童福祉法上の監査がなく、ただ有資格者が配置されているという保育事業も見受けられ、子供や親の立場に立った質の高い保育が求められる時代のニーズに応えるため、わかば会では地域枠を持った事業所内認可保育園の運営を積極的に行っていくそうです。

保育士の確保については、都心部などの保育所は定員越えで人気が高いものの、郊外の保育所では定員割れを起こして、定員枠に対応した職員配置は必要なため、実態としては保育士が余ることになるという場合もあり、一括りに保育士不足として対応するのではなく、地域の実情などを見極めたうえで対策しなければなりません。

ただし、認可外の企業主導型保育事業でも設備費や運営費は公費助成があります。保育の質を高める観点から認可型の企業内認可保育が望ましいと考えますが、都市部での保育の受け皿確保が急務となっていることから多様な受け皿は必要でしょう。

なお課題と思われる事項について、まず、給食については、連携園としてわかば会が運営する保育園で作られた給食を提供している。また、いわゆる3歳の壁については複数の連携保育園への進級となることから、別の保育所を希望された場合は別として、対応できるとのことでした。この点も、事業所内認可保育園の強みでしょう。

南砺市包括ケアセンター

包括ケアセンター
包括ケアセンター

南砺市包括ケアセンターは、井波高校跡地に新たに建設され、平成29年1月から業務を開始したものです。

以前から隣接する南砺市民にも同様の機能があり、今後も介護と医療の連携の必要性が重要視されるなどの条件が合致し、高校跡地での整備となりました。

重要なことは、関係課が同一フロアで業務を行い、お客様をたらいまわしにしない、お客様に動いていただくのではなく、職員が動くのだというポリシーをはっきりと打ち出されていました。特に、このことは分庁舎形式をとっている南砺市においてはとても重要なことで、仮に庁舎を一つにまとめても、フロアがバラバラではお客様に動いてもらうことになるので、多少職員には窮屈な思いをさせてもワンフロア化は、建物のコンセプトとしてのみならず、行政サービス全般の取り組み姿勢としてとても重視されているという印象です。

また今後の取り組みとして「地域個別ケア会議」において、個別のケースに応じて、福祉や保健関係職員も加わり包括的な解決に努めるとのことで、民間の包括支援センターに任せている本市との取り組みスタンスの違いを感じました。

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