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高齢者介護の課題 - 海外との比較

3月27日から28日にかけて、「条例の読み方・作り方マスター講座」「高齢者介護と地域包括ケアシステムの課題」というふたつの研修を受けてきました。

 千葉喜久也氏による講義
千葉喜久也氏による講義

今回はそのうち、仙台大教授で厚労省母子家庭自立支援事業評価委員をつとめるの千葉喜久也氏による「高齢者介護と地域包括ケアシステムの課題」について簡単にまとめ。

印象的な言葉としていくつかピックアップしてみます。

  1. 生活支援とは、その方にとって意味のある一日となるよう、朝起き上がる理由を見つけてあげて支援すること。
  2. 間違った医療の一例として、病気はよくなっても生活が悪くなる患者が多い。何のために生きて何のために健康になるのかを考えなくてはいけない。消極的な治療を評価しない日本の医学界の課題である。特養利用者の8から9割が過介護による廃用状態にある。
  3. 治らない病気・老いとどう向き合うか?そのことを告知する場合の宗教観の違いがある。経験としてわかってくるが、医学部などでは教えない。
  4. 介護が過剰になっており、このことがサービス利用者の自尊心を傷つけることになる。また、余分なサービス利用となるため結果として保険料やサービス利用料に跳ね返ってくる。自己決定権を尊重すべき。
  5. 介護の分野に限らず、リスクを受容する権利が日本では認められていない。このことも介護現場を窮屈なものにするとともに、利用者の自己決定権がないがしろにされることにつながる。
  6. 地域包括支援センターを民間に任せることは、認定レベルが甘くなることにつながり、本来受けなくてもよいサービスを受けることになる。家族を含む利用者がそのことを望む場合があるが、決して良い方向ではないだろう。
  7. 施設での介護は限界であり、地域での見守りはもちろん、その土台作りとなる元気な高齢者の活躍の場(介護や福祉の現場でもよい)を創出することが必要。

などです。

施設から地域へという流れは、諸外国に比べ施設へ過度に依存してきた制度みなおしをさらに進める必要がありますが、海外では住宅事情が大きく異なる。つまり、若いころからライフスタイルに合わせて住処を変えるため、地域といっても日本のようにそれが生まれ育った町内や持ち家を意味するわけではないので、「施設か在宅か」ではなく、「隔離された施設か、解放された地域か」に意識を変える必要があると思います。そうして、「何が何でも自宅で親の面倒を見なければならない」という強迫観念を押し付けてしまうと、介護問題はますます深みにはまっていくような気がします。


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