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大人のひきこもり問題を考える研修会

講義の様子(講師:水野達朗氏)
講義の様子(講師:水野達朗氏)

令和元年10月3日(木)に東京で開催された、大人のひきこもり問題を考える研修会(講師:水野達朗 一般社団法人家庭教育支援センターペアレンツキャンプ代表理事)に参加してまいりました。

以下、政務活動報告書に記載した内容をブログに転載します。

研修会・研究会の目的

本市が設置する「ひきこもり丸ごとサポートネットワーク会議」、「ひきこもり予防ネットワーク会議」施策をさらに実効性のあるものとする政策提言を行うため、「大人のひきこもり問題を考える研修会」にて研修を受けるもの。

研修会・研究会の内容

講義は、「大人のひきこもり問題を考える【日本】~40歳以上のひきこもりの現状が把握された今、議員としてどうすべきか~」という内容で、①ひきこもりの現状と課題。②合理的な社会投資としての若者支援とは。③行政支援の現状と課題。④これからを見据えた行政支援のポイント。以上4つの項目にわけて行われた。
以下、その内容を記す。

  1. 合理的な社会投資として福祉全般を見るという視点が大切。SROI(社会的投資収益率または社会的費用対効果という指標を用いて福祉政策の妥当性を測ることが必要。
  2. カウンセラーのような心理的な支援、ソーシャルワーカーなどの社会的支援、医師などの医療的支援の三つを組み合わせて、就労支援につなげることが必要(現状では各分野バラバラ)。
  3. ひきこもりは長期化し、80・50問題となってきており、若者問題ではないことを認識しなければならない。また、社会的貧困問題としてとらえる必要がある。
  4. おとなのひきこもりの解決の困難さについては、そのゴールが就学期の場合は、不登校の解消であり、学校が登校を歓迎するが、就学期を過ぎるとそのゴールが就職になるが、企業側は必ずしも歓迎していないのが実情。
  5. おとなのひきこもりを解決するのは容易ではなく、早期発見・未然予防が重要であり、就学時までに対策を行う必要がある。

市政への影響、反映、成果等

これらのことから

  1. 不登校や中退については教育委員会、就労支援については福祉部局と労政部局に分かれている。また福祉施策としての就労支援も、職業あっせんについてはハローワークに限られているなど、部局別以外にも国・県・市の所管にわかれるほか、教育委員会においても前述の通り、心理的な支援、社会的支援、医療的支援が必ずしも包括的な支援を行えていないことから、包括的な支援体制の構築
  2. 心理的支援、社会的支援を行う専門員の処遇改善と社会的地位の向上
  3. 行政だけではなく、NPOなどの民間支援組織との連携
  4. 民間支援組織の責任と権限を明確にするとともに、その活動には縦割り行政を持ち込まずに、民間らしい柔軟な支援活動が行えるようにすること
  5. 早期発見・未然予防の観点からも、家庭教育支援の充実が必要であり、講師が提言するように、訪問型の支援体制の構築
  6. 年齢や支援段階などに着目した支援ではなく、支援を受ける側にたった支援が求められることから、総合的に一人の対象者に寄り添う体制の構築

以上のことが本市でも求められる。

なお、先進事例として町田市の「ひきこもり支援」、大阪府の「課題を抱える生徒フォローアップ事業」が紹介されたことから、調査研究を継続してまいりたい。

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