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令和6年度 総務文教委員会行政視察報告

令和6年度 総務文教委員会行政視察報告書より抜粋しました。

7月16日(火)大熊町

図書室も兼ねたオープン教室
図書室も兼ねたオープン教室
(1)視察事項

学び舎ゆめの森について

(2)視察の目的

本市では、令和8年4月に5つの小学校と2つの中学校を統合した義務教育学校の開校を予定している。

令和5年に大熊町で開校した学び舎ゆめの森は、義務教育学校と認定こども園を一体にした施設であり、ゼロ歳から15歳までが共に過ごすシームレスな学びを展開している。本施設の特色ある学びなどを視察し、今後の本市の取組の参考とするものである。

(3)取組の概要

学び舎ゆめの森には5つの特色ある学びがある。

1つに、ゼロ歳からのシームレスな学びとして、認定こども園と義務教育学校の子どもたちが共に学ぶ環境を生かしたシームレスな学びを展開しており、幼児期の遊び(内発的関心・問いからの没頭)の力を伸ばすことで、学校の学びも内発的な探究へと転換し、自ら問い、試行錯誤し、創造する力を育成している。

2つに、学びのマネジメントとして、ICTを徹底的に活用し個別最適化した学習者主体の学びにより子どもたちが自分の学びをデザインし、好きなことに夢中になれる授業を展開している。1人1のタブレットでAI型教材を活用し、自由進度学習を取り入れた授業を行うことで、知識習得の時間を大幅に圧縮し、探究を深化させていく深い学びを実現している。また、時間割を自ら組み立てることや、毎日25分間のレベルアップタイムを活用することにより、子どもたちが得意なことを伸ばし、苦手なことに向き合うといった学びの自己マネジメントの力を育成している。子どもたちが誰とどこで何をどのように学ぶのかを自己決定して学ぶとともに、毎時の振り返りを徹底している。

3つに、持続可能な地域の実現に挑戦する「未来デザインの時間」として、自らの興味と問いを出発点として大熊町の豊かな人や歴史に向き合い、各自が大熊町に貢献するプロジェクトを実践し、自らの生き方の創造につなげている。AIドリルを活用して知識習得の時間を大幅に圧縮し、その生み出された時間で公民分野の学習やフィールドワーク等を出発点に地域の課題を調査し、解決のプロジェクトを構想し実践している。

4つに、演劇教育として、専任のアーティストが学校に常駐し、子ども、アーティスト、教員の協働により地域や他者との出会いの中での共感を出発点とした演劇表現に取り組んでいる。

5つに、インクルーシブな学びのコミュニティーとして、DE&I(多様性、公正性、2 包摂性)の視点で全ての児童・生徒の個別支援計画を活用した体制を構築し、児童・生徒一人一人の力を最大限に伸ばしていくインクルーシブな学び舎を実現することで、多面的に個の特性を捉え、共通理解を基盤とした支援につなげている。 これらの特色ある学びにより園児、児童・生徒は増加しており、令和6年6月25日現在の園児、児童・生徒数は57名で、そのうち帰還や教育移住により令和5年度中に31名が転入している状況である。

(4)所感

多様な学びの環境をつくるために、学校らしくない学校として開設され、決まった教室すらない。

授業等については、主体性がないままでは個別最適な教育は困難であり、児童・生徒の主体性と自己決定権を尊重した教育が行われている。さらに、教員には人事異動があることから、異動してもここで学んだことを他の学校で実践することにより、福島県の教育を変えるという目標を持っていた。

本市の学びの多様化学校においても、単に不登校児童等への取組ではなく、学びの多様化学校が本市の教育理念そのものとなるように進めていく必要があると考える。

7月17日(水)柏市

ペット避難用のゲージ
ペット避難用のゲージ
(1)視察事項

避難所におけるペットの受入れについて

(2)視察の目的

環境省は、ペットを飼育している人が災害時に自宅等から避難する必要があるときは、飼い主の自己責任の下でペットを連れて避難する同行避難を推奨してきた。 令和6年能登半島地震発生時は本市でも最大震度5強の揺れとともに津波警報が発表されたことから、住民がペットと共に避難所へ避難するケースが見られた一方で、ペットを連れて避難しようと思ったが、どの避難所で受け入れてもらえるのか分からなかったため、連れていくことができなかったなどの声が多数あった。 近年、犬や猫を飼育する世帯が増え、ペットは家族の一員だという認識が高まっているが、避難所では動物が苦手な人や、動物アレルギーを持つ人を含む多くの避難者が共同生活を送ることになるため、避難所におけるペットの受入れについてのルールづくりが必要である。 そこで、災害時にちゅうちょすることなくペットと一緒に避難できる仕組みづくりに先進的に取り組んでいる柏市を視察し、本市における今後の取組の参考にするもの。

(3)取組の概要

過去の大規模災害では、自宅に取り残され飼い主とはぐれたペットが放浪状態となって命を落としたり、避難所でペットを受け入れてもらえなかったために自宅へ戻る途中で飼い主が被災するなどの事例が発生した。このことから、柏市ではペットを含め誰も取り残さない避難体制を実現するため、避難所の整備、避難所の運営、衛生管理、ペットの救護・飼育指導の4つの項目を柱として掲げ、ペットと一緒にちゅうちょすることなく避難できる仕組みづくりを進めている。

まず、1つ目の柱である避難所の整備について、これまでも柏市内の109か所全ての指定避難所でペットの屋外での一時的避難ができる体制を整えており、ペット避難初動グッズとしてビニールシートや使い捨て手袋などの25品目を備蓄している。令和5年度にはそのうち42か所の指定避難所においてペットも屋内に避難することができる体制を整え、大型・中型・小型のペット用ケージとケージカバーを配備し、屋内でのペットの避難場所や避難動線、衛生管理等について調整を行った。

次に、2つ目の柱である避難所の運営について、防災安全課、動物愛護ふれあいセンター、獣医師会が一体となり、令和5年9月にペット避難受入れに関するガイドラインを策定した。ガイドラインには、飼い主の役割として、平常時はペットの避難用品の確保やワクチン接種などの健康管理を行うこと、災害時は飼い主の会を結成し、不慣れな環境の中で大切なペットを守りつつ、ペットを飼育していない人との調和を図ること、また、施設管理者の役割として、平常時はペットの受入れスペースや避難所内での飼育ルールを決めておくこと、災害時は飼育スペースを設定することなどが定められている。

次に、3つ目の柱である衛生管理について、避難所閉鎖後は施設再開に向けて清掃、消毒が必要なことから、令和5年3月30日に市内事業者と災害時における避難所の清掃及び消毒に関する協定書を締結し、衛生管理の協力を要請できる体制を整えている。

最後に、4つ目の柱であるペットの救護・飼育指導について、被災したペットの救護活動や避難所での指導等の支援を受けるため、令和5年9月30日に柏市動物愛護ふれあいセンターと東葛地域獣医師会が災害における動物救護活動に関する協定書を締結した。これは、飼い主が不明な犬猫や飼い主の避難生活により飼育の支援が必要な犬猫等を対象とし、負傷した被災動物に対する応急的獣医療行為の提供や被災動物に関する情報収集、情報提供等を行うものである。なお、救護活動に伴う獣医師の派遣に要する費用や診察、治療に係る経費などは市が負担することとしている。 また、今後は、ペットの屋内避難が可能な避難所の拡充やさらなる備蓄品の充実、避難所での衛生管理や救護活動の具体化を図る予定としている。

(4)所感

避難所におけるペットの受入れについては、備蓄品や初動グッズの購入に加え、獣医師会の監修の下ガイドラインを策定したとのことで、具体的な避難行動が取れるようになったことが大きい。

ペットを連れて避難する方はもちろん、そうではない方の理解が必要不可欠であり、見える化によりお互いに共有され理解が進むことが必要不可欠だと考える。まずはその第一歩として、本市においても具体なガイドライン策定が必要ではないだろうか。また、その際にはペットを飼っている方に加え地域の保健衛生連合会など、住民を巻き込む必要があると考える。

7月17日(水)足立区

中学校体育館に設置されたエアコン
中学校体育館に設置されたエアコン
(1)視察事項
  • 小・中学校における体育館空調の設置効果について
  • 防災減災対応システム「BOGETS」について
(2)視察の目的

学校施設は児童・生徒の学習、生活の場でもあるが、災害時には避難所としての役割を果たす重要な施設である。

文部科学省の公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況によると、令和4年9月1日時点で普通教室への設置率が95.7%、特別教室への設置率が63.3%、体育館等への設置率が15.3%となっている。

本市では、令和2年5月までに全小・中学校普通教室への空調設備の設置を既に完了しているものの体育館への設置は進んでおらず、令和6年度当初予算に体育館と特別教室に空調設備を設置するための検討業務委託費が計上された。

そこで、全小・中学校の普通教室及び体育館への空調設備設置を既に完了している足立区を視察し、設置した空調設備の特徴や効果について本市の参考とするもの。

(3)取組の概要

足立区では、小・中学校の普通教室及び特別教室の空調整備がほぼ完了したことを受けて、平成28年度頃から体育館への設置の検討を開始した。学校体育館は災害時には避難所となるため、当初から継続利用を前提として様々な手法を試したが、最終的には東京都公立学校屋内体育館施設空調設置支援事業を活用し、リース方式で全104校に導入した。

体育館に設置した空調機はガス駆動式であり、発電機が内蔵されているため停電時でも体育館空調の起動や体育館内のコンセント、照明の利用ができる仕組みとなっている。機器のメンテナンスについては、定期保守点検や故障対応、1年に4回のフィルター清掃、フロン類漏えい点検があり、全てリース契約に含まれている。

体育館に空調設備を導入したことで、児童・生徒や学校開放を利用している地域のスポーツ団体からは熱中症のリスクを心配せずに活動ができると喜びの声が上がっている。 次に、防災減災対応システム「BOGETS」は、備蓄したLPガスを都市ガスに変換する装置である。足立区では、都市ガスが遮断された場合でも体育館の空調を約72時間稼働できるように50キログラムボンベを備蓄している。災害等により都市ガスなどのライフラインが停止した場合に、手動でプロパンガスへの切替えを行うことで冷暖房の使用が可能になるもので、今後は、災害時のプロパンガスへの切替えを住民だけで操作できるように地域向けの操作説明会を順次実施していくとのことである。

(4)所感

小・中学校体育館への空調設備導入を進めるに当たり検討すべき項目として、1つに、体育館の断熱工事を行うのかどうか、2つに、避難所として使用される体育館が災害で停電した際の対策を盛り込むのかどうかの2点が挙げられる。

足立区では、断熱工事がなくても一定の空調効果が見込めるとして空調設備の導入を先行させた。また、災害対策は優先事項であるとして、防災減災対応システムを導入された。本市においては児童・生徒の安全の観点から断熱化にこだわらず、まずは空調設備の導入を進めることが必要だと考える。また、最低限の防災対策を取り入れたシステムの導入を検討項目に加えるべきだと考える。

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